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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

るすをするとこうなる

2010年10月31日(日)

うちじゅうがおしっこ臭いので点検したところ、何カ所にもおしっこが垂れており、客用寝室のふとんにも毛布にもその上においてあった洗濯済みのあれこれにもおしっこがしかぶってあり(熊本弁)、何もかも洗いつくしたのである。どさくさに紛れてトメが大量の洗濯物を出してきたのでそれも。

カリフォルニア

2010年10月30日(土)

マイレージでアップグレードを試みたがいっぱいでできなかった。しかし壁前のいい席をもらったからややましであった。入国審査も今回は問題なかった。家に着いたら犬がよろこび家の中をかけまわった。イポメアはまだ生きていたし、水漬けのトラデスカンチャたちはごうごうと繁っていた。しかしこの移動をぱたりとやめたら、どんな生活になるのか想像もつかないのだ。リビングで放心していたら、トメが「おかあさん、せいせきってどういう字」ときいてきた。書いてやったら「ああわかった」という。書くのが目的じゃなくて、コンピュータに出してもらって見分けるのが目的。この頃日本の友だちとメールのやりとりをしているらしい。夜は、つれあいのしつこい洋風料理は食べたくないし、自分でつくる気もぜんぜんしないので韓国料理屋にチゲを食べに行った。

ゲルの解体

2010年10月28日(木)

きょうの昼間は、父がどこそこのたこ焼きが食べたいというので、わざわざ買いに行ってきた。父は外に出ないので、新聞や広告をみて想像することで社会を味わっているらしい。で、そこは新装開店で広告がはいっていて、この間から食べたがっていたのだ。夜は念願のすきやきに、Y山さんにいただいたチョコレートケーキ。それから「MONGOL」を見た。いちばん好きなシーン、日本語字幕は英語字幕とちょっと違っていた。助け出されたテムジンが「おれが父だ」と子どもたちに名乗ったあと(何年も幽閉されてる間に生まれた子ども)、子どもが「今のお父さんは?」と聞くのだが、ボルテが Forget him! He is the father. というのが英語。日本語では「今からこの人がお父さん」とかいう感じであった。このForget himがききたくて(というか、字幕なので読みたくて)、4回も5回も映画館に通ったのかもしれない。いっしょに見ていた父はおもしろかったのかなー、わかんないのである。帰ろうとしたら手を握った。何度も握った。で、夜半あたしはゲルの解体をしているが、単身者用ゲルなのでかんたんだ。今回は密輸品の本もそんなにない。

米寿

2010年10月28日(木)

きのうは父の米寿、ったって何にもしてない。孫たちから電話がかかってきたが、トメには「おれ、もう89だよ」といったそうで、それを聞いたS子から「それじゃ米寿じゃないじゃんね」とメールが来た。晩ご飯はすきやきにしようと言ってたのに、結局、鶴屋の静岡フェアで買った、さくらえびのかき揚げ丼と、さくらえびととろのお鮨と、うなぎの酒蒸しと、あとはノンアルコールのビールであった。父が寒いといって早く寝ちゃったので、ゆうべはDVD見たけど、つっまんない映画、見ない方がよかった。ベールが出てたのでつい借りちゃったのだ。つまらなすぎてここに書く気にもなれない。行こうとおもえば「十三人の刺客」の最終に行ける時間であったが(あたしは時代劇と西部劇が漫画のつぎのつぎくらいに好き)50分間殺戮シーンというので(でも殺戮シーンはちょー苦手)DVDになるのを持とうと思った。今日一日。あした帰る。

皮膚科とペルシャ王子と大家さん

2010年10月26日(火)

とうとう皮膚科にいったら、化粧品のかぶれじゃなくて、脂漏性湿疹というアレルギー系のものらしい。疲れ、ストレスによるんだそうだ。また出ますよと言われてお先真っ暗。この皮膚科は「とげ抜き」の冒頭に出した皮膚科の原型なのであった。でも一つ仕事を終えたので、父が食べたいと言ってた鶴屋の静岡フェアのさくらえびのかき揚げ丼を買いに行ったら(繁華街に出るのは大嫌いなのに、わざわざ行った)フェアはあしたからですと言われた。とにかくぼーっっとしたかったので、DVD屋に立ち寄って「プリンス・オブ・ペルシャ」、カリフォルニアで借りようとしたら、あのトメに「こんなバカみたいの?」と言われてやめたやつだ。実はむきむきだというジェイク・ジレンホールが見たいだけなのであった。そうぞうしすぎたが、何も考えないでよくてよかったかも。こんな日にはとてもじゃないが、「白いリボン」とか「母なる証明」とか見てられない。父はいっしょに見ていたけど感想は何にもなく、見終わったらすぐにやりかけのクロスワードパズルに取りかかっていた。
おおっ大家さんちに行ったら伝言あり。そうなんですよ、番頭さんからもご伝言いただいてました。ありがとうございます。番頭さんとTwitter というのをやってらっしゃるそうですね。それはむずかしそうですね。あたしは、facebook というのをやってます(あんまり書き込みしないけど)。以前大家さんとT島さんが来てくださったときの熊本も、12月でしたが、やたらに暑かったのを覚えています。阿蘇のカエデがすっかり焼けただれてていたのも。あついのは、今年だけじゃないのかもしれません。でもきょうは涼しいです。大阪楽しみにしています。

屋根裏部屋とアレルギー

2010年10月25日(月)

「徹子の部屋」をもじって始めた「比呂美の(屋根裏)部屋」第一回石内都の巻も、ちょーおもしろかった。CAMKのみなさん、文学隊のみなさん、来てくださったみなさん、(ひとりびとりに言いたいです)ありがとうございました。詳しくは文学隊HPへ。ネットで買った化粧品のトライアルキット、わくわくしながら使い始めたら第一目にしてかゆみが出て、(とうぜんその時点でつかうのをやめておる)でこぼこしてきて、ひろがり、かゆみも強くなり、七転八倒の状態。とうぜん化粧もできない状態。齢55でこれはつらすぎる。このごろ虫さされもひどくなっていたし、くしゃみも出ていた。全身症状である。S匠のいったとおりかも。かゆいので、飲み屋でも、おしぼりを顔にあて、おしぼりをおかわりし、また冷たいグラスを顔にあてていたのである。

橙大学

2010年10月24日(日)

橙大学、漱石の巻。いやーとてもおもしろかった。A上番頭が、一人用ソファに身を沈めて、語りたおした漱石論のかずかず、カジュアルに見えても、アプローチのしかたは、マジで研究者のそれであった。それを笑いながら聞けるというのは、なんというゼータクなことであったか。M助手の発案、運営であるが、すごい企画とおそれいりました。終わったあとI芹さん夫妻、M浦さん、M木さん、そして力を使い果たして脱力しているA上番頭と、今後の謀議。詳しくは熊本文学隊HP。

クロスワード

2010年10月23日(土)

かったるくて動きたくない。「もう年だから無理をしてはいけない」と昨夜寝てたらたたき起こされた電話で、S匠が何度も繰り返しておられた。S匠こそーというと「ぼくはこないだのアイスランド旅行でそれに気がついた」。S匠、気づくのが遅いっ。F永R子さんから米寿の父にとクロスワードパズルの本をいただいたのだが、父が封筒を捨ててしまって、お礼が書けないで困っている。すみません、F永さん、これ読んでいらしたら
http://www.k-nakazawa.com/inquiry/inquiry.html
のお問い合わせ欄を通じてメールいただけませんか? ほんとに、お手数おかけしてもうしわけありません。

熊本

2010年10月22日(金)

熊本、夜ついたが蒸し暑かった。明け方は薄ら寒かった。友人の弟の突然の訃報を聞いて感覚が麻痺しちゃった感じに驚いている。機内では「イワン・イリッチの死」を読んできた。

カノコと親子どんぶり

2010年10月20日(水)

ミルズ大学でカノコと共演。すごくおもしろかった。日本でもやりたいーーー。

マツタケと犬

2010年10月19日(火)

ゆうべはまたマツタケ。山盛り入って7ドル。マツタケご飯にマツタケの枝元揚げ(ビール入り)。まだ残ってるのであしたおつゆに入れる。しかしgoogleの画像で見るマツタケとはなんか違うような気がするのだ。3日続けて映画をみてたのだが、1晩めは「から騒ぎ」、何回みたかわからない。子どもが学校でシェイクスピアやるたびに見てるからだ。「真夏の夜の夢」を借りたかったが置いてなかった(こっちにはベールが出ている)。2晩めは「ゴーストライター」ポランスキの新作。悪意あふれる映画だった。3晩めは「白いリボン」ハネケの新作。さらに悪意あふれる、というか悪意しかないような、後味の悪い、実にいやらしい、ナスティな映画であった。アリス・ミラー著山下公子訳の「魂の殺人」を思い出した。こういうのキライ。きのう昼間買い物に行ったらペットショップの前で、犬のシェルターが養子縁組大会をやっていた。連れて帰りたい犬がいっぱいいた。トメと二人でもだえながら通り過ぎた。同居人が(今のも前のもその前のも)動物に興味のない男でよかったのかもと思えるのはこういうときだ。動物好きの男と暮らしたら、今ごろ家の中は身よりのない犬や猫やその他動物たちで足の踏み場もないであろう。

雨とオークとブナ科の木

2010年10月18日(月)

雨だ。このところ雨っぽい霧が空気中に漂いがちであったが、きょうはちゃんと何もかもがしとしと濡れておる。とかいってるうちにもうすぐ日本。その前に、しつこく宣伝しますがミルズで朗読。きのうはつれあいとカシについて言い合いをしてしまった。「どんぐりはOakにしか生らない」と断言するので、「どんぐりはカシでもシイでもナラでもクヌギでも生る」といいかえして喧嘩になった。しかしwikiによると「ヨーロッパのオークの多くは日本でナラと呼ばれる落葉樹であり、常緑の樫は南ヨーロッパ以外では稀である。明治時代の翻訳家が落葉樹のオークを樫と誤訳した例があり、現在も混同されやすい。温暖な地域に分布する常緑のオークはライヴオーク(live oak)と呼ばれる」ということで、つまりあたしが、Oakとはブナ科の木の総称であることを知らず、まさに明治時代の語訳にふりまわされていたわけで、カシ=Oak=樫=カシワのような木のイメージを勝手に持っていた、こっちの狭量さがいけなかった。ライヴオークはこのへんの原生木だ。先住民はやはりどんぐりを食べた。

イポメアとツユクサ科

2010年10月17日(日)

きのうとうとうずっと欲しかったイポメアを買いに行った。合気道の行き帰りに園芸屋で見て、ほしいなあと思っていたやつだ。値段もほぼ思ったとおりの12ドル。残念ながらこれは日なたを好む植物で家の中には置いておけない。今は家の中に吊って眺めている。明緑色と暗紫色の二色作りだ。とてもラブリー。これはあんまり保たないのを経験から知っておる。しかしイポメアは、つまりサツマイモなので、けっこう強くてだめになりかけたら地面に植えてやると、長いことがんばってくれる。こないだS子が帰ってきたとき、「なんだか家の中が緑になっている」と看破していたが、そうなのだ、ちょっとこっちに長くいると、たちまち家の中の緑は増える。前に買ったツユクサ科の寄せ植え鉢のひとつが落ちて(吊っていたものがゆるんだ)ちょんぎれた葉っぱを大量に窓際に水漬けしてある。

石内都と屋根裏対談

2010年10月15日(金)

それから対談です。
ゲストは石内都さん。
「比呂美の(屋根裏)部屋」(仮名)石内都の巻
【日時】10月24日 午後5時30分開場、午後5時45分開演
【場所】熊本市現代美術館アートロフト http://www.camk.or.jp/
【受講料】無料
【事前申し込み】不要。ただしアートロフトの構造上、収容人数に限りがあります。
【共催】熊本市現代美術館

内容としては、ふたりの出会い、「1・9・4・7」について、伊藤のヌードについて(記憶から消してありますが……)、「傷」について、おかあさまについて、ビエンナーレについて、そして「ひろしま」について、伊藤比呂美がききほぐす。石内さん、ちょうど今月のLaLaTV男子禁制のゲストでもあります。真っ白に燃え尽きてしまった3月の大連詩以来のひさしぶりの文学隊活動、ゆうれい隊員のような隊長という汚名を返上するべくがんばります。文学隊としては、前日23日に橙大学シリーズ「漱石の巻」を橙書店にて展開。そちらも合わせてどうぞよろしく。くわしくは熊本文学隊HPおよび豆畑HOMEに。

カノコ殺しをカノコと共演

2010年10月14日(木)

朗読です。
Contemporary Writers Series: Poetry by Hiromi Ito
【日時】10月19日 19:00〜20:00
【場所】Mills College(オークランド、カリフォルニア)Mills Hall Living Room

で、まあJeffrey Anglesの訳した「Kanoko Killing」から「カノコ殺し」などをやるつもりなんですけど、なんとっっ現代音楽といっしょにやろうということになっていて、相方は箏のKanoko Nishiさんです。けけけけけ。ちなみにパワーポイント操作はS子がやってくれる。なんだか家内手工業のような、家族運営の芸人一座のような、気持ち悪い企画ですが、お近くにいらっしゃる方はどうぞお気兼ねなくお立ち寄りください。予約もなんにもいりません。ただふらりと来てくださればOK、入場は無料です。ミルズ・カレッジは、動物園のようにうっそうと植物の繁る、伝統ある女子大(ベアーテ・シロタさんもここの卒業生)です。

サルナシと広背筋

2010年10月13日(水)

つねづね興味を持っていたサルナシ(マタタビ科)というもの(熊本県に自生する植物の図鑑で見たのであった)が商品化されてBaby Kiwiという名前で、1パック2ドル99で、Trader Joe'sに売っていたのである。皮に毛はなく、つるつるで、まるごと食べられ、キウィのような味で、美味であった。感動した。ニホンザルやツキノワグマと同じものをばくばく食べているのかと思うと。ゆうべは「母なる証明」を見た。しめきりおわって呆けておる。こないだTムに教わった広背筋をのばす動作、胸の前で両手を拝むみたいに合わせて、くーっと胸のまんなかに近づけるのであるが、それをやりつづけると不思議に宗教的な気分になってくる。気持ちがいいのでしょっちゅうやっている。

しめきりとベールと大家さんと腹帯

2010年10月12日(火)

きのうの宵のうちにはしめきりはほぼできていたが、発酵させようと思って、家族につきあって「レスキュードーン」を見て、しめしめ思いがけずベールを見られた、ベールはやっぱりいいという決意を新たに、またやり直した。夜半に終わってY坂さんに送ったが、その後眠れなくなってむだに朝まで起きていた。明け方いったん眠ったが8時頃起きた。吐き気と眩暈がひどいので10時頃寝て12時頃起きた。目がさめるたびに書いたものを見直したいと思って起き上がるが、いざコンピュータの前にすわると文書を開く気になれないのである。金縛りにあったような感じである。
ゆうべ大家さんちにいったら「腹帯考」が。まー、大家さんも引きずって歩いてたんですね。あたしは、古い風習って嫌いじゃないです。ああいうしちめんどくさいものが嫌いなだけなんです。あれがああいうしちめんどくさい、あたしの手に負えないものじゃなければ、たとえば鈴をつけるとか、たすきかけるとか、パンツを十枚かさねばきするとか、そんな形でも、「お祝い」のきもちはよろこんで表現したと思いますよ。ちょうちょ結びもむすべないあたしに、ただのさらしの腹帯を巻けというのが無理な話です。高校はセーラー服だったけど、そのリボン(というかネクタイのようなもの)も3年間結べませんでした(10回くらいしか着なかったんですけどね)。

しめきりとgoogleの画像

2010年10月11日(月)

こんなに悩んでいるのにこれっぽっちしか書けてないのでもんもんとしている。日本は連休らしい。Y坂さんが、連休のあいだはこっちにメールくださいといって個人用のメルアドから送ってきたけど、メールすることなんかなーーーんにもない。今日、S子が帰る。googleで、ベゴニアとかゼラニウムとか、ゲンペイカズラとか、テイカカズラとか、コマドリとか、キビタキとか、アマガエルとか、色のきれいな植物や動物の名前をいれて画像を検索するとものすごくきれいな画面になる。見ているだけで荒れはてた心がいやされるわい。

税金

2010年10月10日(日)

税金の申告が終わった。ふー。ほんとは四月なのに、毎年できなくて、10月15日までの延長手続きしてもらって、こうやってぎりぎりになる。税理士のPルさんは、実務的なおばさんの日系人という、好きなタイプ。帳簿はS子にやってもらっている。つまりあたしは能なし。

トメと大学とS子とエクササイズ

2010年10月09日(土)

トメが大学はとーーーくに行きたいと言っておる。ベイエリアとか東海岸とか。きょうはS子が帰るのでちょっとウキウキしてベッド作ったりごはん炊いたりしてたんだが、さっき電話あって友だちのとこに寄ってくるって。子どもとは出て行くばかり秋の暮れ。お。一句できた。K子はもとよりいつ会えるかぜんぜんわからないので勘定に入れてない。きょうはひさしぶりにTムのエクササイズに行って(こないだ決意した)、今しめきり中だからぜったい痛くしないでといったら軽くやってくれたけど、明日になったらぜったい痛い。十何年ぶりだけど、やはりTムも年取っていて太っていてフラビーになっているので、あたしの変化も、まあこんなもんだと思える。

白鷺宝

2010年10月08日(金)

こう胃腸の調子が悪いと生卵かけご飯以外なんにも食べる気がせず、といってここでは生卵かけご飯を食べるのは気がひける(卵のパッケージに、生で食べないでください、と書いてある)。こないだAりさんにもらった浦和名物の白鷺宝を冷凍してあったのを思い出し、それを食べたらうまいのなんのって。五臓六腑にしみわたるようであった。おととい食べたムール貝のスープは、あのときはもっと胃腸がズダボロであったから、白鷺宝の甘さよりもっと必死の形相で胃にしみこんでいったような気がする。しょっぱかったが。今はあと、名古屋の、なんといったかなあ、あれが食べたい。思い出した、二人静だ。胃腸が悪いとビールのことは考えなくなる。しめきりやんなきゃ。旅に出て帰ってきたら、しめきりにむかってはりつめていた気が弛んでしまった。

帰りの旅と空からの景色

2010年10月07日(木)

帰った。まだスミスの興奮がさめやらない。今まででいちばんおもしろかったんじゃないかしら。学生の反応も。体調はまだ万全じゃなく、一日飲まず食わずであった。昨日も夕食以外は飲まず食わずで、おとといもホテルにたどり着いて食べたもの以外は飲まず食わずであった。コヨーテとかオオカミとかを思えば、なんのことはない。帰りの飛行機の中で、仕事もせんと、ずっと下の景色の移り変わるのを見ていた。ゴージャスであった。モニュメントバレーらしきものをみた。それからソルトレイクも。と思って地図で見てみるとどうしたってソルトレイクの上をとおるわけはない。きっとあれはSalton Seaというカリフォルニアの湖(やはり塩湖)だ。モニュメントバレーなら通りそうな道筋だった。あと、バッドランドかなーというところの上も通った。ちょうど暗くなったころにSan Diegoについた。コネティカットのハートフォード空港はやたらと80歳や90歳や100歳くらいの老人の旅行者が多くて、途中で乗り換えたミネアポリス空港は肥満した人が2/3くらいいた。アメリカ社会だなーと思って眺めていた。

スミスカレッジにいる

2010年10月06日(水)

マサチューセッツのスミス大学というとこに来ておる。女子大だ。アメリカの女子大はじつにおもしろい。今日はたくさんお客が来てくれて、むんむんとした熱気で、若い女の子のエネルギーが渦まいていて、じつに楽しかった。いや、どっかのおっさんのような感想だが、ほんとに楽しかった。話しかけてくれた一人一人にいちいち感動しておった。おかげで2日前に罹患して、それ以来飲まず食わずを強いられていた変な胃腸の不具合がけろりと直った。朗読の前に、招いてくれたKバリーさん、その同僚、上司や、近所の大学の日本文学研究者のAンダさんたちとごはんを食べたが、こっちはおばさんばかりでやはりじつに楽しかった。あたしはもしかしたらものごっつい女好き(よしながふみより声をお借りしました)なのかも。Kバリーさん、Eレンさん、学生のみなさん、ありがとうございました。

朗読です。〈ご案内〉

2010年10月03日(日)

〈ご案内〉 朗読です。
天童大人プロデュース詩人の聲シリーズ第569回として。
三宿のStar Poets Gallery(世田谷区太子堂1-1-13 佐々木ビル 03-3422-3049)
11月18日6時半開場7時開演
予約ですと2500円、当日は2800円(学割あります)

数年前の三月に、それまですっかり飽き果てていた朗読を、このStar Poets Galleryでやって、会心の出来で、なんだか目ざめたのである。それ以来、上京するときはこまめに天童さん(いつもお世話になります!)に連絡を入れて場所をみつけてもらっている。それで、この頃は講演といわれても朗読したくなっちゃうし、何時間でも朗読していられるし、1時間自分の詩を朗読しつづけることに罪悪感も何も感じなくなったし(昔は、お客にわるいなーと思っていた)すっごく楽しいのである。あたしの予定はたいていぎりぎりになってからわかるので、天童さんもいつも苦労してつっこんでくれる。この頃は京橋の東京ユマニテでばっかりやっていた。ユマニテは最初、その広々としたとこにちょっとうろたえたが、この頃すっかり慣れて、なじんで、やりやすくなっていて、するとその広さがかえって声がのびのびと出せて気持ちがいいし、ギャラリーの絵もおもしろいのばかりだから共鳴する感じ(T倉さん、いつもありがとうございます)。ところが今回はひさしぶりのStar Poetsで(I村さん、よろしくお願いします)、ここの特徴は、お客と近い、場が狭い、場がおおいかぶさってくる、それでふしぎな気がうまれるとこにある。楽しみなのではやばやと宣伝します。おねだんお高いですが、絶対損はさせません。って、これ朗読の案内に聞こえませんって? 

虹と空とトリペル

2010年10月02日(土)

きのうは午後にさらに降った。散歩にいこうとして、行かれなかったくらいだ。トメを合気道に連れて行ったとき、大きくてクッキリした虹が二本もかかった。根っこまでクッキリしていた。帰りにフリーウェイをおりたら、エンシニタスの方に根っこがあるので行ってみた、近づいたらランチョサンタフェの方だとわかった、それでまた行ってみた。しかし近づいたらそれは、ラコスタキャニオンの山の方角にあった。それで帰って来た。もうそのころには暗くなり始めて虹もよく見えなくなっていた。西の空が、雲と光で、物凄かった。風と光で、というべきか。雲は刻々変わった。色は赤と黄色と青と黒だった。それも刻々変化した。うちに着く頃になると、その複雑さが薄れて、ただざあっとした雲が空をおおって、それですっかり暗くなった。帰ってつれあいに、虹の根っこを追っかけていて遅くなったといったら、虹に根っこなんてあるものか、虹とは完璧な円を描いているのだ、下が地面で消されているだけだといわれて驚いたのなんの。しかし人間の夢というものを解さない男である。虹にかまけて、行こうと思っていたKarl Straussに行きそびれた。ベルギー風トリペルは9月いっぱいであった。来年まで待たなくちゃならぬ。いや、これはビールの話。

雨とまつたけ

2010年10月01日(金)

ちょっとだけ雨が降った。外に出てみた。なんだか、ビリー・ジョーの心持ちだ。きのうはニジヤで買ってきた大安売りのまつたけ(親指くらいのが大きなパックに入って11ドル)、食いまくった。揚げて、焼いて、炒めて、ご飯で。うまかった。ちょうど某所にトリュフのことを書いていたのだ。菌の匂いを嗅げてちょうどよかった。

   
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