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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

動植物

2014年04月10日(木)

まず朝はCaol Ila蒸留所に行ったが、ツアーはお休みで酒だけ買った。それから島を北端まで、行こうとしたが途中で道が切れた。それから南端まで走り抜けた。途中Finlaggan。Askaig。Portnahaven。Mor。これは地名だが、みんな『オシアン』に出てくる人たちみたい。けっきょく走り回っただけで、夕方Bowmoreのホテル着。ビールのんで、食堂で仕事していたら、ホテルのおにいさんに話しかけられて話しこみ(若い人だからか、60%は理解できた)いろんな話を聞かせてもらった。それは今「honto」に書いてるので。
道々の荒れ地にはGorseという黄色い花が満開。和名はハリエニシダ。西海岸でいやがられているエニシダによく似ている。黒いものがいっぱい見えるので、きのうはピートというものかと思っていたが、どうも植物のようだ。それで車を停めて、よく見ると、たぶんエリカだ。ツツジ科の、ひねこびたような葉であった。まだ何も咲いてない。たしか92年(いつだ、それは)の8月にH田とアイルランドに行って、そこで見たエリカでおおわれたピンクの荒れ野の美しさは忘れがたい。8月にはここもああなる。道端や石垣の脇には葉が出始めた黒イチゴのたけだけしい蔓。これもアイルランドのアラン島いちめんにのたくっていたやつだ。あのときは赤い実と黒い実をつけていた。8月にはここもああなる。畑地の斜面の水はけのよさそうなところには、プリムラの黄色いのが花を咲かしていた。逃げ出したかと思ったが、調べてみれば自生の可能性がある。もちろんラッパ水仙はいたるところにあった。植えたんだろうと思っていたが、自生かもしれないと思い始めた。人家の庭にはピンクの花が花ざかりの藪があった。園芸植物で、たぶんスグリと見当をつけて、探してみたら、北米原産のハナフサスグリのようだ。たれ下がる簪みたいにきれいな花だった。湿ったところにはアヤメみたいな茎がいっぱい伸びていた。何かわからない。
動物でいちばん多かったのはヒツジと野ガン。ヒツジは子どもを生む時期で、赤ん坊ヒツジがいっぱいいた。野ガンの多さには驚いた。調べてみたら渡りの時期だ。キジを一羽、白鳥を何カ所かで見た。カモメ、とんがったカモメモドキ、顔の黒いカモメモドキ。ヒツジモドキもいると思ったら、アルパカだった。馬もときどき見たが、どれもがっしりしていて脚はぶっとくて毛がもしゃもしゃ生えていて、熊本なら、肉馬か?と思わず思うだろうが、そうではないのがありがたかった。乗馬場もあるらしいがつれあいを置いて一人で乗馬もはばかられ、まあ運良く前を通ったら中に入って聞いてみて、縁があればできるかもとちょっと期待していたのだが、道に迷っているうちにその前を通りそびれた。縁はなかった。残念であった。ああいうごっついぶっといずんぐりした馬に乗ってみたかったが、乗馬用のはふつうの馬かも。

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