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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

馬12

2012年01月03日(火)

きょうは白い馬、首を振りながら走るのが癖のエンジェルかと思ったが、違う馬だ。半分純粋アラブで、半分パロミノで、ブラシしてやってると甘噛みをする。名前は忘れた。この馬に乗るのははじめてであった。鐙に立って馬の口に集中しながら歩いていたら、とつぜん馬が何かにつまずいて、あたしはひとたまりもなく転げ落ち、次の瞬間には地面の上で仰向けになっておった。それからプラ箱を台にしてよじ登ろうとしたらプラ箱がすべってまたこけた。伊藤さん今日はさんざんな目にあってますね、と先生に容赦なく笑われた。しかしこの馬は、反動が少ないので速歩でおしりがはねあがらない。乗りやすい。でもコーナーを回るのはてきとうにやるし(ほかの馬は任せておけばきっちり回る)、先生の合図でぱっと出てしまうから(先生はあたしに言ってるので、馬がそれで動いては指揮系統がめちゃめちゃになる)任せておけない。きょうの練習は速歩と軽速歩、速歩がゆっくりの速度で手堅くできた。しかしきょうはたづなの長さをきにしすぎであった。伊藤さんはどうしても行け行けになるから、馬がいつも自分の下にある感じなんですよ、馬はつねに自分の前にいるような気持ちで、馬のリズムを感じて、と。はやあしっと先生が言うのを聞いて、常歩から速歩に移行する。そこで、あたし自身はゆっくり出してるつもりなのに、先生には、いきすぎてますよ、気持ちがはやりすぎてますよ、もっとていねいに、といわれる。いったい馬はどこで感じているのか。先生はあたしのはやる気持ちを前のめりになる姿勢から見抜いているようだ。つまり馬も重心から感じるのか? きのう「アバター」見ながらジョーバしてたので、つい、髪の毛の中にうねうね動く触覚があって、メモリスティックみたいに、馬側の触覚につなげて、と思うが、そんなものはないので自分で感知せねばならない。練習がおわってブラシかけてるとまたかぷりかぷりと甘噛みされて、遊んでもらってる感じでたいへんうれしく、馬のよだれにまみれたところで、こんどは馬場の犬の群れ(ダックスが4匹)に遊べ遊べとわらわらからみつかれてこれもまたたいへんうれしく、全身から犬と馬の気がたちのぼっておる。落馬のせいで右腕が上がらなくもなっておる。

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