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「進撃の巨人」「ウシジマくん」他

2013年08月02日(金)

きょうの漫画。「べしゃり暮らし」15と「進撃の巨人」1と「信長のシェフ」7と「ウシジマくん」27(28は借りられなかった。しかしもう28か。こんなに人の苦しみがつづいているのかと思うと感無量)。それから「Red」をおとな借り。これはまたあとで。
「べしゃり暮らし」は井上亜流の漫画のなかでは、いちばんおもしろい(うちの一つ……だって読み尽くしてないから断言しにくい)。最新刊も読みでがあった。漫才師たちの現実を描写するのに忙しすぎて、いまどきよくあるチープな感傷的なまとめが入ってきてない(少なくともこの巻には)せいかも。「進撃の巨人」は1巻だったせいか、作家の画力がちょーーへたで、それにとっても好感を持った。しかし名前のつけ方がなんというか、教養がないというかセンシビリティがないというか……。いや、これはこういうファンタジーものみんなそうで、ほんとにいらいらしておる。「テラフォーマー」もひどかった。「ベルセルク」もひどかった。「ガンダム」とか「ナウシカ」はマシだった気がする。いやあれもくそもみそも一しょだったかも。内容のよさに頭が麻痺しちゃっていただけで。昔、萩尾望都が出て来た頃、かっこいい名前つけるなあと思っていた。今の青少年にはこれもかっこいいと思えているのかも。でもあたしは今はおばさんだから、我慢が出来ないほどひどいと思う。言語も文化もくそみそだ。「進撃の巨人」(タイトルかっこいい)の主人公少年はエレンだ。エレンといったら英語では女名だ。まるで昔、戦争直後に、ヘンリーとかデイビッドとかのストリッパーがいた(ゲイじゃなく、それをかっこいいと思って自分の芸名にした女たちがいた)というのを聞いた(昔、S匠に聞いた)ときみたいな感覚におそわれた。内容は、少年たちよ、ほんとにだいじょうぶかという内容。テラフォーマーや暗殺教室などと似た感じの。しかし、とにかく画線のへたさにリアリティを感じられ、これからうまくなるだろうなという期待感もあり、そこがよかった。「信長のシェフ」はさいしょはたまげたが、7巻にもなるとなんだかもうなんということもなくなる。設定は奇抜だがそれでどうしたという少年漫画のようだ。この漫画の武将たちは、一人一人器が小さそうでリアリティがまったくない、顔も言動も。まあこの設定にリアリティがなくてもいいのかもしれないが。これに比べるとまだ「信長協奏曲」の武将たちのほうが殺気もリアリティもむんむん(というほどではないが、まあ)ある。「ウシジマくん」はいつも同じようにおもしろいが、いつも同じようにおもしろいので、いつも同じように読んじゃっている自分がいる。作家の苦労を考えれば、もっとじっくり読むべきだ。申し訳ない。

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