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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

馬7

2011年11月04日(金)

15鞍め。敷地いっぱいに軽速歩。練習の囲いにもどって速歩。歩度を伸ばす。歩度をつめる。16鞍め。敷地いっぱいの軽速歩。それから速歩。歩度をのばし、さらにのばし、「かけあしッ」という先生の号令でなんとか駆歩。しかしもう心身硬くなって何がなんだか。定跡からぐんぐんはずれて、定跡が崖なら何回も落ちた(定跡を崖と思え、そこからはずれたら自分も馬も命はないものと思えと14鞍めのとき先生にいわれた)。それから先生は、速歩、常歩、歩度をつめて、と指示を出して止まらせようとしていたのにちっとも従えなかった。さいごは、ききーーっと急ブレーキで停止であった。そのあと先生が乗って見せてくれた。それはやはり凄かった。馬に乗って、あぶみもせずにからだも脚も動かさずにすっと駆歩。クレイジーホースや木曾義仲もかくやと。

父とライター

2011年11月04日(金)

無信心きわまりない父なので、母のお骨はまだそのまんま茶箪笥の上においてある。そこにお線香たてをおいて、朝、お線香をともす。ところがこないだから、ライターがないないという。ヘルパーさんが買ってきてくれた点火器は、強くおさないとつかないから使えないという。それでこないだコンビニでライターを買おうとしたが、ぜんぶ子ども防止の機能付きになっていたのには驚いた。それでパーキンソン老人のあやうい力では火がつかなかったのだ。こないだ行ってみた遠くの超大型ホームセンターのレジに、昔ながらのかんたんに着火するライターが一個30円でうっていたのでなやんだ末に 7個買ってきた。しかし何なのだこの数字。父が生きてるかぎり必要なのは目に見えておる。その 7個で父の命がつきるとも思えない。

あしたイメージフォーラムで

2011年11月04日(金)

それからこれも。
鈴木志郎康作品上映会「極私点360°」 で志郎康さんとゲストトーク。まず「比呂美毛を抜く話」の上映がある。

http://www.imageforum.co.jp/cinematheque/955/index.html

【とき】11月5日上映後
【ところ】イメージフォーラム

あした日大で

2011年11月04日(金)

あした、日大でこういう講演をする。
「なぜ詩を書くのか〜生命・言葉・家族〜」

日時 平成23年11月5日(土) 
開場 13:00 開演 13:30
場所 日本大学文理学部 3410教室(3号館4階)
参加費 無料
主催 日本大学国文学会
共催 近現代戦後文学研究会
http://www.chs.nihon-u.ac.jp/event/index_id50.html

日大のHさんという学生さんが、すごく熱心に企画してくれた。今どきこんな学生が日本にいるとは思わなかった。熊本文学隊の企画をぜんぶぶつけたいような学生さんだ。こんな学生に呼ばれたら、詩人冥利につきるというもので、へいっ地の果てまでもうかがいますってなことだったのだが、どうも一般にも公開してるようだ。

父と科捜研の女他

2011年11月04日(金)

持病がとりあえずはない父(でもほんとはあちこちがたが来ていて、薬でごまかしているのだが、89歳としてはいたって健康なほうだと思う、なにしろ生きてるし)であるが、ゆいいつの持病っぽいものが便秘と下痢で、それをくりかえし、下痢になると全身から精気がながれでていくし、便秘のときは青黒くかたまってしまうのである。で、きのうは下痢で精気が流れてていってしおれてしなびていたのである。夜はT川さんの朗読会があるので、出かけるからねといっておいたのに、なんとなく心細そうで、どうしても置いて出る気になれなかった。考えたらT川さんの朗読はまだ何回も聞けるだろうが、下痢の父のそばにいてやるのはあと何回かしかできないのである。そしていっしょに「科捜研の女」を見た。いつも見てるのときくと、「うん、かならず見てる」と力をこめた。そのあとの医者のやつもおもしろいよーと熱をこめて語る父であったが、さすがにそこまでつきあわずに帰って来た。数日前には7時頃、父が「櫻井翔って知ってるかい」というから「嵐の子でしょ」というと、「そうなの」ととぼけて(あれだけ新聞を熟読している父が嵐を知らないはずはない)「9時から櫻井翔が家令になるドラマをやるんだけど、おもしろいんだよね」というから(誘っている)しかたなく「それ見たかったんだよね」などと口裏を合わせて、9時から10時のドラマをみたのである。しかし9時になるまでつまらないさわがしいバラエティ番組を見てるのがじつにつらかったし、櫻井翔のドラマも、テレビアニメのようなドラマであった(櫻井翔はかわいかったけど)。

父とごきぶり

2011年11月03日(木)

父に朝食をつくったあと洗い物をしていたのである。父は一心不乱に新聞を読みながら朝食を食べていた。これは毎朝のことで、こっちを見もしないし口もきかない。洗い桶のなかに黒いものがうかんでいたので(父の目玉焼きにベビーリーフのサラダをつけたので、そのなかのくろっぽい葉かと思ったのだ)ひろいあげてみたら、むにっとしてるし質感があるし硬いし葉っぱじゃないし。で、それは、なんとでっかいごきぶりの死骸。あたしももうこういう年になり、昔はできなかったことにへーぜんと対処できる。昔さわれもしなかったものにもさわれ、殺すことだってできるのであるが、さすがにこれには肝を潰した。なにしろ指先につかみあげたときのくにっとした感じが残っていたのである。それで、きゃーーーきゃーーーと叫んでじたばたしておったら、父が、あの一心不乱の父が、どうしたの、と顔をあげたので、ごきぶりつかんじゃったーーと、言ったのはいいが、耳が遠くて聞こえないので、何回かくりかえしてるうちにやっとつたわり、何回もくりかえしたせいで、ごきぶりの感触はいっこうに消えていかず、手にいつまでも残り、さわいだり手をあらったりしておったところ、父が、よっこらしょと腰をあげ、いつもは5メートルしか歩けない足腰で、台所は箱根の山、トイレは唐天竺な感じで生きている父であるが、杖にすがって台所まで来て、ものにつかまりながら、ゴキブリをつまみあげて、ティッシュにくるんでゴミ箱に捨ててくれた。老いたりといえども父は父であった。情けなかった。自分が。

馬6

2011年11月02日(水)

12鞍め、軽速歩のために、常歩しながらたったりすわったり。むずかしい。馬はロカビリー。そのあと東京いったりして2日間練習がなかった。13鞍め、常歩で立ったりすわったりしながら、ほんとの軽速歩に移行。ものすごく気持ちよくできた。へへへ奥さんカラダがおぼえてますぜっていう感じであった。馬はエンジェル。ところが14鞍め、きのうの今日で、馬は同じエンジェルなのに、ぜんぜんダメ。エンジェルはうごかないし、それていきたがるし、それても修正できないし。左へ行かせようと思ったがなかなかできず、練習用の柵から出てしまって、とうとう右にまがらせてもどった。しかしそれは間違いで、さいしょに左の指示を出したら、あくまでも左にしたがわせないといけないのであった(あとで先生に言われた)指示の出し方が甘いともいわれた。従わなかったときのたづなのひき方も弱いと。自分の育児を反省した。

今回の漫画

2011年11月02日(水)

それで漫画。帰る前におとな買いしておいた「エマ」は一通り読んだ。でもくりかえし読んでるのは「デラシネマ」だ。イイのは歴史的事実のせいか漫画のせいか、微妙なところ。でも読みたくなるのである。なぜ「エマ」をくりかえし読まないのかまだわからない。「乙嫁語り」もよかったのに(だから「エマ」が読みたくなったのに)くりかえし読んでない。これからかも。「兵馬の旗」かってみたが、これなら大河ドラマよんでるようなものだ。漫画である必然性がない。「レンアイ小説家」はおねえさんが出てきたころからそのキャラにひっぱられてイキイキしてきてたので、つい単行本買ってみた。おねえさんのところ、たしかにおもしろかったけど、全体に業界ネタばかりで品がない。これは同じ作者のどの前作もそうだった。絵とキャラに魅力があるのでつい読んできた。前回買いこんだ「信長協奏曲」友人宅から戻ってきてたので読み返した。努力とヒラメキはみとめるが、雑すぎる。複合タイムスリップは「仁」にも出てきた。不思議な考えだ。

馬5

2011年10月28日(金)

9鞍め、ホースウィスパラーについて。ナチュラルホースマンシップについて。少しからだを傾けて常歩を活発にする練習。10鞍め、「とまれ」のときに声で合図しつつ、なめらかに確実にとまる練習。「行け」のときに舌鼓で合図しつつ迅速に出る練習。11鞍め、まきのりの練習。手のうごかし方、馬への伝え方。右に行かせたいばかりに左手も右寄りになり、馬に左へいけの合図をしてしまっている。鐙に立って両手をはなす。速歩のとき、「おしりをねばっこく」の気持ちでいるとむやみにはずまない。呼吸について。

東京から熊本

2011年10月24日(月)

東京くそ暑かった。でも熊本もっとだ。

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