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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

YouTubeと空白の数時間と「芝浜」

2011年12月04日(日)

涅槃経について検索していたはずがいつのまにかYouTubeでさんざん古い歌をききまくっており、東京ブギウギのいろんな人のカバーを聞いてたり(青江三奈と八代亜紀のデュエットがいちばんよかった)、談志の芝浜を聞いてたり、それからはっと気がつくと牛島辰熊だ木村政彦だという熊本県人を検索したりもしており、ああわたしは何をしていたんだろうという空白の数時間を過ごしたところであった。
「芝浜」は好きだ。あたしは三木助ので覚えるほど聞いた(テープを持っていたのである。それからちくま文庫の「三木助集」でなめるように読んだのである)。「芝浜」の夜明けの海の描写が「幻談」の夕暮れの海の描写とすごく似ている。今日父に電話したら「四時から談志の芝浜をやる。談志の落語ってちゃんと聞いたことないから聞いてみようと思って、マラソンみて時間つぶしてんだ」ということで、じゃーあたしも聞いとこう、父との会話のタネにしようと思ってYouTubeで探して聞いたのである。最初はおもしろいけどうっとうしいところもあった。でも批評を全面に出しながら落語やってんだなと思うと、当然だと思えてきて、そのうちはなしがどんどんリアルになっていって、ひきこまれて、よかったのだ、けっきょくは。ちょっとしつこいのは個性であろう。これに比べると三木助のは様式美だった(でも好き。様式美のほうが「語り」の本質ではあると思う)。おかみさんが二回目に起こすとこなんて、談志のは、とってもおどおどしていて、やっぱそうじゃなきゃ嘘だなあと思ったのだ。勝つぁんが最後に飲もうとするところ、昔は(子どものころ聞いたときには)たんたんときいた箇所だが、依存症のことをよーく知った今となっては、叫びたいほどどきどきする。

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