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カリフォルニアの生活

2013年12月24日(火)

カリフォルニアに帰ってきてもなんだか旅の空のよう。金曜日の夜に帰って土曜日のMのズンバはもう行った。Cのには行かなくて、日曜日は何もする気が(ズンバとかジムとか買い物とかということ)起こらず、半日パジャマのままでいた。家にはトメがいて、小汚く散らかっている。眠れているかというとそうでもない。あいかわらず寝つきはいいが、あいかわらずきちんと眠りとおすことができないで、へんな時間に起きている。ここは、ベルリンのあの下宿よりは隙間風はあり、室温も低いが、つれあいががんがん暖房つけているので、不快である。いっそ暖房の無い、洞窟のようなところに住みたいのかもしれない。あるいは暖房の無い、昔の日本の木造家屋みたいなところの方が性に合ってるのかもしれない。それで火鉢とか石油ストーブとか抱えて生きていきたいのかも。つれあいは、ベルリンに行く前は、おれは一人になるだのなんだの、生前の父みたいに、文句、不満をたれまくっていた。向こうにいる間も毎日Skypeをかけてきて、なつかしそうにしゃべり、切るときは口でちゅっとする愛嬌すらあったというのに、帰ってきてからというもの、まったく以前のまま、無視というか、空気というか。自分は年寄りだが、あたしはまだそこまで年じゃないし、空気になるにはまだ二十年早いっての(そもそも、基本的に西洋文明では夫婦は空気になっちゃいけないのだ)。などとこぼすとSが、じゃおかあさん何かしたいの、と聞くが、言われてみると、なんにもしたくなく、あたしはあたしでいたい、つまりほっとかれて仕事していればいいこの生活はいやじゃないのである。
さっきからルイが犬てんかんを起こしかけていて、しきりにもぞもぞしている。がくがく震えて、うろうろして、もぞもぞして、行動が落ち着かないし、何をしたいのかわからない。しかしそれでも発作はだいぶ減った。父と暮らしていたときは週に何遍も起こしていたのだ。

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