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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

日本行きの前

2014年07月08日(火)

日本にいく前に何がいやって、自分てものが東京なりなんなりの風景に合わないというのを認識することだ。とくに夏はいやだ。その暑さが想像できない。いつもこれくらいかと想像していくとそれ以上だ。いちおうこれくらいと想像すると、着るものがない。今着ているこれもあれも、東京の夏では暑すぎるはず。というかぼろぼろすぎるはず。ここであたしはズンバと食料品屋と犬の散歩にしか行ってない生活を送っていて、東京の地下鉄に乗ったりするとすごく違うのがわかる。その上日本の女はここほど胸も腕も露出しない。あたしの持ってるのは胸ぐりのあいたものばかり。その上日本の女はあたしたちほど日に焼けてない。まあ、これはもうどうしようもない。Nちゃんちに泊まると、着るものを貸してもらえる。だからちょっと気楽に行けるが、今回はNちゃんちに行くまでにあちこちを渡り歩く。その分の服を今買ってきたが、わけわからなくなっている。ときどき自分の写真をみると、えっというほど顔と服が合ってない。それでこないだは日本に行く前にWeedというおばさん専門店にいって(友人Cのお気に入り)いろんなものを買ってきた。でもWeedの問題は基本的に日本という熱帯で着るものは売ってないということだ。デザイン的にはよくても素材がいけない。冬なら、R.E.I. というアウトドア専門店にいって買うが、ここはセーター類は豊富でも、熱帯についてはやはり考えていない品揃え、しかも趣味が穏やかすぎる。Sの好きなAnthlopologyはデザインが凝り過ぎてて今いち。トメの好きなH&Mもなんだか安っぽくて今いち。それでたいていの買い物は、Urban Outfitterという、トメのもう一つのお気に入りで済ませてしまうが、トメ(18)のお気に入りだからデザインもそういうものだ。それで顔からどんどん乖離していくのである。とにかく買ってきた。不安を鎮めるための買い物のような気がする。買ってきたもの、似合うかといえばぜんぜん似合わない。ズンバ用の服を着ていたほうがずっと似合う。

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