めしばなとランチパック
2012年04月12日(木)
「七夕の国」を読み尽くしたので、今はぐーたらしたくてお風呂のなかで「めしばな」を読む。3巻かったら、ランチパックとカップ焼きそばについてであった。しかしやはりおじさんはランチパックには溺れぬようだ。ふふふ、おばさんは溺れる。きのう町中のデイリーストアで「きなこもち」「うれしの茶クリームと小倉」「ダブルクリーム」を買い占めたのである。こないだNちゃんに、ランチパックってしってるか?ときいたら、よく知らないようだった。プロは食べないものかも。で、カップ焼きそばであるが、あたしは若い頃大好きだったのに(袋入りのが常食だった、まだカップが出てないか出たばかりかの頃)もうおばさんになってしまった、今は食べない。
命日と父
2012年04月12日(木)
母の命日が終わったので、父は生き延びた。お迎えを待っていたかもしれないけど、来なかった。きょうつれあいに電話で父の状態を話していて、アルツハイマーじゃないけど、ボーダーラインな感じ、何も理解しないし、すぐ怒るし、と説明していたら、「ディメンシアにもアルツハイマーだけじゃなくていろいろある」といわれ、はっと気づいた。いやわかっていたんだけど。父はディメンシアだ。5年くらい前に主治医の先生にカルテに書かれた。Dementiaと。まだまだと思っていたけど、いつまのにか押しも押されもせぬそれそのものだ。きのう父は心配そうにおなかを見せた。そこがぷっくりふくらんでいて、腸があるのが感じられる。しらべたらそけいヘルニア、脱腸だ。そして脚と顔はむくんでいる。30分に一回くらいひどく咳き込む。食べていても咳き込む。嚥下ができなくなっている。表情がとぼしく、話しかけても答えない。わからないのか答える気がないのかわからない。
くさむら2
2012年04月12日(木)
調べたところ、ハコベが2種類あるらしいと思っていたのは、1つはふつうのハコベ(しかしこれがコハコベかミドリハコベか判然としない)とオランダミミナグサであった。ともにナデシコ科。そして毎年気になって毎年名前不明でおわるものは、なんと、あの名前だけはゆうめいな、ヤエムグラ(アカネ科)であったのがついに判明。アカネ科といえば幼なじみである(←あたしの)ヘクソカズラもそうだ。こないだT浜さんに、中世の女の名が「おにくそ」とか「おつくそ」とか「犬の子」とかだったという話をきいたが、現代の植物名もかなりなもんだ、ヘクソカズラとかヤブガラシとかボロギクとか。それから、こないだみつけた青い花、しかし小さすぎて老眼ではよくみえないやつは、タチイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)と判明、これでほとんど名前がわかった。タチイヌノフグリにしてもノヂシャにしても、いったい何のためにこれだけ小さいのか。わからぬ。
ルイの脱走
2012年04月12日(木)
きのうルイが逃げた。管理人さんが、あれ、人間じゃないものが自動ドアを、と思ったときには遅かった。連絡が入って、とるものもとりあえず父の家に駆けつけて、管理人さんが近いところは探してくれたが、みつからず、あたしはリードをもっていつもの公園、いつもの細道、それから国道に出て、死骸がないか確認し、国道沿いで歩いていたチワワ連れの人にきいたら見ていないといわれ、行くが行くと、遊水池公園、土手にあがったところで済々こうの生徒がマラソンをしており、二人の女子高生にきいたところ「あっそれならあっちへ」と。土手の上を行くが行くと、柴犬連れの夫婦に出会い、きいたところ「橋のほうにいた、ついてきよった」と。それで土手の下を駆け抜けて、橋のたもとにたどりつき、ミニプードル連れの女に出会い、きいたところ、「リードだけ持ってるからそんなことかと思ったところだ。あっちからきたが見なかった、こっちにいくからさがしてあげる」と。親切に涙する思いで携帯を交換し、名前を交換し(O田さん)、さらに行くと、車のよくとおる道に出た。ここをわたるか(家からとおざかる)わたるまいか(家から離れない)考えて、ルイの性格を考えると後者だと。行くが行くと、土手が2つに別れておる。一方からきた男子高校生にきくと、「こっちでは見ませんでした」と。そこでもう1つのほうを行くが行くと、土手から見下ろした道の向こう側に女子高生が10人ばかりわらわらと群れているのがみえ、目をこらすとその足下に白いものが。ルイだと確信し、もしやはねられて重傷をおってるところを助けられたかとどきどきしながら土手を走りおり、道を押しわたり、手をふりながら走り寄ると、そこにルイが。あたしの顔を見て、おっと、こりゃまた、しつれいしました、みたいな顔で頭を下げてすりよってきた。聞けば、道のまんなかをうろうろしていたのでつかまえて歩道につれてきたと。首のタグから電話してみたが、おじいさんが出て何がなんだかわからなかった(父である)と。必由館と熊高の生徒たちであった。それでありがとう、ほんとうに助かりましたと何遍もおれいをいいつつそこを離れ、O田さんに電話して「みつかりましたー」と報告し、家に連れて帰ったのであった。ふと万歩計をみたら、一万歩ちかく加算されてあった。遊水池の桜が満開だった。
ムラサキ科と法華経
2012年04月11日(水)
水道町の交差点の花壇の植え込みに、なんとっっ、ワスレナグサ(ムラサキ科)が咲いておる。というか、植えられているのだ。熊本市民には、それを見て、それから身の回りのくさむらをじっくり見てもらいたい。その中にキュウリグサ(ムラサキ科)がある。その2つの植物の類似性におどろいて、また美しさ可愛らしさにうっとりするはずだ。そして法華経薬草喩品にでてくる「中茎小茎」はこういうことだったのだなと(大茎は寂心さんのクスノキや一心行の桜のこと)思いあたる。法華経といえば、ここ数日、うちの駐車場の裏の竹藪から成長したウグイスの声が聞こえる。法華経だなあと思いながら聞いている。「ちんちん千鳥のなく声は」という本でこの聞きなしを知って、とてもとても納得した。
くさむら
2012年04月10日(火)
キュウリグサ(ムラサキ科…うっとりするほどきれいだが小さすぎて老眼ではみえない、名前が実態負けしておる)ノヂシャ(オミナエシ科…さらに小さい。はじめて名前わかった。うちでよく食べてるサラダ野菜だった、食べてみた。同じ味がしたけど、こっちのは小さくてたぶん犬のおしっこにまみれている)カラスノエンドウ(マメ科…もうおしまい)スズメノエンドウ(マメ科…いまものすごい、すべてをおおっている)ハコベ(ナデシコ科…でも2種類あるように見える、背が高くてきりきりしているのと、柔らかめのと)ホトケノザ(シソ科…もうほとんどない)オドリコソウ(シソ科…一カ所だけ)オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科…でも大きいのと小さいのと2種類あるように見える)スズメノカタビラ(イネ科)ニワホコリ(イネ科…じつはよく区別がついてない。株になってるほうがスズメノカタビラ?)クローバー(マメ科…これから太る)アメリカフウロ(フウロソウ科…いかにもゼラニウムの葉)スイバ(タデ科)まだある。まだいっぱいある。
父とぴざ
2012年04月10日(火)
しかしどういう扱いをされてもへいぜんとしてまた関わっていくあたしってすごいと思う。とにかくうんざりして前の「期待と恐怖」の項を書いたあと、そうだ父が今日お風呂入るといってたと思い出し、電話して、おとうさん今日お風呂入る?ときくと、「今トイレにいくところ」といわれ、あ、そ、となったがめげず、そしたら向こうから電話かかってきて、お風呂にはいるというから、仕事道具もっていったのである。仕事する気になれず、掃除をし、そしたら、何か叫ぶのでいってみたら、湯船につかった父が、こわれたしまりのない声で、「あれが起こった、あれが起こった」と。れいのどきどきが起こったらしい。それでお風呂からあがらせて、そのあとルイを洗った。父は寝てしまった。しばらくして夜、どうするというと、ぴざ食べたいというので、注文していったん家に帰り、洗濯をし、スクワットし、また父のところに帰ってサラダを作った。ぴざはまるで「よつばと」に出てくるような感じであった。そして父はよつばのようにぴざを食べた。前から広告をみて、食べたがっていたのである。シーフードとは名ばかりの、少しのエビとツナがだんごになっていてコーンが入ってマヨネーズがきつかった。でもおいしかった。コーン入り和風ぴざ食べたかったので。
馬19
2012年04月10日(火)
2か月、間があいたが馬、のっけからマルコで縁起がよいのであった。マルコは半アラブで、やや小型で、反動が少なく、すべるような速歩ができる。しかもアラブなので速歩のときにしっぽをあげて行くそうだ(あたしには見えない)。今回先生はまるで別人になったかのように、基礎の基礎、常歩を執念深く、丹念にやり、巻乗り、半巻き、これはカササギ状の手でディメンションボールを作るように円を描けばウマくできるのだ(←冗談)。それから歩度をのばす、歩度をつめる、前回もこれはやったがよくわからなかった。今回しだいに感じるようになった。歩度を伸ばすときは、「うしろ脚が前に、前に、入るような心持ちで」やるのである。なぜかというと馬のうしろ脚がペースをきめて、前脚が方向だからだ、と先生の受け売り。そして自分のからだを動かさず、重心をぶらさずに、ゆっくりする、それが歩度をつめる。2日目もマルコで同じく歩度をのばす、歩度をつめる、駈歩、馬場をななめに横切る、馬の鼻を先に目指す位置にもっていくようなつもりで(つまり自分が行くのではなく)そこに至る。3日めのきょうはロカビリーで速歩、軽速歩。軽速歩のときの姿勢を、これまた先生は別人のように基礎の基礎から教えてくれた。前傾して背中はのばし(これがちょーーーむずかしい)かかとに力を入れずに、たちあがってすわる、馬の動きにあわせて。鐙に立ってかかとの力をぬいてたちあがり、また下りる、というのがインパセボー。ふくらはぎの筋肉が足りてないそうだ。そこで、うちでできる練習を教えてもらった。段差のあるところで、鐙をはいてるみたいに浅くつまさきをひっかけて、スクワットするそうだ。で、やっておる。靴をはいてないとできないので、家の中でも乗馬靴はきっぱなしである。基礎の基礎をやってるのはとてもおもしろい。ずっとこのままでもいい。もっと基礎がみっちり身についてから、木曾義仲みたいに馬に乗れるようになってから、駈歩とか障害とかやりたいのだ。馬場は春になり、いろんな花が周囲に咲いている。とくにキンポウゲのような黄色い花がはじっこにいちめんに咲いていて、初日の冒頭で、マルコといっしょに見に行った。そしたら鳥が飛び立って、マルコ驚いてぴょんと跳ね、あやうく落っこちかけたが、今回は踏みとどまったのである。
父と期待と恐怖
2012年04月10日(火)
やっぱ多少壊れてきているような気がする。声がまずしまりがない。やたらと怒りっぽい。すぐキレる。かなきり声をあげる。こみいったことを説明しても理解できない。常識というか論理が通じない。細かいお金にこだわる(預金を減らしたくないそうだ…すごく少ない預金である)。あたしの携帯にかけてきて、「聞こえないならいいや」と捨て台詞吐いて切った(こっちには聞こえておる)ので、行ってみたら、電話は2つとも通じている。通じるよといったら、「もういいよっそんなことばっかり」と怒ってキレた。今朝は8時すぎに呼ばれて、「ゆうべから具合が悪いから早く来て」と。行ってみたらまあふつうの顔色、ようす、しかし食欲はいまいちで朝食を残した。ルイを散歩につれていっている間に寝てしまったので帰ろうとしたら、寝ぼけ声で、「たばこ、ぜんぶ片付けちゃって、もう吸わない」というから、灰皿を洗って残りのタバコを隠した。さっき、おとうさんほんとにタバコやめるの、と確認しようとすると、「吸ってないだろ」とかなきり声をあげてキレた。いや、殺伐としてくるが、ここ数年間友人M子に、認知症のご母堂の話をさんざん聞いてきたので、耐性は多少できている。認知症というのではないと思うが。孤独による後退、それから明日は母の3年目なので、お迎えがくるんじゃないかという期待、あるいは恐怖。ここまで生きてきて、この期に及んで、こう変形ないしは変身してしまうのかなと思うと人生は無残だ。
父とカレーと飛行機
2012年04月10日(火)
「おまかせ」にすると「カレー」にされてしまうといって、父が不満を言う。何回も聞いたが(だから主任のS村さんに伝えて、対処してもらうようにしてあるが)また言っている。きのうごはんを食べながら(リクエストは生卵かけごはんと明太子。それになすの味噌汁と白菜の漬け物)「Nのじいさんがヘルパーさんとケンカしたっていうけど、わかるよな」と言い出して、何々してくださいと頼んだらあたしたちはプロですからちゃんと何々してありますといわれてむかっときた、それ以来「おまかせ」にしているが、そうするとカレーなのだと。「やっぱりむずかしいよ、人間関係は」と。カレーばっかりというのは同情するが、父のほうも昔どおりの父とはいいがたい。おそろしく短気に、狭い範囲しかみえなくなっておる。これとあれがぶつかるとむずかしいだろな、それは。 「この人はほんとによくやってくれた」とお気に入りのヘルパーKさんのくれた鏡を撫でて。Kさんはご主人の転勤で沖縄にいった。「今どきは転勤でたくさんもらえるのかな」と。「おれのときは500円もらった、満州に転属したとき。ふつうの給料が200円のときだから」「熊谷から飛行機でいった、松江でとまって、大連まで。二人乗りの飛行機に一人で乗っていった」。熊谷から松江までどのくらいかかるの?ときくと「1時間」。そんなわけないでしょう、飛行機も小さいし、遠いし、というと、むかっとしたようなので、そのまま話をつづけることにした。「一人だから下を見ながら飛んで、島があったら、見て来ようって寄り道して」「島の上をぐるーっと回って、戻ろうとしたらプロペラがとまっちゃった。ガソリンが切れちゃった。補助タンクに入ってるからそっちに切り替える」「落ちていくから、そこでぐいっと(機首をしゃくりあげるように旋回)やってプロペラが動いた」「そういうことはなかなかできない、おれだからできた」「だいたい1000メートルくらいのところを飛んで、1秒間に200メートルくらいずつ落っこちていく」「そういうことは本にはかいてあるけど教わらない、おれはほんとにそういう機転がきいたな、うまかったな、機転がきかないとおっこってそれまでだよ」「まああんたたちが車運転するのと同じようなもんだよ、こわくないよ」
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