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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

ベイエリアにいって帰ってきた

2008年04月01日(火)

サンディエゴからインターステイト5号線を北上するとLAの市街を抜けて山を越えてセントラルバレーに入る。直線の道が5時間つづく。山を下りて最初の宿がGrapevineである。ここに入るやいつもあの葡萄を、怒りの葡萄を思い出す。オクラホマから死にものぐるいでやってくれば、このへんなんではないか、もっと北の方か。セントラルバレーは昭和玩具の水飲み鳥みたいな石油採掘機がところどころにある。それからブドウ畑。それからアーモンド畑。年々、灌漑がされて、年々緑の畑が多くなる、ような気がしてたが、今回は立ち枯れたアーモンド畑が目について、見ていられなかった。畑全体(一見して大企業の経営する畑であるとわかる)が水をとめられて、大きさのそろった木がみんな死んでいるのである。前回ここをとおったときは、死んだ畑に、こんなに気がつかなかった。ミドリノオバサンとしては、苦痛きわまない光景であった。
カノコのパフォーマンス。一夜めは来桑のM上公一さんと二人でやった。M上さんは声とテレミンと口琴。カノコは箏とピアノ。ピアノのほうがお箏よりよかったと思う。いかれなかった三日めはお箏ですごくよくできたといってた。経験豊富なM上さんの前でかたくなってたそうた。のめりこむときほんとにあっちに行っちゃう姿が、なんというか、自分を見る感じで気持ち悪い。あたしより行っちゃってるかも。二日めは若い作曲家の作品をみんなで演奏したやつ。ピアノだった。カノコはそこにいた。そこにいたから、気楽に見られてうれしかった。

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