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       父と退屈 
        2012年01月15日(日) 
         ひさしぶりに父と15分話した。ここのところ電話しても何も話してくれずたいへんつまらなく会話が持たず向こうも切りたがるので5,6分で会話は途切れた。そもそも日本にいたときも、たいへんつまらなかったのである。もう何にも興味はなくなってるように思えた。きょうは、格別にいろんなことに興味があったわけではない。ただ「たいくつだ」という気持ちをあたしに言いたかったらしい、それを聞いていたというだけだ。「しかたがない」と何度もいってた。「何にもやる気にならないから、ただ「テレビを見るしかない」と。「強盗でも入って殺してくれたらいいけど、こんな金のないうちには入ってくれないもんなあ」と。たいくつでも、なんとかしよう、たとえば本をよむとか新しいことをしようって気にはならないんだよね、ときくと、「うん、ぜんぜんならない、あんたはまだまだ先だけど、いつかわかるよ、こういう気持ちが」と。「清盛は楽しみにしてるけど、おもしろいかどうかわかんない、おれなんか理屈っぽい年寄りで、源平のことはさんざん見てきたから清盛はこうっていうイメージがある、それをいきなりこわされてもいいのかわるいのか」と。でもあたしは見たいよ、見たいけど見られないといったら、「そうか、あんたは見られないんだな、かわいそうに」と。じゃー今日、清盛みて、あしたどうだったか話して、といったら、「そうだね、あした話してあげる」と。その虚無のただ中に生きてるってことだけでも、すごいことだ。15分よくしゃべった。虚無にひきずられそうになる。でもひきずられないだけの力があたしにはある。娘としては、こうして15分間ぐちをこぼしてくれるだけでも、向こう側にいっちゃってこっちを振り返りもしない父よりはずっといいと思える。 
        
      
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