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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

ルイとTださん

2012年07月27日(金)

明日から盛岡(28日紅茶の店しゅん)、大船渡(29日地ノ森いこいの家で山浦先生と)、東京(30日夏の文学教室と同じく30日19時八重洲ブックセンター)なので、またルイをTだ動物病院に。こんどはついでに検査もいろいろしてもらう。ルイは別荘気分ですいすい入っていった。動物病院の前で硬直して抵抗するタケとはおおちがい。気がついたら、待合室で、ルイを抱いて待っている自分がいる。以前はリード持って漫画読んでいたものだ。その上、ルイは抱きやすくなった。抱かれやすく、というべきか。以前は抱くといつも、きゃん、といった。今はいわないで抱かれにくる。ルイとあたしの間に、やっとそれなりのボンディングが、と思うと、しみじみする。看護師さんにいろいろ説明してもらった、新しい犬をもとからいる犬に紹介する方法。しばらくケージに入れておいたほうがいいそうだ。ケージに入れて、あたしの動物部屋につれていったほうがいいそうだ。そしてやはり、とりあえずニコを(タケはもちろん)優先してやったほうがいいそうだ。犬は、順位をきめるのに年は関係ないそうだ。で、やっぱりいつかはニコが最下位になるような気がするのだ。

たぬきといえば……新刊のご案内「たぬき」

2012年07月27日(金)

「たぬき」
絵は片山健さん。題字も片山健さん。
ちいさなかがくのともシリーズ9月号
福音館書店

なつのあさ。
なっちゃん、なんかみた、なんだろな。
あ、かくれた。

3分で読めるから時間のない人にちょーおすすめ。
片山さんの絵がものすごい。前回の「なっちゃんのなつ」のときも
感動したが、今回はさらに。たぬきと出会っていくなっちゃんのお話です。

ルイとオオカミ

2012年07月27日(金)

ルイの挙止がなんとなく父に似ている。しかも死ぬちょっと前の父。のりうつったのかもしれないなあと思いつつ、散歩にいき、ごはんをやり、ときどき話しかけ、なでさすり、いっしょに寝ておる。おじいちゃんがのりうつったか? ときいても、ちょっと卑屈っぽい、疑い深そうな、でもほんとはそういうネガティブなことは考えてない、ただ上目づかいになるからそう見えるだけの表情で、こっちを見る。そもそも「飼い主」とはなにかという定義が、ニコやタケとぜんぜんちがう。うちのふたりは、なにか問題があったら、飼い主のところへ戻る、飼い主にたのむ、がまず解決の方法であったが、ルイは、長年、頼りにならないおじいさんと暮らしていたので、自分で解決する、が身に染みついているようだ。以前みた犬についての番組で、犬とオオカミの違いを実験していた。問題が解決できないとき、犬は飼い主に頼り、オオカミはなんとか自力解決しようとしていた。ああいう違いかも。じゃールイはオオカミみたいかといえば、ぜんぜんそんなことはない。丸くて好々爺っぽいが、実は偏屈ですけべな(こないだ10か月の雌犬と遊ばせようとしたが、むこうは遊ぶまんまんだったのにルイは見向きもしなかった。すけべそうに見えるだけでほんとはまったく関心がない)頭だけはよさそうな犬である。土手の上の一本道を、あたしの存在なんか気にせずにとことことことこ、あっちにひっかかりこっちにひっかかりしながら、あたしを見失ってもタケやニコみたいにあわてふためかず、悠長に歩いておる。昔、土手の上をたぬきが歩いて行くのを見た。どこかの散歩する人のあとをついていくように歩いていたが、たぬきだった。その歩き方とそっくりだ。体力もないらしく、ときどきよろよろする。歩きたくなさそうにあたしを上目づかいで見る。

Fauna

2012年07月27日(金)

うちの前に道がある。それを渡ると土手になる。のぼる。すると、坪井川の遊水池が見渡せる。なかはほとんど植物で埋まっているが、ところどころ市民有志が勝手に耕して畑ができている。遊水池のぐるりに土手があり、適当に整備されて、歩けるようになっている。その小道のどまんなかにところどころ虫の死骸と蟻の集団がいる。虫の死骸(ときにみみず)はまるで、蟻によってそこに埋葬されているように見える。死骸の周囲が掘り下げてあり、掘った分がさらにその周囲に堆くなっており、蟻がせわしなく動いている。でもそんなわけはないので、よくよく見ると、そこで解体作業をしているらしい。きょうはガマを見た。泥色かと思ったが、トノサマガエルみたいな色と模様がところどころにあるのだった。調べてみたら本名をニホンヒキガエル。英語はきっちり区別する(でないと、ローベルのあの名作童話が成り立たない)のがへんなかんじ。ヒバリもみた。ツバメもいた。ウグイスも鳴いてた。カラス、ハシボソかハシブトかわからない。ほかにもいろいろ、でも名前がわからない。

初坐禅

2012年07月26日(木)

J国寺は木曜日の8時から坐禅をやっている。40分すわって般若心経読んで(これはとくい)「普勧坐禅儀」の解説をきいた。だらだら汗が流れた。しかし40分は、うそ、というくらい早かった。10分くらいだと思った。あとこの数倍はある、がまんしようと思ったら鐘が鳴って般若心経が始まった。しかしやってるときは雑念ばかりだった。というか雑念しかなかった。いっときたりともそうでないときはなかった。

キジとルイ

2012年07月26日(木)

こないだ草むらに赤いものがあるので、はて?と見たらキジの頬だった。きょうは畑(市民が勝手に遊水池を耕している。こないだの大雨で水没したはずなのに、なにごともなかったようにサトイモやなにかが並んでおる)の土をつついているニワトリをよく見たらキジの雄だった。その向こうの草むらから大きな鳥が飛び立ったのでよくみたら雌だった。もう一羽、違う方向に飛んでいった。こないだ(4月)土手を歩くと、10メートルおきに「けーんけーん」と求愛されて、とにかく10メートルごとに雄がいた。というのは少しおおげさだが、少なくとも、20分かけて土手をぐるりとまわるうちに、3カ所で雄をみた。瞬間移動しない限り無理なので、それぞれ違う鳥だ。今回は鳴き声がしないからいなくなったのかと心配していたが、やはりあれは求愛の声で、4月がそういうシーズンだった。で、今は、ガマが間断なく求愛しておる。ぶおーぶおーと声が聞こえる。そういう土手を歩いているが、きょう土手の上を、ルイをリードなしで連れていたら、はっと見るとルイがいないのである。探し回ると、向こうのほうで、道をわたっているのが見えた。勝手に土手から降りて、道を渡って家に帰ろうとしたらしい。まったく信用できないのである。

開通

2012年07月25日(水)

あーーーくそ暑うございます。しめきりに追い立てられておった。ぐうたらでなかなか書けないというか、書かないからだ。ここはネット環境がわるいというか、わざわざ、地下にネット場をおいて、仕事場ではネットできないようにしてあったが、やはりそれではできたものを送れないし、なんだかんだと調べるのも不便だし、ついに、ついに、ついに、さっきベスト電器でながーーーーいケーブル買ってきてつないだら、これこのように仕事部屋のコンピュータにネットとメールが。鉄道がやっと西海岸まで到達したときもこんな気持ちであったろう。なんてこといってないで仕事仕事。

ニコの反応

2012年07月15日(日)

タケが脳梗塞(といってるが、ほんとにそうなのかはわからない)をおこしたとき、ニコの態度がへんだったそうだ。おしりを上げて、頭を低くして、タケにむかってうなったそうだ。ゆうべあたしが帰るとまっさきにすっ飛んできた(これはふつう)。夜、ベッドに入ると、ベッドにのってきて、しばらくあたしのおなかにすわって、撫でてもらいたがった。これはいつもはしないことだった。
今朝はS子とトメの合気道のテストだった。長旅でつかれた車を掃除していたら、ニコが当然のように車にのりこんできた。それでニコも道場につれていった。午後、ニコとあたしとで散歩にいった。夕方、トメもいっしょにまた行った。散歩いくよというと、タケが行きたがって足を動かした。クッキーとミルクだけあげるから、と言い聞かせてニコだけ連れて出た。

タケのその後

2012年07月15日(日)

ズンバとヨハネとルカ(山浦玄嗣先生の声)を聞きながら8時間を疾駆して帰った。タケはぼろぼろになっておったがまだ生きていた。あたしのことはちゃんと認めた。しかしクッキーやっても頭ががくがくしてくわえとれない(でも食べたい)のであった。痛み苦しみはない。ときどき何か不快なことがあると、ふうむふうむと言う。行って直してやる。「きのうは頭が下についてうつぶせになっていた、きょうは頭をきちんと上げている」とS子とトメがいった。
一昨日の第一報はトメから入った。S子は職場で動けず、けっきょく夕方までトメがひとりで世話をした。トメはよくやった。冷静にあたしたちに連絡し、冷静に対処した。
一昨日、電話でS子と話していたときには、S子ですら安楽死の可能性を言っていた。そうとう悪かったにちがいない。しかし昨日は落ち着いた。路上でトメとS子からつづけて「Take ga」云々というメールが入り、疾駆中なので読めなかったので「すわ」と思っていたが、渋滞にひっかかったときに見てみたら「Tateta」「Aruketa」ということであった(携帯メールなのでローマ字なのだ)。道々、安楽死の可能性を考えた。家に来てもらう巡回獣医というのがいるらしい。それを昔、友人に教えられた。しかし想像すればするほど、辛すぎるなあと思っていた。そういう形でタケの「生きたい」命を終わらせることが。
今朝見てみると、自力で歩けるという状態ではない。S子がタオルで吊りあげ、あたしが頭を補佐して、なんとか外に出るという感じ、帰りはS子が(まるでニコを抱きかかえるみたいに)抱きあげて連れ戻した。わりとリラックスして抱かれていた。おばさん犬のころは重たかったし、抱かれるのいやがったし、こうはいかなかっただろう。老いで、いろんなことが可能になる。ごはんをやったらがつがつ食べたが、きちんと頭をコントロールできないので食べこぼしがいっぱいある。夜はあたしの部屋で寝たきり垂れながし、昼は居間でみんなにみつめられておる。
ゆうべ、つれあいとS子とあたしとで、どうするか相談した。まだ安楽死の段階ではないと意見は一致しておる。あと数日であたしは日本だ。「おかあさんがいないときに、自分が決断を下さなければならない、というのがいやだ」とS子がいった。「そのときはおれがやってやる、ちゃんとサポートする」とつれあいがいった。こういうとき、犬嫌いのはずのつれあいが、あたしらとほぼ意見を一にして、いっしょに考えてくれてるのが驚きでもあった。一昨日は、トメひとりだったとき、仕事場から出てきてずっとタケの頭を撫でていたという。これも驚きだった。とにかく憎たらしいくらいの犬嫌いであったのだ。

スイートピーとメトロノームとタケ

2012年07月14日(土)

カノコのとこの犬のスイートピー(という顔ではないのだが)が、ピットブルミックスで、顔はピットブルそのものだが、下半身はピットブルにグレイハウンドが入った感じで、性格はまじでイタリアン・グレイハウンドのあのふるふるしながらなつっこく人にすりよっていく感じそのものである。タケやルイほど頭がよくないので、あっけらかんとしている。4匹いる猫のうち、メトロノームはとても頭がよく、性格が複雑だ。それであかんぼの出現に動揺し、あちこちにげろをはいて、赤ん坊ばっかり凝視している親たちにいやがらせをしまくっている。で、Pと反目しあっている(メ猫はもともとカノコの猫)。あたしが赤ん坊を抱いている間にカノコがメを抱くと、メはカノコのおなかをもみもみした。妊娠中にはできなかったんだそうだ。それもメ猫のストレスの原因だったそうだ。スイートピーはそこまでの頭がないので、穏やかにいつもどおりだ。ゆうべあたしは、スイートピーと抱き合って寝た。短毛の筋肉質のからだが温かく、あたしが手をかけても、まったく平気でされるがままにこっちにひっついて寝ておった。こんなになつっこい犬ははじめてである。ニコもタケもルイもこんなではない。きのうの朝、タケが脳梗塞の発作をおこしたらしいとトメから報告が。それできょう帰ろうと思う。

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