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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

EU大会

2014年09月24日(水)

長逗留しているドイツ人は、とっても感じがよくて、何でも(肉以外)食べてくれて、楽なのだが、よくしゃべる。もともと仕事の関係でつれあいとしゃべりに来たらしいが、じつによくしゃべる。それであたしたちだけでは相手しきれず、というか、まあ遠来の客がおもしろいので、いろんな人をかわるがわる呼んで、ディナーやっている。きのうはさらによくしゃべる近所のフランス人が帰ってきた(夏の間いなかった)ので、もうひとり合気道のセンセイ(イギリス人・女)を呼んで、EU大会であった。よくしゃべる独仏に比べると、うちの英がおとなしく見えるからふしぎなものだ。ところが、こうしてよくしゃべる男が(全員老人)あつまると、なんだかそこに男文化がカモシ出される。センセイは、道場で、泣く子も黙る怖さで男の弟子どもを投げ飛ばしているのだが、男老人EU知識人のディナーのなかでは、否応なしに女の文化を持っている。いや、話にはちゃんと加われるし、女々した話題をえらぶわけでもないが。あそこまで飽くなき議論を追求したがらないというか。そしてそれはあたしも同じことだ。センセイは先に帰ったが、そのあとフランス人がなかなか帰らず、また三人ですわってしゃべりはじめたので、いつもはやらない食後酒の提供をしたくらいであった。みんなグラッパを飲んでいた。
ドイツ人は前に話したようにベジタリアン(魚OK)だから、毎日必死で魚料理。魚メニュー出し尽くした。きのうはさしみと蟹玉。EUの人々が、ひらたいディナー皿によそった蟹玉を必死で箸で食べていた。あたしだけ食べにくいのでナイフとフォークを使い、それぞれの前にナイフとフォークを出してあるのに、だれも使わないのであった。

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