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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

外務省の人々

2013年03月07日(木)

きょう領事館に各種証明をとりにいったら、ナビがどうもへんな方向にあたしを連れて行くではないか。何度も停まって聞き直しても同じである。4年前に行ったときはたしかLAのダウンタウンにいったような気がするが、はて、日本は景気が悪いっていうから、家賃の安いところに引っ越したのかな、庶民的なイメージをつくろうとしてるのかなとのんきなことを考えつつ、たどりついてみたら、庶民的すぎるところで、領事館らしいものはなんにもないじゃないの、あわてて領事館に電話してみたら、LAには350 South Grand Aveというのが2カ所ありますということで、仰天したのであった。ほうほうのていでたどりついた領事館だが、係の人はほんとにほんとに感じが良くて、親身に助けてくれた。たしか数ヶ月前に、父の年金用の証明をとりにいったときも(それはLAではなくて少し近いところに巡回出張サービスにきてくれたのだった)係の人はほんとに感じよかった。こないだトロントでお世話になった総領事さんも、おどろくべき感じのよさで感激した。あたしら作家一行をごはんに招待してくれたのだが、なんと、K上さんの本とあたしの本をちゃんと事前に読んでくれたのだ。あれにはほんとに感激した。考えてみれば、若い頃はさんざんワルシャワの大使館に世話になっておった。当時は物資が不足で、買い物が不自由で、みかねて大使館が月に一回、在留邦人のためにベルリンから日本食屋を呼んでくれたのだ。で、あたしらは月に一回、大使館を、生協の配達場みたいな感じで利用していたものだ。でもあの頃の大使館の人たちは、今そこここで出会う大使館や領事館の人ほど感じいいと感激はしなかった。こっちがおばさんになって、親切を親身に感じるようになったのか。とにかく考えてみれば、今までのかなりの人生を、在留邦人として外務省にお世話になっておる。

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