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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

クリスマスプレゼント

2014年12月25日(木)

つれあいが「マリア・カラス大全集」をくれた。何十枚もCDが入ってるやつ。よろこんで、iTunesに入れつつ聞いているのだが、なんか変だ、なんかおかしいということに気がついた。マリア・カラスすごいと思ってこないだ1枚買って聞いてたのはほんとなのだ。しかし、だからといってこの全集はやりすぎではないか。あたしはKeenlysideの歌うVerdiにハマってただけだ。こんなものを聴いていたら、あたしの研究目的がなんだかへんなほうに逸れてしまって、「オペラに演技は必要か」とか「ヴェルディとシェイクスピア」みたいなものより「マリアカラスとスカラ座」みたいなエッセイをかかなくちゃいけなくなる(いや、かく予定もつもりもないんですけど)。何より、あたしの聴くものがKeenlysideでなく、ただのオペラになってしまうではないか。あたしは家族全員に今ほしいものリストを送ってあった。とうぜんつれあいにも送ってあった。ROH のオペラ三枚組でどれも Keenlyside が出ているやつだ。で、それは無視だ。そういえばつれあいは、ムカシ、ある誕生日に何がほしいというから、PartがほしいといったらPartを10枚くらいくれた。ひとつひとつ吟味しながら聴きながら先にいくのが楽しいのだ。で、なんかoverwhelmな感じで、Partはそれきり聴かなくなってしまった。そしてまた別のときFleisherとか Hamelin とかを聴いていた頃、いきなりKempffのベートーベンソナタ全集をくれた。それはしばらく封を開けもしなかった。こないだiTunesに入れたけど、でもろくに聴いてない。31と32にハマったときも、ちょっと参考までに聴いただけだ。Drew なんとかという誰もしらないカウンターテナーにハマってたときにはカウンターテナーならこれにかぎるといってAlfred Deller を何枚もくれた。いきなり巨匠、しかもムカシの巨匠に持っていきたがるのがつれあいのようだ。で、今回もこうなった。Keenlyside に嫉妬して注意をそらしにかかってんじゃないかと邪推さえしたくなる。むかつく。って反抗期の娘か、あたしは。

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