中沢けい公式サイト 豆畑の友
ホーム プロフィール・著作リスト 中沢けいへの100の質問 中沢けいコラム「豆の葉」 お問い合わせ
伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

テリトリー論

2011年02月28日(月)

姻戚のいた数日間、なんとなく不機嫌度があがってくすぶったみたいになっている自分に嫌気がさして、いろいろと検証してみたのだが、つまりそれは(前々からわかっていたように)自分のテリトリーに踏み込まれていることに対する反感にすぎないのだな。もっと流動的にものをとらえて、テリトリーがなんだ、いいじゃないか、貸し与えれば、いずれ返してくれるんだし、人に貸して減るもんじゃないし、と思えればいいのだが、なかなかそう思えないのは不徳の致すところである。貪も瞋も癡も、つまり各種の嫉妬も、みんなポイントはそこだ、と思ってるけどなかなか行動にはうつせないていたらく。テリトリーとは、つまり「あたしはあたしよ」ということなのであり、それについては名人と思っていたあたしだが、実はまだまだなのであった。ちなみに名曲スーダラ節でも、「わかっちゃいるけどやめられねー」の箇所はつらくて聞く気になれないが、「ほれスイスイスーダララッタ」の箇所は気が楽になって好きである。タケやニコを見ていると、自分のテリトリーによそものが踏み込むやいなや、何も躊躇もなく、がおがおがおがおと食ってかかっておる。潔い。むしろああいうものにわたしはなりたいのかも。

少佐とチケットと数寄和の朗読

2011年02月26日(土)

おとといはついしめきりに追われ、H田に誘われ、twitterでエーベルバッハ少佐のフォローをしてしまってすごく楽しい会話をした(少佐と)。H田は今日も愛憎のたっぷりこもったやりとりをしておる。あたしはしめきりも終わったし、姻戚どもが来訪により(ったって籍入れてないのになー)それどころじゃないのであった。雨が降りそうで降らない。やることがいっぱいあって、どれから手をつけていいかわかんない。とりあえずこんどの日本行きのチケットを買った。3月は高いので泣いた(いつも泣いておる)。「詩人の聲」シリーズの天童大人監督から「こんどいつ帰る、比呂美!?」と檄文のようなメールがきたので、はいっ監督、19日ですっと返信したら、「じゃー数寄和だな」ということで、西荻数寄和に19日で予定を組んでくれた。いつもぎりぎりなのにありがとう、監督。この頃しょっちゅうやってるから、お客に飽きられるんじゃ?と監督にいったら、「だいじょうぶだっっ」とまた檄文みたいなメールが返ってきた。実は朗読、おもしろすぎてやめられないのである。しょっちゅうやってるから、毎回ちがう趣向を凝らす。前回の数寄和はエッセイ特集だった。その前の三宿スターポエッツは「ラニーニャ」特集だった。こんどは何を……と考えるだけで楽しいのである。一生朗読してられるような気がする。書くのとどっちが楽しいかと聞かれると、うー、そりゃまず書く方だけど。

ごらんあれが

2011年02月24日(木)

青森から帰ってきてずっと「津軽海峡冬景色」を歌っているのは、青森で「竜飛岬」という道路標識をみたからだ。なんとipodに入っておる。なぜかというと、数年前の暮れに、母に聞かせようと演歌をいろいろあつめたからだ。その年の紅白に出た石川さゆりは、中腰になってからだを揺らしながら「天城ごえ」を歌い上げ、あたしは迫力に驚きつつその歌のエロさにへきえきしたものだ(とうぜんそれもipodに入れた)。天城ごえはまだエロすぎて歌えないが、津軽海峡冬景色なら歌える(人のいないところで)。「わずかに、かすみ、みえる、だけ」というところが気に入らない。「帰ります」の「ます」も気に入らないが、なおしようがない。(詩人の業)「ごらんあれが」はすごく好き。「上野発の」もすごく好き。閉じた音が。しかしビールと同じように、そこで飲むとうまいが、環境や気候がかわったところで飲むとおいしくない。熊本で歌うのはまだマシだった(歌いたいがために、福岡へは車で行った)が、カリフォルニアで歌うとあんまりからからに晴れあがりすぎていて、おもしろくない。遅くなりましたが、青森県立美術館のみなさん、とくにI倉さん、青森近代文学館のみなさん、ほんとうにありがとうございました。そして福岡の箱崎水族館喫茶室、F枝さん、いつもながら、ほんとにありがとうございました。朗読に来てくださったみなさん、ほんとにほんとにありがとうございました。

カリフォルニア

2011年02月23日(水)

ちょー忙しかった。あとでちゃんと書く(決意)。twitterはついついちょこちょこ書いてるのに、こっちは書いてなかった。スミマセン。例によって時差ボケでいつ起きてるのか寝てるのかわからない状態。いま、Dリンがこっちに帰ってきてるので明日の朝会う。ということは時差ボケに溺れてもいられないということだ。

東京から青森

2011年02月14日(月)

日本近代文学館と数寄和の朗読、きてくださったみなさん、文学館のみなさん、数寄和のみなさん、ほんとにありがとうございました。駒場から西荻の移動で遅れそうになってあわてふためいた(M子さんありがとう)。つか一分きらいおくれたかも。スミマセンでした。でも楽しかった。
さて、今日は太宰の疎開の家で、金木高校と五所川原高校の生徒たちをあいてに近代詩朗読のワークショップ(主催は青森現代美術館)、生徒たち、最高だった。日本の高校生、自分を表現しないなんて思っていた自分がはずかしい。ゆあーんゆよん、竹竹竹、さむいね、冬眠、いちめんのなのはな、ぞうさん、生徒たちの表現力はほんとに凄かった。みんな六花ちゃんみたいにみえた。斜陽館。ストーブ列車。ホッキ貝。貝焼き(あたしは貝好き)。すごく楽しいんだけど、思ったほど雪がふってなくて寒くないのが残念だ。大家さんにもM子にもさんざん、青森で雪ぐつを買えと言われたが、そんな必要はまったくない。ホカロンも必要ない。

漫画とココアクリーム

2011年02月10日(木)

漫画仲間のT浜さん、漫画を取りに来てくれたのはいいが、前に貸したやつを大袋で2杯も返してくれたのでまた本が読めなくなってしまった。こういう心を乱すものがなんと多いか。父が「鶴屋」の駅弁祭りの駅弁を食べたがったので、お昼に買いに行ってきた。デパートの催事場はいっぱいの人出であった。あたしは、こういうところに行くのが大っきらいということを、父はわかっていないと思う。しかし立ち寄ったコンビニで、今、執着してあつめているランチパック、黒いココアクリームと白いココアクリームが買えた。なーんでこんなものを買ってるのかなあと思いながら、買うときの不思議さよ。そればっかり食べていられないので、冷凍庫に入れてある。

で、近況

2011年02月09日(水)

ごぶさたしてました。しめきりがおわらずに移動に突入し、熊本についたのはいいが、しめきりが終わらずに、すべてを、すべてを、うっちゃり出していた。ほんとにスミマセン。きのう終わって(ご存じ「一冊の本」…今回は「法華経如来寿量品」から)はっと気がついたら、告知しなきゃいけないこと、下準備しなきゃいけないこと、相談しなきゃいけないこと、山積みであおーくなっておるので、今はがぶり寄りの気分。←つまりお相撲のニュースはちゃんと追っかけておる。こないだの万事OK、パチンコ依存の人の相談だった。だからギャンブル依存についてちゃんと勉強してみた。つまり帚木蓬生さんの本などを読んでいた。そしたら、あたしの数独はまさにコレ。借金してないだけで、まったく同じであった(ジツはうすうす気づいていた)からすっぱりやめた。あぶないとこだった。そのかわりにおとな買いした「ヴィンランド・サーガ」と「テレプシコーラ第2部」と新刊の「僕はビートルズ」を読んでいたが、これも、こればっかり読んでてほかの本が読めないので、きのう漫画仲間のT浜さんに電話して「へへへへ、おとな買いしたやつがありますぜ」とちくって取りに来てもらうことにしたところだ。これで本が読める。twitterもうっちゃったままになっておった。これからまず告知をする。問題は、ネット依存から抜け出すために、熊本の家はネットにひじょうに行きにくくなってることだ。だからネットは行かずにすんでるが、メールもできなくてこまっている(でもネット依存から生還するほうが大切だから…)。用のある人は携帯に電話ください。スミマセン。

朗読やりまくります、のお知らせ5つ

2011年02月09日(水)

青森で。
2月15日火曜日14時〜15時
青森県近代文学館「午後のリサイタル」
【場所】青森県近代文学館(青森県立図書館2階)
【お代】無料
【くわしくは】http://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/museum/event22.html#hiromi
【お問い合わせ】青森近代文学館017-739-2575
e-mail bgk@plib.pref.aomori.lg.jp

2月15日19時〜20時
青森美術館「朗読とおはなしのゆうべ」
【場所】Coffee Colors 青森ベイブリッジ店
【お代】500円(コーヒーつき)
【お問い合わせ】青森県立美術館「お出かけプロジェクト」
電話017-783-3000<お申込先・お問い合わせ先>
e-mail 青森県立美術館「お出かけプロジェクト」係 bijutsukan@pref.aomori.lg.jp



東京で。

声のライブラリー
2月12日土曜日14時〜16時
第64回「声のライブラリー」
【場所】日本近代文学館ホール 目黒区駒場4-3-55 
【お代】3000円
【出演】船曳健夫・兵藤裕巳・伊藤比呂美・樋口覚(司会)
【お問い合わせ】日本近代文学館(加藤)03-3468-4181

2月12日18時30分〜19時30分
天童大人企画「詩人の聲」
……ひるまの「声のライブラリー」が持ち時間20分、本人的にはすっごくもの足りなくて欲求不満になるはずなので、むりやり天童さんにその夜「数寄和」に都合してもらったというわけです。
【場所】数寄和 杉並区西荻北3-42-17 ツインハイツ1F 
【お代】予約2500円 当日2800円
【お問い合わせ】数寄和 03-3390-1155

福岡で。
2月19日16時
「第一回筥崎現代音楽祭」新訳般若心経を唱える
箱崎水族館喫茶室
……これは藤枝守さんに誘われて。いいですよー、やりますよーとかいったまま、なんにもくわしく聞いてないので、よく知らない。くわしくは下記にお問い合わせを。藤枝さんはわたしの「新訳般若心経」に音をつけてくれてます。なんとそれが、植物からとった音をもとにつくっているという凄い企画。
【お問い合わせ】箱崎水族館喫茶室 092-986-4134

病児とハウルとゲルの解体

2011年02月02日(水)

きのうからトメが病気。この人はもともとがぐーたらなのでここをせんどと思いっきりぐーたらしておる。やっぱり病児の世話はしてやらなくちゃいけない上に、あたしは日本行きの準備で洗濯やら冷蔵庫や冷凍庫の片づけやら植物の世話やら、つまりゲルの解体であたふたしておるが、友人Nの苦境にくらべればたいしたことじゃない。片付けの最中に「ハウルの動く城」が出て来たので、ついトメと二人で見始めてしまった。意外なところでクリスちゃんに。トメさまさまである。でもトメは、ジブリはぜったい日本語にかぎる、と目黒のサンマの殿様のようなことをいって、冷酷にもとちゅうで声を日本語にしてしまったのである。キムタクの声にくらべたらクリスちゃんの声はすごく低い。こっちのアニメは女の声も低い(でもこれは倍賞千恵子だからもともとそんなに高くない)。法華経の如来寿量品の自我偈はだいたいできたけど、どうしてもわからないところがある。鳩摩羅什訳には、サンスクリットから訳とま反対のことをいってるところがある。どのサンスクリットから訳をみても、サンスクリットから英訳をみても、鳩摩羅什とちがうのである。鳩摩羅什、いちど会ってみたい人のひとりだ。あたしは鳩摩羅什についていくしかない。それにしてもNがどうしているか気にかかる。

   
談話室 リンク集「豆の茎」 メルマガ「豆蔵通信」 サイトマップ