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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

老けた夢

2012年12月22日(土)

顔写真、55歳のときのを使おうとしたら、だれかに「伊藤さん、55歳くらいのときの写真でしょう、若いからすぐわかりますよ」と言われた。えーーーそんなに老けてみえるのか、こんなにズンバやってるのにとショックであったという夢。夢なのか現実なのか境目がありゃしないが、とにかく夢。

どきどきした

2012年12月21日(金)

夕食のあとで、洗濯機とかいろんなものが置いてある物置部屋に入ったら、床の上に殺鼠剤の箱がかじられて中がからになって落ちていた。きょうはバターミルクに漬けといた牛肉のかたまりを拭くのにふきんを使って、それをバケツの中に放り込んであった。そしてそれをルイがみつけてしゃぶってるのは知っていたのである。すわ、ルイ、殺鼠剤中毒で一巻の終わりかとはらはらどきどきしながら大騒ぎして、S子やつれあいやトメやみんなに相談してまわったところ、ルイじゃないんじゃないかとみんなが言うのである。まず、殺鼠剤食べたのならもう症状が出ていていい頃だし、箱のかじりかたがルイにしてはおとなしいし、箱の中に袋入りで毒が入っていたのだが、袋はかじられて(それはあきらかにねずみのしわざだった)毒はぜんぶ食べられていたし。棚から落ちたらしい毒の箱は、もう何年も前に使ったものだ。棚の上ならいいだろうと置いておいたのが、棚がずれて、傾いで、落ちたらしい。夕食前にはなかった(あたしが洗濯機を回しにいった)。夕食中はルイはあたしらが牛肉たべてるので落ち着かずにずっと見ていた。夕食後は少し牛肉をもらったので、さらに落ち着かず、ずっとあたしの周りをうろついていた。その物置部屋に何回も出たり入ったりしていたが、それはたぶん、味をしめた牛肉の血のしみついたふきんのニオイにひかれてだろう、そっちに気を取られて、殺鼠剤に気がつかなかったはずだ。もし殺鼠剤を食べはじめていたら、ルイのことだから、食べ終わるまで出てこなかったはずだ。しかしほとんどの時間、食卓のまわりをうろうろしていたのだ。棚をはずして、見てみると、そこにおびただしいねずみのふんとかじられた紙くずが。そういえば、何匹も死んだ、ねずみが。台所に飛び出してきて死んだのもいる。毒のことなんかすっかり忘れていたので、いったいなぜ死んだのかと不思議に思っていたのが2年前だ。それからも、ねずみが死んだニオイが、何回かオーブンの後ろからただよってきて、じっさい、こないだ、台所の改修したときに、工事の人が、オーブンの後ろにねずみの死骸が何匹分もあったといっていたのだ。つまり、なんにもなかったのだと思う。推測にしかすぎないが。でも、ルイは、いま、ここで熟睡しておる。

「示現の木」の不安夢

2012年12月21日(金)

年末進行で死ぬかと思った。まだ生きているが、まだ終わってない。それなのに昨日はクリスマスショッピンクだ。これほどばかばかしいものはないと思う。まだお歳暮ショッピングのほうがマシだ。ゆうべの夢。修学旅行みたいな旅行、山に囲まれた盆地である。2時に出発するが、ちょっと木を見に出かけた。宿のそばに「示現の木」という巨大な木があった。葉の厚い、タイサンボクみたいな感じの大木。ほんとに数百年という巨大な木。そのむこうに「ナラカシの木」があって、それはライブオークやアラカシや、そういった種類の、やはり巨大な木。その盆地には、あちこちに巨大な木が残っているのだった。「示現の木」から「ナラカシの木」にいくまでに風が強く、飛んでみたらうまく飛べた。飛んだのもひさしぶりだった(夢でもひさしぶり)。ところが、高くあがらなくて、へんなところに着地してしまい、すっかり方向を見失い、しかも暗くなってきて、迷子になった。駅のそばで、背の低い、禿げた男の人に、道をきいたら、親切に駅に入って、「示現の木」までの電車での行き方を教えてくれた。でもだいぶ待たないといけなかった。2時にはあと5分しかなくて、携帯も忘れてきてしまった。飛んで帰ろうにも暗くてもう何もみえなくなっていた。

2012年12月14日(金)

南カリフォルニアは雨なんです。うははははははは。どうだーーーカリフォルニアだってやるときゃやるんだーーー。と世界に叫びたいくらい、雨なんです。

ベルリンは雪

2012年12月09日(日)

雪の中、IメラさんとSジさんに連れられて、湖畔を歩いてきた。王様の狩りの家があった。犬がいっぱいいた。狩りの家で、クリスマス前の出店が出ていて、まんなかでグリム童話のおはなしを芝居でやっていて、子どもたちが雪だらけになりながら凝視していた。がったがたの竹馬小僧の話。ドイツ語できくのははじめてだった。最後はやわらげてあった。ゆうべはベルリンフィルにティーレマンのヴェルディだった。かあっっっっこよかったーーーー。今やあたしの「クリスちゃん」はベールからティーレマン。

キソウテンガイ

2012年12月07日(金)

Sさんが植物園につれていってくれた。こんなすごい植物園はみたことがない。大きなガラス張りの建物が何棟も。サトイモ科、ツユクサ科、シュウカイドウ科、リュウゼツラン科、サボテン科、ラン科とみてもみても見終わらない、ぐりとぐらのかすてらのような量の植物だったが、いちばんの目的は、ウェルウィッチア。海藻のような、砂漠の植物であった。

ヨイトマケ

2012年12月04日(火)

ここ数日YouTubeでずっと「ヨイトマケの唄」の米良美一バージョンを聞き続けております。もう何回きいたか、あたしひとりで江南スタイルくらいヒットしてしまうかもしれません。勢い余ってiTunesでも買い求め、ききまくってますが(YouTubeより音がいい)美輪明宏のオリジナルもきいておりますが、やっぱり米良バージョンのYouTubeのテレビのに戻ってきてしまう……。テレビのライブの「かあちゃんの唄こそ世界一」のところがとくにすごい。あとテレビのライブのは、ところどころとんでもなく絶叫気味に声をはりあげる。「かあちゃん見てくれ」の「かあちゃん」「高校も出たし大学も出た」の「大学」、「子どものためならエンヤコラ」の「子ども」、それでバランスがくずれるほど「きえー」みたいな声になる。最初はおどろいたけど、聞き慣れてきたら、これがまた良くて……。くりかえすところは1回目をダイナミックに歌って2回めをしっとりと歌うという技巧はあまりにもわかりやすすぎて、美輪バージョンというかオリジナルのほうがよかった。なんてことを書いてないで、さー仕事仕事。それにしてもタケが頭から離れない。

タケ また

2012年12月04日(火)

まだ、タケのからだがそこにあります。部屋ぜんたいが重たくなっていってるようであります。サラ子が犬用葬儀社に連絡をとり、10時ごろに迎えにきてくれることになりました。165ドル。個人葬、2、3匹葬、合同葬、とありまして、トメのたっての希望で、個人葬を。いや個犬葬か。タケのおなかがふくらんでおります。タケの舌が出ております。死ぬ前にうんこをしたので、肛門からは何も出てきておりません。死骸にさわれないかと思いましたが(とげ抜きその他を参照のこと)さわれるのであります。そういえば父も母もさんざんさわりました。さわれました。遠くないのであります。死んでも、死骸になっても、近いからであります。

タケ

2012年12月03日(月)

ごぶさたいたしておりました。心機一転いれかえて、また書き始めたいと思っておりました。そしたら、きょう、といいますかさっき、タケが死にました。今は夜中なので、まだここに死んだタケがいます。S子のシーツにくるんであります。きょう一日は、ほんとに父の死ぬ前日のようでした。死ぬかもと思っていました。大往生でした。死ぬ前に、ようすを見に来たS子とトメにさんざん撫でられ、かわいがられ、二人が帰って、だれもいなくなって10分後でした。わたしはメールを書いていました。ふと、タケを見ると死んでいました。タケの存在が、部屋のなかで、そこだけしんしんと冷えています。机の上でいつものようにルイが眠っております。その毛むくじゃらのからだといびきが、生きております。

ジェフリーの「詩人の聲」

2012年10月22日(月)

ごぶさたを。時差ボケにやられてさんざんな目にあっておるが、これだけは宣伝しないと死に切れないと思って、はいずり出てきた……。日本現代文学の守護神、ジェフリー・アングルスが「詩人の聲」をやる。やっぱり日本なので、日本語で書いた詩を読むそうだ。英語わかりませんという人も、まったくOKなのである。いつぞやジェフリーが、あたしの目の前で、日本語でつるつると詩を書いていくので、あたしも負けん気を起こし、英語で書いてみたが、ぜんぜん書けなかった。どういう能力だろう、これは。うらやましい。ジェフリー、静岡で連詩にも出席するそうだ。2010年の「くまもと連詩」では、翻訳と通訳を一手に引き受けてくれたが、今回は詩人としての参加である。で、そのあと、東京は駒込になだれこんで「詩人の聲」をぶっ千切る予定である。

第848回「詩人の聲」
ジェフリー・アングルスの回

とき: 2012年11月9日(金) 開場18:00 開演18:30
ところ: 東京平和教会 豊島区駒込1-28-8 (JR駒込駅北口徒歩1分)
おだい: 予約2700円 当日3000円
予約先:北十字舎 TEL 090-3696-7098 Fax03-5982-1834

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