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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

父日和る

2012年04月08日(日)

きのうは朝の8時すぎに「おなかすいたよ、早く来ないかな」と電話があった。で、行って朝食を食べさせた。ゆうべの帰り際には「朝ごはんは9時だから」というから、いやおとうさん、今朝は電話があったから早く来たんで、と言いかけたが、言わずにやめて、OK、OK、と。それだけのことを説明しても、聞こえないし、聞きとってもたぶん伝わらないし。それで今日は9時にいくと、まだ部屋が暗い。父はまだ熟睡していた。カーテンをあけてごそごそしていると目を覚まして、「ゆうべ3時まで寝られなかった」と。そして「ゆうべあんたが帰ったらすぐすごく息が苦しくなって、まるで100メートル走やったあとみたいになって、もうだめかなと思ったけど、あんた帰ってすぐだったからすぐ呼ぶのも悪いと思ってそのままにしておいたら、なかなか寝られなかった」と。そして「これが気になって寝られなかったから起きてきて取った」と、壁に貼ってあった「救急車をよばないでください」の署名入り張り紙が壁からとってテーブルの上にあった。「これがあるとあとがめんどくさいと思って」「S村さんたちが警察にしらべられると思って」などという理由は何回も聞きただしてやっとわかった理由である。今日の朝刊に、どこかの老人ホームで孤独死した人の話が出ていた。

2012年04月07日(土)

飛行機から下を見たら阿蘇の山並みをすぎて、地上が近くなったあたりで、地表に白いかたまりがいくつも見えた。ススキの原かな、大きなパンパスグラスの株がならんでるのかな、もう4月だからすっかり枯れはてて白い穂がふわふわに出きってるんだなと思った。しかしそれにしちゃ1つ1つの株が大きいのである。で、気がついた。桜だった。桜の木が満開なのであった。それがこっちの敷地あっちの敷地をうずめつくしているのだった。「おばけのような桜」といったのは大島弓子だ。地上に降り立って、満開のあちこちを抜けていくたびに、いちいち「おばけのような」「おばけのような」と考えた。

4月25日 箱崎水族館でライブのお知らせ 

2012年04月02日(月)


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箏・ピアノ カノコ・ニシ
朗読 伊藤比呂美
ピアノ Megumi Shibata
きき手 藤枝守

4月25日19時〜
箱崎水族館喫茶室(福岡市東区箱崎1-37-21)092-986-4134
ドリンク付きで予約2000円、当日2500円

お問い合わせと予約は
Koro Planto Office 090-2968-0560

企画 藤枝守
製作 Koro Planto Office

4月29日 「百合子、ダスヴィダーニャ」トークのご案内

2012年04月02日(月)

浜野佐知監督作品「百合子、ダスヴィダーニャ」
4月28日から一週間限定公開
熊本Denkikan にて。096-352-2121
4月28日は11:40〜上映 そのあと監督の舞台挨拶。
4月29日は18:30〜上映 そのあと、監督と伊藤がトーク。
(上映は29日のみ18:30 あとの日は11:40〜)

熊本 Denkikan

4月28日 「仏教を語る」のご案内

2012年04月02日(月)

4月28日(土)開場14:30 開演15:00

第一部 山折哲雄 講演会
第二部 山折哲雄×伊藤比呂美 対談「現代社会と仏教」

熊本学園大学14号館高橋守雄記念ホール

入場無料

先生におききしたいことがいっぱいあります。質問ばっかりです。

再送 4月20日ジュンク堂のご案内

2012年04月02日(月)

4月20日 19:30〜
ジュンク堂池袋 4F喫茶店 03-5956-6111

ドリンク付きで1000円

こんど、ぷねうま舎から本が出ます。その名も
『たどたどしく声に出して読む歎異抄』
そのおひろめと景気づけをかねて
親鸞の声を、恵信尼の声を、読みまくります。

再送 4月19日詩人の聲のご案内

2012年04月02日(月)

4月19日(木)18時30分開場 19時開演
数寄和 杉並区西荻窪北3-42-17 
tel: 03-3390-1155
email: contact@sukiwa.net
予約2700円 当日3000円 学割1500円

人ひとり

2012年04月02日(月)

人がひとり死ねずにいる。それを見守ろうとしておる。いつか死ぬ。それまで生きる。それをただ見守るだけである。でも重たい。人ひとり死ぬのを見守るには、生きている人ひとりぶんの力がいるようだ。

父とののしり

2012年04月02日(月)

父に電話してもうまくつながらないことがある。しかし独居する父に午後電話する人間はあたししかいないはず。なのに、つながらないと父は(つまり父には聞こえないらしいが、こっちは聞こえている)これみよがしに「なんだ、なんにもきこえないじゃないか」と不満をいいちらして電話を切る。かけなおし、「今のあたし」というと(こんどはつながった)「聞こえなかった」とまた不満をいう。それで、だっておとうさん、この時間にかけてくるのあたしなんだから、もうちょっと辛抱してよというと、「何も聞こえないのにおれにしゃべってろっていうのか」云々と口汚くののしられてしまった。そんな父の相手をするのはいやなので、早々に、じゃまたあした、と電話を切った。なにしろこのごろ受話器を取るときに、不満げな声で「はい?」というから、それだけでも、いやだなあと思って気が重い。その上こんな対応されたひにゃやってられないのはこっちだぜ。日本いきたくない。ずっとここにいたい。

またタケと下痢

2012年04月01日(日)

タケの下痢のあと、夕方の散歩だ散歩だということで、いつもどおり騒ぎ立てて外に出たのであるが、ちょっと歩いたところで、タケがまた歩きながらぽたぽたと下痢を。歩道の上であった。形がないので拾うに拾えず、トメに、家に帰ってトイレ紙を持っておいでと言いつけたら、走ってかえってトイレ紙とビニール袋を持ってきた。その後ろから、S子がバケツに水を入れて持ってきた。タケは、何も知らずに心配そうにトメを待っていたが、再会して喜んだのなんの(ニコはそこらのにおいを嗅いだりおしっこひっかけたり、自分の用事で忙しいのであった)。拭き取って水で流したが、まだ歩道の上にしみがある。雨が降るまでこのままだと思うがいつ雨が降るのか(いや降らない←反語法)と思っていたら、なんと、企んだかのように夜半、雨が降り出しておる。

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