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伊藤製作所「豆畑支所」
   
 

野の花

2008年03月28日(金)

明日からベイエリアに3日連続でやるというカノコのパフォーマンスを見に行くので、必死になってやるべきことを片付けているが、なかなか終わらない。やっと「万事OK」の文庫のゲラ見が終わった。筑摩から出るんだけど(前のは新潮)I口さんの提案で、書き足しがいっぱいついて、書き直しもあって、「万事OK音頭」「ああ人生は万事OK」という替え歌までついている。あとの仕事は終わらないまんまで行く。早くしないと砂漠の花がおわってしまうので、今日は忙しいというのに砂漠に花を見に早朝出かけた。片道2時間強で、アンザ・ボレゴという砂漠地帯につく。途中前回の山火事のあとがすごかった。野の花は、期待したほどではなかったが(エルニーニョの年にすごいものを見すぎちゃったせいかも)去年よりはずっとよかった。Brittlebushというキク科の藪に黄色い花が満開で、砂漠が黄色かった。花期に遅れたのか早かったのか間に合ったのかわからない。帰りはジュリアンで、ジュリアン名物アップルパイを購入。野生のターキーを見た。

文学隊の危機

2008年03月27日(木)

B場さん異動。これは‥‥いたい。しかしへこたれません。

荒れ地

2008年03月26日(水)

隣の荒れ地は野の花がいっぱい。夕方はしぼんでしまうアカバナ科の黄色い花がすごい。もう10年間、荒れ地の春の花を見てきた。ドイツに行く予定をたてていたが、夫の予定との調整に失敗した。Iメラさんに電話して、諸事うまくいかなかったことを謝る。もう10年間、同じ理由でいろんな仕事を断ってきた。バカバカしい。

苦労話とグチと雑草

2008年03月25日(火)

友人Dリンドの苦労話を聞きつつ、ラホヤ(地名)の歯医者に連れて行き、帰り、夫と口論し、むかつき、水やりをし、雑草を取り、トメを叱り、犬を叱り、友人Gルが来たのでお茶しつつ、グチをこぼした。Dリンドが、友人のドイツ語の作家(名前は忘れた)が、数年前に70代前半でアルツハイマーを宣告され、先週の水曜日に安楽死を選択したという話をした。庭にクレオメを植えて、一か月ほど前にはいろんなものが出てきたが、どれが芽なのかわからなかったので、とりあえずぜんぶ保護しておいたら、どれもこれもオオアレチノギクの幼株にそっくりになってきた。カリフォルニアポピーは数個だけ花をつけ、フリージアは満開、カモミールはわさわさ繁っている。でもクレオメらしいものはない。雑草の間にイラクサがあり、このあいだつい抜いててのひらがひどく腫れて痛んだ。何日も痛みはつづいた。

ハプニング

2008年03月24日(月)

きのうはサンタアナだったようだ。日差しが強いの強くないの、でも湿度は低いから、粘膜や毛穴や、目や鼻の穴がひかひかに乾いて、息ができなくなっちゃったような感じで、熊本の夏場と比べたら、悪意のこもったイヤラシサ(熊本の夏が、悪意がこもってないとは、また言い難い。あれはあれで、悪意だらけの気もするけど、なんというか、あんまり蒸し暑くて、熊本の暑さほんにんがワケわかんなくなっちゃってる感じである。サンタアナは、サンタアナほんにんは、とっても冷静でひとの苦しみをただ見つめている‥‥)。
夕方からLAのリトルトーキョーのまん前にあるMuseumOfComtemporaryArtでアラン・カプローの大回顧展のオープニング。あたしが運転して行き帰り。帰りなんて飛ばしまくったので一時間半で着いた。行きはまだ明るくて、野山はいちめんのオキザリスとカリフォルニアポピーとマリーゴールドいちめんのオキザリスとカリフォルニアポピーとマリーゴールドいちめんのオキザリスとカリフォルニアポピーとマリーゴールド。帰りにリトルトーキョーの日本食屋でたいへんつまらないものを食べた。あんなもん食べるくらいなら菓子パンでもかじってた方がまだましじゃ。ハプニングというものはたいへん脆弱であると感じた。

仕事がんばる

2008年03月22日(土)

カリフォルニアの自宅の仕事用コンピュータは調子が悪くて、ここの書き込みがうまくできない。かなり古いのに無理矢理OSXを入れて使ってるせいもあるのかも。帰ってきてから時差ボケにもまれながら、だからこそ夜中や明け方のみんな寝ている時間に仕事ができて、井上雄彦対談の手入れをし(これはSwitchから出る)、漫画論をかき(熊日の「ごくまん」という漫画コラムと、井上対談本のための井上雄彦論)、「女の絶望(仮題)」(「宝石」に連載していた「よろづ指南いたしマス」)を直しまくっている。日本で、一か月、朝食用のオムレツと、冷凍餃子と冷凍うどん、小松菜の煮浸し(好物)を作るしか料理しなかった反動か、帰ってきてから、東京で食べたフレンチの「鶏の悪魔風赤ワインとラズベリーソース」の再現にはまった。二回作ったら家族に飽きられた。でもうまかった。バナナブレッドも作った。うまかった。「バンビーノ」で出てきたアスパラのリゾットは得意料理なので作りたいが、まだキカイがない。まず「Heaven? 」だ。それから「バンビーノ」って、なんのこっちゃ、食べ物の話か漫画の話か。一連のフレンチ、イタリアンがおわったら、「昨日何たべた?」的な食べ物にとりかかる。
東京の三宿のStar Poets Galleryでやった朗読、数年ぶり(かもっと)のいい出来だった。こういう朗読がいつもできるとたのしいけど、たいていダレて、飽きて、テキストとばし読みしちゃったりする(お客が日本語わからなかったりするととくに)からいけないのである‥‥。

人生の灯火

2008年03月21日(金)

H田から連絡がない。人生の灯火が消えたよう‥‥。

時差ぼけ

2008年03月20日(木)

いつものことですが。

カリフォルニアに帰った

2008年03月19日(水)

疲れ果てて妖怪の顔になっている。

東京

2008年03月15日(土)

東京で咳こんで死ぬかも。

あした出発

2008年03月14日(金)

ゆうべは夕方町に出て、市現代美術館で、M井さんの写真を見せてもらい、日比野克彦展をのぞき、楽器屋で鳴り物を買い、「バンビーノ」の6巻と7巻を買い、日航ホテルで東京からのA井さんと謀議し、M井さんと会い、そのあと好信楽で、A井さんM井さんB場さんK下さんA上さんK木さんT澤さんM脇さんS田さんT中さん、小さなテーブルをかこんで、謀議につぐ謀議。好信楽の新開発のレタスのおでんが、ばかにうまかった。ワインいっぱい飲んじゃった。
きょうは残りの洗濯と残りの郵便局と獣医に頼んでおいた薬を取りにいくことと荷造り、病院、掃除、その他である。
読みたかったのは7巻だった。圧巻である。野上しゃんの「うまそうだね」にいたるまでの楳図ふうの絵といままでの食べ物うんちく漫画になかった動き、アアアアという背景。
風邪で死ぬかも。

メモ

2008年03月13日(木)

忙しい。獣医。洗車(ふつうはしないが、さすがに黄砂がひどくてジャパレンさんに返せない)。銀行。郵便局。病院。黒猫。電話。風邪。‥‥うう、山村暮鳥の詩みたい。
きのう、母は、家に帰ってきてすぐ「おとうさん、しとりで寂しかったでしょ」といった。それにたいして父は「あんただって、一人で寂しかっただろ」といった。ふたりで向かい合って、言い合っていた。
父が母のことをいうのに、二回「おふくろが」といった。一瞬とまどって、それがあたしの母、彼の妻のことをいってるのだとわかった。あたしが「おかあさんが」というから、ひきずられてるのかも。しかし今まで一度たりともひきずられたことはないわけだし、この呼称は父の母、つまりあたしの祖母を呼ぶときにしか使われなかったものだし、たいへん気持ちが悪いのである。いってる本人は気づいてるかどうかわからない。
きのうからいきなり「バンビーノ」にはまりまくり。前から気になっていたのをやっとおとな買いする気になったら、イイのである。昔の、はじまった頃の「蒼天航路」や「日露戦争物語」のような力がある。絵は‥‥うまいのかうまくないのかわからない。パワフルだけど。よしながふみの絵が、へたそうでなかなかうまいのだということがわかってきた。

母帰る

2008年03月12日(水)

母が10時から3時までの外出。介護タクシー使って、車椅子(「リアル」に出てくるみたいんじゃなく、寝そべった形の、ストレッチャーにかぎりなく近いもの)で、下の世話はヘルパーさんが来てくれて。父はゆうべ楽しみのあまりよく寝られず、朝は8時ごろから「起きてるかい」とうちに電話してきた。母が帰ってまずタバコを一服。それから伯母に電話してしゃべった。ついで叔母1と電話。それから叔母2と電話。便通あってヘルパーさんたちが来て処理。マゴ2マゴ3と電話。おすしとコロッケとビールと紅ほっぺ(新種の極甘いちご)とはるか(新種の柑橘類)。濃い甘いコーヒーとチョコレート。ヘルパーさんの買ってきてくれたみたらし団子。このへんで父は疲れはてて寝てしまった。マゴ1から電話。3時に介護タクシーからお迎え。「あー楽しかった」といって帰った。

風邪ひいた

2008年03月11日(火)

やはり52歳が眠眠打破を片手に、食うや食わず寝るや寝らんず(文法的にはどうかと思うが、リズム的にはやっぱりこうであろう)の、修羅場の漫画家のような生活をするのは無理であった。ぼろぼろ。顔もひかひか。喉はしりしり。諸関節はみしみし。春まっただ中に一瞬なったが、きょうはすでに初夏のように暖かい。

郷愁

2008年03月10日(月)

きのうは熊大のA上ゼミで、A上さんとかけあいでなんかしゃべったが、そのあとA上さんちで学生たちとぎょうざをごちそうになった。A上さんはむかし、あたしがN氏と結婚して熊本に住んでいた頃、学生だった人たちと同年配である。学生たちは、今も昔も同じくらいの年である。あのころ、あたしたちは若く、あたしたちの家は大学の裏で徒歩三分で、しょっちゅう学生たちがごはんを食べにきていた。きのうのA上さんちはまさにそんなふうであった。

トルストイと景戒

2008年03月09日(日)

このごろカノコにすすめられてトルストイの宗教ものにはまっている。それからロシア生協、おいこら、ロシア正教の巡礼の本も。景戒さんの仏教ものは昔からの愛読書だし。夫と電話でケンカしても、かーっとして売り言葉に買いまくるのはいつもどーり、売りまくるのもいつもどーり、出物腫れ物ところきらわずというのはあたしの座右の銘であるから、言わずにおれない。しかしそのあとの立ち直りがめっきりと早い。あーしょうがない、そういうこともあろう、だれが悪いのでもないとたちどころに許せる。トルストイと景戒のおかげでどんどん心と性格が清浄になっていくかもしれない。H田にも、Nちゃんにも、M子にも、すすめたし。みんなにすすめたし。カノコにすすめられて、というところがちょいと疑わしいが。
昨夜は女友達があつまって酒とスイーツの宴会であった。

老人

2008年03月08日(土)

うちの父(85際)は歩くのも覚束ないパーキンソン病のかなり進行した老人で、みかけもよぼよぼ、着ているものはユニクロとマゴたちのおくってくる大学の名前入りのスエットシャツ。
先日、「なにか食べたいものは?」といったら「中国製の冷凍ギョウザ」という。冗談いってんのかと思っていたが、きのう冷凍食品半額セールで冷凍ギョウザ買って帰ったら、とても喜び、「テレビであれだけやってるから、どうしても、うまそうだなあ、食べたいなあと思っちゃうんだよなあ」と。つまりほんとに食べたかったらしい。
行きつけの病院はリハビリ内科病院だが、けっきょくは老人専門病院の様相を呈していて、生若い医師が、もっとずっと若かったときから、老人たちの生き死に、といいたいが、死を、植物のように緩慢な死を、見届けている。入院している緩慢な病状の人ばかりなので、外来はすぐ医者に会える。で、これも先日、主治医の診察を待っていたら「先生は今、処置のさいちゅうで少し遅れます」ということで、「伊藤さん、すこしお待ちになっていただいていいでしょうか?」と看護師さんにいわれて、そくざに「やだ」。
そのあとひさしぶりに同じ病院の三階に入院している母を見舞い(このごろは自分のからだのほうがきついらしくて、ぜんぜん母にあいにいこうとしない。母の誕生日にもいかずじまいで、自分でも気がとがめたらしく「バラの花、一本、ばあさんに買っていって」)看護師さんから「ひさしぶりですねー」といわれて、「あなたの美しい顔を見られなくて‥‥」。
翌日は歯科の診療を受けたが(週に三回、同じ病院内に歯医者が来る。若い女の医者で父のお気に入り)、「チョコレートのたべすぎとタバコの吸い過ぎ‥‥でもあれは(チョコレート)やめられない‥‥」と渋くつぶやきつつ、先生に「成人式はすみましたか?」
あんまり呆れて、おとうさん、女にはいうこと考えてあるの? ときくと、「いや、顔をみてると出てくるんだ」
きのう、オバマとクリントンの話をしていたら「もしアメリカの選挙権もってたらクリントンにいれたい」というから「どうして?」ときくと「かわいくてきれい」
85の老人にとっては60のクリントンは、若くてきれいなだけでなく、とってもかわいく見えるのである。

すごく暖かい

2008年03月07日(金)

I上小学校に近代詩の出前。5年生50人に中也や朔太郎や暮鳥の朗読をさせた。子どもキライなんです、じつは。3人もうんどいて何をいうか、とよくいわれる。でもなんか子どもとしゃべるのがかったるくて。子どものやかましいのは気にならないんだけど(だから3人もうめたし、うちはいつも子どもだらけ)。ところが今日はおもしろかった。子どもはすなおでノリがいい。ひとりひとりの表現が型にはまってない。型にはまった子ははまった子で、はまりかたがういういしい。

きょうは暖かい

2008年03月06日(木)

暖かいが部屋の中は寒い。

ああああああ

2008年03月05日(水)

いつものことですが。月経じゃないよ。

メジロと黄砂

2008年03月03日(月)

ヒイラギの木にメジロが二羽来て、赤い実をついばんでいった。

黄砂で何もかもが靄っていて、雨で何もかもが泥々になっている。

「ひなまつり」と漫画と「けころ」

2008年03月02日(日)

ゆうべはE藤さんちでひなまつりパーティー。ちらしずし。鯛のおさしみ。ひじき。ふわふわ卵のかき卵汁。お茶にうぐいすもち。あした忙しいししめきりあるしといいつつ長居しちゃった。水島酒店ですすめられた日本酒「泰斗」の新酒がばかにうまかった。
今日は、気分一新のため、漫画を仕入れにいった。欲しかったのは佐々木倫子の「Heaven? 」の6巻だったが、多少古い漫画なので、近所になくて、かわりといっちゃなんだが、よしながふみの「きのう何たべた?」と「こどもの体温」を。「きのう何たべた?」っていえば、なんか昔、E元Nちゃんといっしょに出した本がそんなようなタイトルだったような‥‥記憶があるのだが。はて?
車の中でずっと「お直し」、志ん朝のをきいてるけれども、「蹴転」に客が入ってきてしゃべってるけれども、あれはいったいセックスはしたのだろうか。とずっと考えている。しなけりゃ「蹴転」じゃないだろうが、してるように聞こえない。志ん生のも同じく。セックスしないとこだったのか? 

ため息

2008年03月01日(土)

つまんないのである。

   
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