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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

「レッド」他

2013年08月02日(金)

読んだ漫画がもったいないから感想を書きつけていくことにする。きのうのは「Red 」「ぴんとこな」「図書館戦争」「暗殺教室」、あと数冊。それぞれ第一巻とか最新刊とかてきとうな借り方をしている。「Red」はひさしぶりの山本直樹だ。別に書く。「ぴんとこな」ど真ん中の少女漫画の歌舞伎ものだ。うーーむ。歌舞伎ものは以前、「かぶく者」にはまったが、最後で崩れて悔しい思いをした。原作つきの漫画でああも崩れては、何のための原作者か。人気が出なくてはしょったのかもしれない。絵は井上亜流なのがすごく鼻についた。でも歌舞伎というのが新鮮で、しかも連獅子や四谷怪談の描き方がみごとだった。でも主役のいきあたりばったりな伝統の破壊のしかたには共感しなかった。で、「ぴんとこな」は……少女漫画はいかんせん選が細すぎる。こんなにみんな同じ線で人々が描けちゃうのか。ぴんとこなかったからもっと読まな。「図書館戦争」絵が古いし型どおりだし表現も古いし、今どきの子ってのはこういうのが好きなのか、めぐりめぐるは浮き世なりけりと思いつつ読んだが、よくみれば、小説の漫画ライズということで、つまり描き手にまだ力がついてないようだ。「暗殺教室」は少年漫画で、少年漫画らしい設定の奇抜さが、まあおもしろくないことはない。それにしてもこういうのをよろこんで読んでいるとしたら奇抜すぎないか少年たち、と諭したくなるような奇抜だった。その上設定は奇抜だが、内容はふつうだ。というかふつうすぎるのだった。あんまり普通すぎないか少年たち、こんな、人がもうとっくにわかってることをくりかえしているだけでは先へ進まないじゃないか少年たち、と何度もお説教したくなる、あたしのおばさん性を際立たせる危険な漫画だと思った。あと、何読んだかな。忘れたようだ。
パーマやでビッグコミックとオリジナルを数ヵ月分読んだのは忘れてない。「フイチン再見」が楽しみでたまらない。さらりと流しているような表現なのに、すごく変で、雑だし、ぎこちなく、ぎくしゃくしている。太宰治の「女生徒」みたいなねじくれまがった声が聞こえてくるのは、たまたまな時代性かも。それから「深夜食堂」を博多中州の好信楽を思い浮かべながら読み、「黄昏流星群」をよみ、「弁護士のくず」を読み、「そばもん」と「どうらく息子」をまあぱらぱらと。あとスタッフ(若い男)の貸してくれた「テラフォーマーズ」。奇抜すぎちゃって、少年たちは奇抜なことしか考えられなくなっているのかもしれない。

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