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ジェフリーの「詩人の聲」

2012年10月22日(月)

ごぶさたを。時差ボケにやられてさんざんな目にあっておるが、これだけは宣伝しないと死に切れないと思って、はいずり出てきた……。日本現代文学の守護神、ジェフリー・アングルスが「詩人の聲」をやる。やっぱり日本なので、日本語で書いた詩を読むそうだ。英語わかりませんという人も、まったくOKなのである。いつぞやジェフリーが、あたしの目の前で、日本語でつるつると詩を書いていくので、あたしも負けん気を起こし、英語で書いてみたが、ぜんぜん書けなかった。どういう能力だろう、これは。うらやましい。ジェフリー、静岡で連詩にも出席するそうだ。2010年の「くまもと連詩」では、翻訳と通訳を一手に引き受けてくれたが、今回は詩人としての参加である。で、そのあと、東京は駒込になだれこんで「詩人の聲」をぶっ千切る予定である。

第848回「詩人の聲」
ジェフリー・アングルスの回

とき: 2012年11月9日(金) 開場18:00 開演18:30
ところ: 東京平和教会 豊島区駒込1-28-8 (JR駒込駅北口徒歩1分)
おだい: 予約2700円 当日3000円
予約先:北十字舎 TEL 090-3696-7098 Fax03-5982-1834

オスロまた

2012年10月15日(月)

おとといのスピーチ、穴が入ったら入って出てこられないような出来であった。でも朗読はちゃんとできた。きのうの朗読もちゃんとできた。日本語でも伝わってる感を感じて、全力投入でできたのも、R子さんやMネくんといった日本語のわかる人々の存在もあるが、スピーチのリベンジで必死だったせいもある。
きのうの朝はまた国立ギャラリーにいった。またムンクを見た。こんなにおもしろいとは思わなかった。「病室の死」の女がまうしろに(つまりその部屋のなかの位置)立っている「インゲ 黒と紫の」のインゲだというのに気がついた。「娘と母」にも「橋の上の女の子たち」にも月がポッカリ出ていた。人々の服の緑がすばらしい。キャベツの緑もすばらしい。空の色の赤もすごくすてき。
「木霊草霊」にかきたくて丹念に植物をみておるが、さかりの、いきいきとした、目をひくものはなんにもない。これが忘れかけていた「初冬」というものだった。どんなに色づいている葉も、そういう意味の目のひきかたはしないのだ。みんな静かに、静かに、沈んでいこうとしている。木のなまえがわからないのがもどかしい。広葉の、これからどんどん落葉していく葉の、大きい木が、地面にとどくほど枝を伸ばしている。その枝をにぎってみたら、これから沈んで黙って息を潜めて数ヶ月を生きるのだという覚悟が伝わってきた。

オスロ

2012年10月14日(日)

ごぶさたを…。自己破産を申告したいくらいに忙しかった。父の家の片付けやらしめきりやら講演やらで。で、なんとか逃げ切って、今オスロです。
オスロというとこは食べ物のおいしいところだ、といったら、オスロ在住のR子さんに驚かれぬる。でもほんとに来てからというもの、毎日おいしいものを食べている。きのこのスープやノルウェイ風中華やノルウェイ風カレーやホテルの近所のカフェのクリームパンや。ビールも、文学館で売ってるIPAがすごくおいしい。ユーロいっぱい、家じゅうのをかきあつめて持ってきた。そしたら着いてみたら、ユーロじゃなかった。なんたることだ。でもカード使えるからそれでしのいでおる。きのうは午前中、朝食を買いに出たら、南アの詩人にばったりあって、どこへ行くときいたら、彫刻がいっぱいある公園をみにいくというので、ついていった。彼女(同年配)も同じような性格らしくて走るような早足で歩きつづけて、公園にたどりついたら、すごい量の裸の男女(の像)が。なんにもしらなかったので、戦争のメモリアルかなんかか、話しながら歩き回った。あとで調べたらそうではないらしい。ただ、こういうプロジェクトらしい。でもなんにもしらずに無心で見ておいてすごくよかった。彼女の朗読はとてもよかったし、雑談していてもちょー気に入った人の一人だった。午後はR子さんたちが、国立美術館につれていってくれた。やっぱりムンクすごい。岡田史子の漫画でムンクを最初に知った、16歳くらいだったと思い出した。

   
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