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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

公園の犬事情

2012年09月10日(月)

公園ではいろんな人に会う。きょうはルイとニコをオフリーシで(これはつなをつけずに、ということだが、うちの場合はパピヨンたちを信頼しきっていないので、それぞれリーシをつけたまま、自由に歩かせている。首にかかる重みで、多少は抑制がきくし、いざとなると、ひもの先を踏んで寸止めできる)いつもくだる坂道をくだっていったら、向こうから人がきて、ニコが制止を振り切って駆けだしていった。先にいたのは、ピットブルのおねえさん。彼女は30〜40代で、連れてるピットブルと瓜二つ。もう10年くらい、公園や路上ですれちがっておるのだ。むこうはピットブル、こっちはジャーマンシェパードで、遠くから手を振り合って、あたしはこっちに行く、おお、じゃあたしはこっちに行こうとコミュニケートしあい、日々の散歩をこなしてきたのである。ある意味、ピットブルおねえさんが、あたしたちの出会う犬飼いで、いちばんあたしたちの立場、つまり犬嫌いの強い犬を連れた飼い主の立場をわかってくれてたと思う。で、ニコが飛びかかっていったのも一度や二度じゃなく、そのたびにおねえさんは、あたしらがタケにやるように、リーシをしっかり持って、自分の犬を抑えつけ、ときにはニコを蹴散らして、ニコの命を守り、またピットブルのことも守ってくれた。きょうも、ニコにかみついていかないよう、ピットブルを抑えつけてくれてる間に、トメがニコに追いついた。そのあと芝生に入っていくと、そこには以前親しくしていたJとC夫婦が、夫のCだけ犬を散歩させていた。かれらはパピヨン2匹を飼っており、夫婦ともパピヨンの性格によく似た、知的でなつっこくて善良な人たちなのである。ニコは遊びたがるが、むこうのパピヨンたちは少し年上なので、いつもうっとうしがられておった。タケは、パピヨンたちを威嚇するので、嫌われておった。あたしはいつもしっかりリーシを持っていた。J(奥さん)だけのときはときどき長話もしたりしてねそういうときはタケをすわらせておいた。タケはすわれというと、長話の間じゅうずっとすわっているかしこい犬だったのである。Jは数年前に乳ガンをやった。回復したと思っていた。ときどき具合が悪くなると、しばらく前に会ったときには言っていた。具合が悪くて来られなかった、しばらく散歩をしていないのだとCが言った。そこへさっきでくわしたピットプルおねえさんが通りかかり、こっちはみんなきちんとリーシをにぎっていたので、安心して話をすることができた。公園に住み込みの管理人も話にくわわった(彼女は当然ながら、Cとそのパピヨンたちとも、ピットプルおねえさんとも、あたしたちとも知り合いである。そして彼女は小さな、なんだろう、細くてしゃきしゃきした、チワワとイタリアングレイハウンドのミックスみたいな感じの犬、ジョジョを放し飼いにして、なんとジョジョはピットブルともうまくやっているということなのだ)。ピットブルおねえさんとは、長い間、手を振って挨拶しあってるのに、話すのはきょうがはじめてだった。

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