中沢けい公式サイト 豆畑の友
ホーム プロフィール・著作リスト 中沢けいへの100の質問 中沢けいコラム「豆の葉」 お問い合わせ
伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

タケと茸と毛糸弦

2011年04月29日(金)

twitterを再開したらいろんな人から返信twitterがあって、たくさんあって、返事しきれないでいる。ごめんなさい。メールのほうにください。
きょう、散歩にいったら途中で車の鍵をおっことし、車に入ろうとして気がついた。それでしかたがないからまたもと来た道を引き返そうとすると、タケががんこな顔をして動かなくなった。「もうじゅうぶん歩いた」「あたしゃ腰が痛いんだよ」「としよりを歩かせる気かい」などと主張しておった。タケもうすぐ13歳。人間でいったら90歳だというから、まあしかたないことだなと思いつつ、残しておくわけにもいかないので、だましだまし連れていったら案外近いところに鍵は落ちていた(よく落とす)。沈黙していた1か月くらいの間に、荒れ地に、はじめて見るキノコがボコボコ出て、人間のあたまくらいある白い球体のキノコで「禿頭茸」となづけたが、そのうち熟して割れて、というか割ってみると、中は緑のペーストの粉っぽい感じで、いやな臭いじゃないが生臭く、「まぐそみたい」とまぐそにはくわしいトメがいうので「まぐそ茸」と改名したのであった。そしてそれはもうシーズンをすぎた。禿頭ないしはまぐそ茸の生えてるところは、いつもタケに小枝をなげてとってこさせて遊ぶところだが、このごろタケは、目が見えないし、耳が聞こえないし、たぶんにおいも嗅げなくなっていて、しかも多少認知症も入っているので、ぜんぜん小枝がとれなくなっているのに気がついた。老いたタケを(そしてニコも)連れて歩いていたら、とつぜん大島弓子の漫画で、ニャーニャという中年すぎの猫が出てきて、猫の一生は、人間よりずっと早くすすむ、みたいなことをいってたのを思い出し、読みたくなり、タイトルも覚えてないので検索してみたら「毛糸弦」。それから大島弓子でときどき読みたくなるのは「赤すいか黄すいか」。大島弓子はタイトルからして大島弓子で、それはほかのどの漫画家ともぜんぜん違う。

↓前の日記 / 次の日記↑

   
談話室 リンク集「豆の茎」 メルマガ「豆蔵通信」 サイトマップ