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手塚治虫祭り

2012年02月27日(月)

こんどの旅ではキオスクで漫画買えないなあと思っていたら、Jフリーのうちにけっこうあった。帰りに何冊も借りてきたくらいだ。ちょっとした自由時間にも、帰りの飛行機の中でも、一人で手塚治虫祭りをやっておった。「MW」(こんど授業で使うそうだ)「鳥人体系」「アドルフに告ぐ」「アポロの歌」「鉄腕アトム」、どれも読み応えがあったが、とくに「アドルフに告ぐ」3巻、シカゴーサンディエゴの4時間を、外も見ないでむちゅうになって読みふけり読み終えた。これだけ描いておいて、どうして最後を放り出すかなあ、もったいないと思えるような結末だ。文春のページの都合とかなんとかあとがきに書いてあったが、漫画だから端折っても楽しく読めちゃうのだが、それにしても、もったいない。ちゃんと書き込めば、もっともっとすばらしい作品になりうるのに。漫画界の頂点をきわめちゃった人は、自分の作品が完成していようが未完成だろうが、気にならないものなのか。不思議である。子どもの頃、石森章太郎が好きで、手塚のものは、そりゃー読んだけど、石森ほど夢中になれなかった。でも高校のときに教室のなかでまわされていた「地球を呑む」だ、「火の鳥」だ、「きりひと賛歌」だというのを読んだときの感動は忘れられない。「地球を呑む」は諸般の事情でF組の(あたしはB組)授業に紛れ込んでいるときに読んで、涙が抑えられなくて、困ったのを覚えている。こうして読み直すと、ほんとにすごい。いろんなところから声をお借りしまくっている。その借り方がじつに幅広く奥深い。スターシステムもじつにおもしろい。どろろのお父さんの火袋役の男キャラ、体格が良くて目の下にまつげが生えている、あれはもともと何の役で出てきたものだろうかと、いま、検索中。「アドルフ」でチョイ役で出てきた。しかしこうなったら、読まずにきた「ブッダ」なにがなんでも読まねばなるまい。

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