中沢けい公式サイト 豆畑の友
ホーム プロフィール・著作リスト 中沢けいへの100の質問 中沢けいコラム「豆の葉」 お問い合わせ
伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

大学それからクロイツベルクのズンバ

2013年12月03日(火)

4時間しか眠れなくてもんもんとしつつ、11時に大学で待ち合わせだった。それでSさんに連れていってもらって用を済ませ、学食でごはんをごちそうになった。ドイツの学生のなんとすらりとしていること。アメリカの学食とちがって、自分でよそわないせいじゃないかと思う。ソーセージとフレンチフライ、とは言わないのだ、ポムフリット、なんでフランス語なのかわからないが、それを食べた。こっちにきて、一夕Iさんの手料理の南ドイツ料理をたべたほかはソーセージとハムしかたべてない。おいしいからいいけど。そして同じものばかり食べたい傾向の強いあたしとしてはソーセージとハムしか食べたくないのだ、今は。
4時にはSNと地下鉄で待ち合わせ、クロイツベルク(というとかなり中心地)のズンバにいった。そこは各種ダンスやピラティスのあるダンススタジオで、SNもそこのズンバクラスを取っている。Jというその先生はSNのズンバとは全然違って、うちの方のMやCなみの激しさだった。だからものすごくたのしかった。しかしあたしが最年長、みんな20代だった。そこだけが違和感。男がひとり激しく踊っていた。それもちょっと違和感、カリフォルニアに男がいないわけじゃないけど。Jのズンバは激しさ、明るさはMやCやPなみだが、格段にベリーダンスがうまかったことだ。トルコ系移民の多い社会の本場の味だ。Jの使う曲はどれも知らない曲だった。SNのは数曲かぶった。SNとクラスの前にしゃべっていたら、SNが、同僚のインストラクター(男)との確執をるると語った。彼はもっと商業的に、はでに、金儲けしながら、ズンバをやっていきたいそうだ。私(SN)はそんなの何それ? みたいなことを英語で言っていた。どの女たちも男の野心や不愉快な異質さの壁にぶちあたっていて、それをあたしに話す。クロイツベルクは遠いので、地下鉄を乗り継いでいった。しかし地下鉄はもうすっかり慣れた。都営三田線や千代田線みたいなもんだ。このようにただ目的に行くためだけに地下鉄に乗る、地下鉄のなかでぼーっとするというのも、旅行者としてはなかなか興味深い。
てなことをSkypeをかけてきたつれあいに言ったら、彼はど根性のクラシック好きだから、何のためにベルリンにいるんだみたいなことを言われ、ズンバばっかりやってて時間が惜しくないのかといわれ、しかしあたしは今、この瞬間、ズンバやってないとほんとに時間が惜しいのだが、まあ一理あるなと考えた。地下鉄の駅できのうぼんやりオペラの一覧ポスターを眺めていて「ルサルカ」みたいなあと思っていた。でもそれはちょうどあたしがボンにいってる間にやる。あたしが発つ日にもやる。ほかのは別にいいかなあという演目だ。ベルリンフィルのほうは前からチェックしてあって、3日は若い者のピアノ、ジェフスキやる、15日も内田光子と樫本大進の室内楽、でも15日はちょうどその日の同じ時間のポーランド人の老指揮者のモーツァルトに招待されていていかれない。で、思い立って3日のを取った。あしたはSNのズンバだから、そのあと走っていくことにした。汗まみれのまま。走ってないと気が済まないようだ。

↓前の日記 / 次の日記↑

   
談話室 リンク集「豆の茎」 メルマガ「豆蔵通信」 サイトマップ