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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

勘違い

2008年11月30日(日)

Nちゃんはゆうべ来なかった。つーか、もともと今日来る予定だったのがあたしが昨日と思いこんだのであった。この頃こんなのばっかりで、こないだのJ西小も、前日にA上さんから、明日でしょう?といわれなければミスっていたし、昨日も、うちを出る直前にたまたま来たS村さんから、明日じゃなかったのといわれなければ気がつかないで空港で待ちぼーけしてるとこであった。あわててしらべてみたらそのとーりで、急きょT上さん、T浜さんと宴会をした。O野さんは誘わなかった。このごろ子どもといっしょにいたいといってて、土曜日の夜いきなり集合なんていうやくざな宴会に母親を連れ出しちゃいかんと思ったのである。外では長屋の連中がこの寒いのにバーベキューをしていて、誘われたが残念であった。二人を送り出したあと、バーベキューの残り火にあったまっている人がいて、誰かと思ったら鍵を忘れて入れない近所のだんなS氏で、奥さんが帰ってくるまでうちに招き入れ、残りのワイン飲みながら世間話をした。めったに話さない近所のだんななので、それはそれでおもしろかった。I牟礼さんの猫の絵はがき計画がちゃくちゃくとすすんでいる。で、Nちゃんは、今日こそ来る。

感謝祭は過ぎた

2008年11月29日(土)

きのうはっと気がついたら感謝祭(カリフォルニア日付)で、ここ十年、感謝祭をこんなふうにひとりで異境で迎えることはなかったので感慨が深い、というか淋しい。日本人のくせに何をいうかと思いながら、好きでもないターキーといつもはうんざりする食べ物の浪費がなつかしい。‥‥ターキーは、味はきらいではないのに何となくいやなのはなぜかと書きながら考えて思い当たった、そのにおいだ。薫も匂宮も、そつじながらあたしも、なんと嗅覚で生きていること。ゆうべは父とすきやき。犬が興奮していた。きょうNちゃんが来る。空港に迎えにいく。三日間いっしょである。

2008年11月27日(木)

出水の文学館、健軍のO田さんち、世安の熊日とわたりあるいてくたくた。文学隊の活動について、謀議につぐ謀議で、毎日が文化祭みたい。最後はT球堂で、こないだの書道パフォーマンスでJ野さんがかいてくれた「だからあたしね、にんげんって、情緒のね、情緒的なね」という詩(あたしの詩)を額装に出したら、うんんんんん万円ということでめだまが飛び出た(だってうちではいつも夫がそういうことやってて、うちでやるからそれはただなので)が、書と絵はちがうのでしかたがない、うれしく注文した。12月29日に帰ってきたときにはできてるそうだ。楽しみである。すごいんですよ。

出前

2008年11月26日(水)

きょうはJ西小で、T上さんとその児童たちと、詩を読んだ。それでぼろぼろになって帰ってからS子に電話し(家族は感謝祭でちりぢりになっている)親のパトロールし、K大にいって、A上さんと謀議した。くたくたに疲れて父のところに帰ったら、ケビン・コスナーの「Open Range」見てたので、いっしょに見た。これ好き。こないだ500円の著作権切れの洋画を買ってきたら、父がはまって、時代劇専門チャンネルをみずにそればかり見ているので、いろんな新作(といっても著作権は切れてない程度の旧作)を借りてきたのである。そういうわけでここのところ、父といっしょに見たのは、「望郷」「黄色いリボン」「アラバマ物語」「ロング・ライダーズ」

コート

2008年11月24日(月)

こんど真冬のドイツに行くので着るものがない。数年前にNちゃんにもらったコートを、どうしても着なければいけないときは着ているが、あれで間に合うのかどうかわからない。こないだからコート買わなくちゃと思いつつ、カリフォルニアと熊本と更年期の慢性ホットフラッシュとで買う気になれない。ウールのセーターでさえ着るのがいやなくらいだ。しかしここのところの冷え込みでやっぱ買わなくちゃ(カリフォルニアにはろくなのがない)と思っていたら、Uクロのチラシを見て、ダウンのロングジャケットというのが7900円。数年にいっぺん着るか着ないかのもののために出すには惜しくない金であると思って、行ってみた。着てみた。まるで‥‥えーと‥‥まるで‥‥何々みたいといいたいがいわないでおこう。てっとり早くいえば似合わなかったということだ。うちのそばにGャップやBナRリックなんかのアウトレットモールがあり、観光客でごった返しているが、ああいう感じ、でも客層に多様性が感じられないのがちょっと怖かった。

炸裂

2008年11月23日(日)

きのうの文学隊の書道パフォーマンスはすばらしかった。「連詩」や「五足の靴」やH野さんトーテムポールやI澤さん講演会ほど派手な企画ではない。地元の静かな穏やかな書家がちょっと炸裂するのに、文学隊が手伝っただけ。しかし炸裂した。J野さんの気は物凄かった。相撲の立ち会いのようであった。剣道の居合いのようであった。書家というより武道家であった。穏やかな中年男というより目覚めた狼男であった。それがびんびんに興奮をまきおこすことができた。来てくれたいろんな人がほんとうに感動して帰った。かかわった人々ともじっくり話すことができた。すごくよかった。
で、きょうはぐったりしている。二日酔いのようだが、二日酔いではない。ゆうべはぜんぜん飲まなかったので帰りがけ酒チェックの検問にひっかかったが、たいへん楽しく通過することができた。日本の人がみんな、飲んだらぜったい運転してはいけないと口々にあたしにいうので、不気味に思っていたのだが、こういうことだったのである。冬になって日差しがかわったので、コンピュータがよく見えなくなった。それで部屋を掃除して机を動かした。CDプレーヤーも動かした。とても快適。でも仕事する気力が出ない。そういえば、こないだipodを入れて聴く機械を買った。

巡業

2008年11月21日(金)

宇治、京都、東大阪、東京にいってきた。J聴師に帰依した。東大阪の伯母に会ったら泣けた。イトコに駅までむかえにきてもらったら、来る途中で車が事故って大破してしまった(イトコは無事だった)。湯島ではESTというバーのマスターY邊さんに感動した。いろんな人に会った。本も漫画もいろいろと仕入れた。

生卵

2008年11月13日(木)

日本に来て、いちばんいいこと(のひとつ)は、生卵かけごはんが、いつでもおいしく食べられることだな。こないだ東京でA井さんが、「こないだ熊本の好信楽で、いつものように生卵かけごはんを出してくれたが、ちょっとしゃべってるうちに、某さんがていねいに卵をかきまぜてくれた。うっと思ったが、食べてみたら、これがなんと、おいしかった」
と感動をこめて語っていたっけが、あたしもやってみた。それはそれでうまかったが、やはり二回目からは、いつもどおりかき混ぜずにのみ込む、俗に言う「蛇食い」の生卵かけごはんを食べている。ちなみに、A井さんとあたしは、ともに「よくかきまぜない」タイプの生卵かけごはん好きであり、それについて何度も語りあっている。「好信楽」はやはり馬肉の店だから、やはり馬刺しと馬おでんがおいしいのだが、オーナーのN田さんが、A井さんが生卵好きなのを知ってて、いつも出してくれるのであった。

早朝

2008年11月12日(水)

時差ボケで早くおきた。たまっていた返信メールを書いた。夜明けが泣きたくなるほどきれいだった。坪井川の河原の向こう、竜田山の向こうから陽が昇った。散歩する人と犬が土手を歩いていた。ジャパレンさんが、8時終業なのに、最終便で帰ったあたしのために8時35分まで待っていてくれた。いつも会うジャパレンのおねえさんに「伊藤さんおかえりない」といわれて、ありがたかった。LA成田間の飛行機は旧型機で映画がみられず、ひたすら「女人源氏物肩語」を読んでいた。読み始めて読み切った。「名婦の書簡」みたいでほんとにおもしろかった。Boseのヘッドフォン装着してipodききっぱなしの10時間。ipod classicは映画もみられると子どもらがいってたが、映画をどうやってそこに入れるのかわからない。

熊本

2008年11月11日(火)

むしあつい。

おつう

2008年11月10日(月)

あした早朝に出発だっちゅーのになんにも用意できてないばかりか仕事も終わってない。この仕事、一回目はやぶれかぶれであったが、二回目(今回)はもうわけわからん。どうなるんだろうと思うとすごく怖い。とりあえず機織り中のおつうさんみたいになっている。

オバマ

2008年11月05日(水)

雨だ。雨だ。雨だ。
そしてオバマが大統領になった。

冬時間

2008年11月04日(火)

土曜日から日曜日にかけて冬時間になったから、いっぱい寝られてとくした気になったけど、夕方はやばやとまっ暗になるのにはまいった。そしたらきゅうにこの秋いちばんの曇りと寒さで、セーター着ている。暑さ寒さもハロウィーンまで。っていわないってそんなこと。でもいきなり感謝祭仕様の気候になってきた。ヘンリーズ(いきつけの食料品屋、安くて新鮮でオーガニックでビタミンとかも豊富)のカボチャの飾りつけは終わって、殻つきのナッツ類が出てきた。もう少ししたら生クランベリーが出る。カボチャももう一回出る。パンプキンパイ用のカボチャマッシュかんも出る。荒れ地の公園では、トヨン(ピラカンサスやヒイラギみたいな赤い実の生る常緑の繁み)が色づいてきた。 

笹あめ

2008年11月03日(月)

ハロウィーンの夜、サウスカロライナで12歳の男の子が射殺されたそうだ。ハロウィーンの夜は、入り口の灯火が消えていれば、訪れない、が原則である。うちも例年のごとく灯火を消して息をひそめていたが、それでも戸を叩いた一群がいた。驚いたことにおとなが子どもをひきつれていた。無灯火の合図を知らないおとながいるとは。しかもうちは町中ではあっても家の立ち並ぶ一画とはいえず、隣は学校の校庭で、ぽつんと離れている。よく来るよ、こんなとこにと思ったものだ。しかしサウスカロライナで子どもを射った家の灯火は、ついていたのである。週末はミツワで全国銘菓フェアがあった。小川軒のレーズンウィッチ。それから越後の笹だんご。清の‥‥と思ったが、あめじゃなくだんごであった。家に帰ってどっち食べるときいたら、トメが「やっぱりだんごでしょう」というので、レーズンウイッチは冷凍庫へ。

山姥の火を吹き消すやハロウィーン

2008年11月02日(日)

ハロウィーンでひとけの無くなった町で、オリバー・ストーンの「W」を見てきた。館内にはけっこう人が多かった。みんな、子どもらの来襲から逃れたい民主党の人々と知れた。映画は‥‥いまいち。作りはじめたのがたぶん1、2年前だろうから、ブッシュのことが描き切れてない。ま、とうぜんである。オリバー・ストーン、何を急いだのか。現在進行中の事実や実生活を描くなら虚実ないまぜにしないとだめだが、それはたしかにやってると思うんだが、他人がやったってなあ。役者はみんなそっくりさん。でも主役以外は、なんというか、それぞれの本物の持つ存在感を出せてなかった。パウエルもライスも、外側は似てるが本物たちほど頭よさそうでない。カール・ローブ、へんてこすぎ。チェイニー、渋すぎ。ラムズフェルドは、ちょっとよかった。「シルヴァラド」の勇姿を覚えているから、そうか、年取ってこんなになっちゃったのかと。パイを大口あけて食べるシーンが印象的であった。トメは魔女の帽子と黒い羽で飾り立てて目のまわりまっくろに化粧して、口紅真っ赤に塗って、猫になった友人のSラとどこかへ行った。

ハロウィーン

2008年11月01日(土)

ハロウィーン(この日記の日付は日本時間なんですよ)。
ところがカボチャを買い忘れていたのにきのう気がついて、買おうとしたがもう売ってなかった。しょうがないから小さな普通サイズの食用っぽい赤カボチャを買ってきた。このごろスイートポテトや各種カボチャ/ウリ(英語的には各種ウリというのが正しいが、日本語の語感ではウリというとどうしても胡瓜、真桑瓜、西瓜といった水っぽいものをウリというのでカボチャと総称しようとしたがしきれなかった、つまりウリだが粉っぽいもの一般のこと)を使った秋のスープに凝っていたので、しょっちゅう買ってきてたのに、不覚である。いろんなカボチャ/ウリを味見してそれぞれの違いがわかった。赤カボチャ黄カボチャプディングにパイ。
今朝犬の散歩に行ったら、警察の車が5台停まっていて男がひとり後ろ手に縛られていて、警察官がまわりを取り囲んでいた。映画やテレビだと捕り物はおもしろいのに、実生活で見たって事情がわからないから、何の興味もわかなかった。

   
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