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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

義理カーデガン

2009年02月13日(金)

きのう、つれあいのものの言い方にひじょうにむかついた。それからずっとつんつんしていた。あたしはめったにむかつきや怒りをひきずらないのである。ひきずれないのである。けんかのあと三分経ったらけろりと忘れることにしてるのであるが、今回ばかりはもう、しゃべるのもいやになって、かといって言い合いのけんかは避けたいので、そっぽむいて仏頂面をしていたのである。そしたらきょう、ガールフレンド(あたし)のためにバレンタインデーの買い物にいくというので、おお行きやがれ、どうせ植木屋だろうと思って不承不承車に入ったら、アンソロポロジー(このごろやたらと人気の服屋さん)にいけという(運転はあたし)。あそこには鉢植えないよというと、いいんだ、きょうはそこで買うんだ、と。で、買ってもらったかわいいベージュのカーデガン(つい、いつもどおり、セールの棚にいってしまった)その他。こんなんできげん直したら買収されたようなもんじゃんと思いながらけろりと直してしまったのである。

たまには書かないと

2009年02月08日(日)

トイレにつんである犬夜叉をよむともなく読んでるうちに全巻読みたくなり、うちにあるものはすべて読み尽くした。日本にいくたびに買ってるので最終巻以外ぜんぶある(いくつかは日本においてある)。最初のうちはじつにおもしろかった。犬夜叉もかごめもかわいかった。中学生同士の恋愛はとても新鮮だった。戦国伝奇にタイムスリップがくわわってスリリングだった。往年の名作「めぞん一刻」をほうふつとさせたものだ(成就しない恋愛+妖怪)。ところがっ、いつからだろう。絵がかわった。大きな声じゃいえないが、T橋留美子はとっくにいなくなって、影武者が漫画かいてんじゃないか。と思えるくらい絵が違う。こんど最近の巻を熟読してみたら、ところどころ以前のT橋留美子らしいおかしさに発展しうるせりふが諸処に感じられ‥‥ないでもない。やっぱ生きてるんだと思う。が、いかんせん絵がダメだ。かわいらしさがない。のびやかさがない。表情そのものがない。本人が描いてるのならなんでこんなにちがうのか。アシさんに描かせているのか。零細の詩人としては、そこが、どーしても、わからない。もう‥‥奈落も弥勒も天生牙も、どーでもいいと思いつつも買いつづけ(トメが日本語で読めるもののひとつなので)読みつづけているあたしってなんていい読者だろう。ガラスの仮面や花より男子や日露戦争物語や代紋Take2はとっくに読まなくなってしまって、そのうちに終わったらしい(終わってないのもあるらしい)。漫画というジャンルに裏切られた気がするのである。I上さんはそういう意味でも、漫画家にしとくのは勿体ないくらい信用できた。心おきなくその漫画に心身をゆだねることができた。

大家さんのほうを見よ

2009年02月03日(火)

大家さんの心筋梗塞レポートがあんまりおもしろいので、自分のを書く気がぜんぜんしない。

友人M

2009年01月31日(土)

友人Mの死で、しばらく神経中枢が麻痺したようになっておった。悲しいというのではなく。頭がきんきんするほどHamelinのRzewskiにはまってもいた。そればっかりきいていた。今日はMの妻Dが、クリスマスにくれたエマーソン弦楽カルテットのDvorakの「アメリカ」を、きくともなくきいている。Mは、線を越えて向こう側にいったような感じである。もちろんDにしたら、そんな悠長な感想ではないのはわかっておる。
大家さん、生還してほんとによかったです。

おみやげ

2009年01月28日(水)

このごろここでまじめに本のことかいてるのは熊本文学隊のHPで、番頭さんやO野さんやT口さんが書評の力のこもったのをつぎつぎにかいてるからだ。だからあたしもまけじと。
きのうS子が日本から帰ってきておみやげがいっぱい。Nさんが京都なので、「阿闍梨餅」と「満月」、古田佐介に食べさせてあげたい。満月の皮はいまいちだったが、なかみの白あんはそれはそれはおいしかった。阿闍梨餅はほんとーにふしぎな食感であった。それからM子の持たせてくれた「夜の梅」。あまいものはおいしいが、不思議なのは「スピリッツ」と「モーニング」だ(あたしがたのんだ)。東京の電車の中でよむと、ほんとーにすみずみまで夢中に読めるのに、自分のベッドの中でよんだら、なんだかおもしろくないではないか。イギリスでのむとエールはひじょうにうまかった。しかしこっちに帰ってきて同じようなもの(すこしちがう、タブのは買えない)を買ってきてのむとそうでもない。それと同じようなものか。こないだフランクフルトで、ここの名物だというりんご酢のような飲み物を飲んだが、あれもそんなようなものかも。でもあまいものは、いつなんどきどこででも、おいしいから不思議である。

「へうげもの」

2009年01月26日(月)

きのう友人の子ども(5歳、男の子、ふたご)を公園に連れ出して遊んだのできょうは全身がみしみしいっておる。
鴎外はともかく、このごろ再々熟読しているのは「へうげもの」。
もともとうんちく漫画がすきだった。ナニワ金融道なんてなめるように読んだものだ。おかげでマチキンにすごくくわしくなった。のだめも、西洋洋菓子も、うんちくだ。バジル氏(ふるいが)も、キートンも、エロイカも、加治隆介も、柔道部も、スラダンも、うんちくといえばいえる。しかしこの「へうげもの」のうんちく度はどうだ。うんちくのためのうんちく、ザ・うんちく。その上賢治もかくやと思うほどのオノマトペが全開大。引用の技巧も。青木雄二ばりのそぼくな手描き風の絵なのに、信長や武将たちは劇画以上にかっこいいし。あとはこの戦国武将たちの奇矯なかっこ(それとこのモノに憑かれた人々の美意識も)がほんとなのかどうか、知りたい。とこないだいってたら、県美のT浜さんや市現美のT沢さんが口をそろえて、けっこうほんとらしいですよーーといった。すごい。「へうげもの」もすごいけど、ああいう文化も。

鴎外

2009年01月25日(日)

鴎外熱はつづいていて、しめきりでセックスのことかいてるってのに(かきたくないんだがしょうがねー)、つい青空文庫に手をのばし、鴎外濫読しちゃったりしている。で、きのうは「能久親王年譜」。むかしなら鼻も引っかけなかったものが、鴎外記念館でBタさんと話し合ったあとは、しみじみと、しみじみと、舟唄みたいに読めちゃうのである。
ドイツで、ベルリンに行くまでは鴎外熱にかかってなかったので、お経と旧約聖書とスタバートマーテル熱にかかっていて、A國さんとしきりに文通していたのである。A國さんとは「往生礼讃」を引用させていただいた縁で知り合い、文通しているのである。ちゃんとした浄土真宗のかたなので、すごくおもしろい。で、鴎外熱とお経熱はかけ離れたものかというとそうでもなくて、鴎外はお経だったりするのだな、あたしの中では。
あたしのはまってたスタバートマーテルは、Pergolesiのなんだけど、だれがどこでどんなふうに演っているのか皆目わからない。YouTubeでみつけて、惚れぬいて探しまくってやっとみつけた。CDの表紙も中の能書きもみんな外国語でかいてあってわからない(なんだフランス語じゃないか、おれが読んでやるとつれあいが‥‥しかしわからないままでいいような気がする)。ふつうのPergolesiとはちょっとちがうのである。しかしそれも一時、演歌熱にかかって中断された。演歌熱がさめたら、こないだの墓参でバッハ熱。

2009年01月24日(土)

Dアンとフィリピンマーケットにいって、魚が安いわ新鮮だわで、狂喜乱舞、かえってすぐ南蛮漬けと煮付けその他、魚すきじゃないけどつくるのはおもしろい。前にトメに「ままは死骸をさわれないのに、魚はさわれるんだね、でもそれも死骸だよ」と看破されたなあと思いながら、腹をさいたり、わたを出したり、うろこをとったりしているけど、やっぱさわれるのである。で、死骸は、ほんとにさわるどころか近づくのもいやななのである。不思議‥‥。鶏なんかも、丸はだかの首のないやつなら、いくらでもさわって、おっ毛が抜け切れていないなどととげ抜きで抜いちゃったりする。夜は日本人学校で子どもたちと「やまなし」を読んだ。思春期トメが、つれあいにむかついてむかついて(気持ちはわかる‥‥)、なだめるのに一苦労だったが、しょせん対岸の火事なので気楽であった。

ぢいさんばあさん(歌舞伎座)

2009年01月23日(金)

明け方起きて、鴎外記念館のBタさんに借りたDVDの「ぢいさんばあさん」を見た。歌舞伎座の伊織=勘九郎、るん=玉三郎のやつだ。それはもちろん鴎外の原作はいい。そっちのほうがいい。しかし不覚にも号泣してしまったので、この歌舞伎izedのもすごくいいんだと思う。「安井夫人」にしても「ヰタセクスアリス」にしても、そしてこの「ぢいさんばあさん」にしても、鴎外の持っていた夢(そして現実)がワカルワカル。朝っぱらから号泣して仕事にならんじゃないか。さー犬の散歩犬の散歩。

オバマ

2009年01月21日(水)

9時から(カリフォルニア時間では20日の午前9時)テレビで見た。どのチャンネルも同じ画像だった。テレビみるのは大統領の討論会以来であった。

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