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数独とキツネと犬

2011年01月17日(月)

あいかわらず数独にはまっておるのだが、きのう「キツネ」について調べていたら、おもしろい記事をwikiに発見、それからあちこちをさぐってひとりでおもしろがっておった(数独やりながら)。ロシアで50年代から人に馴れやすいキツネを選択交配していったら、40世代で犬みたいにしっぽをふってよくなつくキツネができたというのだ。そういうキツネは耳が丸く、模様ができ、尻尾がまるまり、アドレナリンがおさえられて攻撃しなくなっているそうだ。YouTubeで動画もあった。ちょーかわいかった(こういうのをこのことばで言い切るのって何? とか思うが)キツネがふさふさと犬みたいに遊んでいた。犬もだいぶ前に長い間かけてこうなったわけだ。で、なぜ人はオオカミを家畜化して、キツネを家畜化しなかったのかと考えた。それはたぶん、群れの動物じゃないから、狩りや牧畜に使えなかったからだ。キツネがどんなに馴れたところでニコていど、というか、ニコ(とそのなかま)はおそろしく人になつくが、群れの最下位に甘んじているし、いいつけられたことをなんにもしないし、犬としたら役立たず。原始人たちはこんなものを家畜化したいとは考えなかったはずだ。ローレンツが犬の先祖はオオカミとジャッカルといってた(そののち訂正した)のもわかる気がする。昔、大分かどこかの山の中の石仏のある場所の駐車場で、ひるさがり、ぼーっとした犬を見た。最初は柴犬まじりの野良犬もどきかと思ってみていたが、やがてなんかへんだと思い始めた。やせていて、小柄で、眼光がやたらに鋭く、つまり目が小さく、全体の色あいが、柴犬よりもっと野生の赤砂色だったのである。こっちに来るでもなく、行くでもなく、あぶらげでもくれたら喜んでいただきますという風情でたたずんでいた。あれはキツネだったと思う。さー、数独、数独。

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