こはだの新子と鯵
2005年08月01日(月)
こはだというお魚がいます。お正月にはおおきなものを酢漬けにしたものを売っています。で、まだ小さいのを「新子」といいます。築地のおすし屋さんで、この新子の握りを食べるのが楽しみです。
どういうわけだか、東京よりほかの土地では新子の握りを見たことがありません。藤沢、大船は例外。神奈川県ですが、まあ、東京のようなものです。東京の握りはこぶりですが、新子は小さいので一匹ではそのにぎりでさえ不足です。二匹がちょこんと白いごはんの上に乗っています。ままかりとも違って、ああ、東京湾のおすしだなあと思います。
今の季節は鯵に蛸。どちらもたくさん採れます。鯵は脂がのっていておいしい季節です。「ひかりもの」なんて言い方もあります。鯵のおすしもいいですが、酢で閉めた鯵と茗荷それに新生姜に紫蘇で、冷たいスパゲッティを作りました。で、ふっと子どもの時には鯵の煮付けを食べていたのを思い出しました。新子はあまり家庭で食べないのですが、鯵はたくさん取れたのでいろんな漁料理にしていました。
映画にお芝居
2005年07月31日(日)
渋谷のユーロスペースで上映されている「いつか読書する日」で、最終上映のあとでトークショーがあると知って出かけました。トークショーは緒方監督、香川昭之、保坂和志というメンバーです。で、ユーロスペースで編集者のKさんとばったり。どちらもひとりで来ていたので、映画を見てトークショーを聞いて、それからワインをちょっと飲んでと、ここまではまあまあですが、そのあと新宿に回りました。
新宿では青山真治さんとばったり。で青山さんが文化庁の某官僚となぜか口論になったそうで、私は口論の現場にはいなかったのですが、そのあと、気分が悪いという青山さんと店を変えてよもやま話をしていたら、朝になっていました。
で、それが一昨日のことで、昨日は歌舞伎座で芝居を見る約束をしていたので、朝帰りのぼんやりした頭でまた銀座へ。蜷川幸雄演出のシュークスピア「十二夜」歌舞伎場バージョンを見てきました。鏡をたくさん使った豪華の舞台装置のなかを美しい衣装のお小姓やお姫様が動き回るというお芝居で、なんだかどこまでが夢でどこまでが現実だかわかんないという見方をしてました。
そういうわけでぼんやりしてます。とほほ。
上下二巻本が欲しい
2005年07月29日(金)
ここ2、3年の間に本が巨大化しているのにお気づきの方はいるでしょうか?以前なら上下二巻本あるは上中下の3巻本で出版されたような本が、一冊に纏められて出る傾向が顕著になってます。昔々の電話帳のような巨大な本です。出版の事情がだんだん厳しくなって2巻本や3巻本を出せなくなっているのです。
できたら、分冊にしてもらえると持ち歩きも楽だし、内容を理解するためにも、整理が付きやすいのですが、そいうい贅沢はいえないようです。サイモン・シャーマの「風景と記憶」の場合、ページ数は738ページ。いや、本の厚さ(ツカ)が6センチと言ったほうがいかに厚いか解ってもらえると思います。しかも本文は二段組です。
私は現在の「再販制度」と「委託販売制」で作られている書籍の流通システムには疑問符を持っていますが、かといって自由価格にしろという意見にも賛成しかねるのです。にんじんや大根は日々、その値段は市場での取引で変化しますが、値幅の動きにはおのずと限度があります。本の場合、変化の値幅の動きはにんじんや大根の比ではありません。今のところ、古書の値段は下がっていますから、そう言ってもあまり気にならないかもしれませんが、これが上がりだしたら、とんでもない値段になることもありえるのです。
これだけ物品があふれている世の中で、本の装丁はだんだん貧しくなっています。それだけではなしに、在庫も乏しくなっているので、数年前に出版された本が新刊では入手できなくなっています。文庫とか新書で安く本が手に入るというのは一見良いことに見えますが、数年前から文庫や新書は本の著者にとっては、「ダンピング」に近いような現象を起こしています。そして文庫や新書でさえ、店頭からすぐに消えてしまうというのが現実です。こういう現実について少し考えてみて欲しいです。こうした現象はこれからまだまだ続くでしょう。
結果として本はたいへん高価なものになってしまうことになるのではないでしょうか?発行部数が少なくて単価が高ければ、いずれ古書市場で、定価以上の値段がつき、それでも入手困難ということになるのは目に見えているのです。
うさぎの葬式
2005年07月28日(木)
「楽隊のうさぎ」は文庫本にするときに解りやすい拍表紙がいいということで、吹奏楽の絵になりました。単行本は満開のさくらの木の下で、うさぎの嫁入りとうさぎの葬式の行列が出会って、川の渡し守がどっちから先に渡そうか悩んでいるところです。
この本の表紙は気に入ってくれている人が多いのですが、うさぎの嫁入りには気付いても、うさぎの葬式に気付いている人はあまりいません。よくみると画面の右側の行列には棺おけが描かれています。昔の桶のかたちをした棺おけです。花嫁衣裳は目についても、桶型の棺おけはもう知らない人もいるかもしれません。
この絵はすごく気に入っていて、自分で所有したいなあと思った絵です。実物は杉板に描かれているかなり大きな絵です。絵を眺めていると、満開のさくらのしたにいるような気分になります。
6カ国協議
2005年07月27日(水)
北京で北朝鮮を巡る6カ国協議が始まっています。日本の新聞、テレビは拉致問題がはずされることをしきりに報じていますが、今度は今までにない緊張感が漂っています。この緊張感を最初に感じたのはアセアン会議に出席した小泉首相のコメントでした。あまり冴えない顔でコメントしていました。
おそらく、今度の6カ国協議が決裂すればアメリカの武力行使を考えているに違いないのです。朝鮮半島で武力行使した場合に直接の影響を受けないのはアメリカだけで、ロシアも中国も韓国も日本も直接の影響を受けます。それでもアメリカは決意すればやるでしょう。首相の冴えないコメントはそのあたりに原因があるのではないでしょうか?アセアン以降、韓国からも中国からもそうじた事態を避けようとするニュアンスのコメントが出ています。
なにがなんでも纏めると、そういう緊張感が中国、韓国、ロシアにあるのです。そのあたりのニュアンスをもうちょっと報道して欲しいのですが……。
報道にもの足りなさを感じます。拉致問題も重要なことは間違いないのですが、どうもそれに視点が固定されすぎてしまう傾向があるように思えます。北朝鮮問題とは別ですが、イラクのサマワもだいぶ緊張が高くなっている様子で、こちらも日本にとってはかなり面倒な事態に進んでいるように見えます。
今日は一日台風
2005年07月26日(火)
日大の院生の皆さんとフィールド・ワークに出る予定でしたが、今日は中止。一日、台風と付き合って過ごすことになりそうです。南海で出来たままの台風が産地直送(笑)家の窓から見ていると東から西へ吹いていた風が南から北へ変わる様子を白い雨脚の動きで眺めることができます。(9:00)
お昼のニュースでは暴風圏が消えてしまってました。なんだかちょっとがっかり。なんてね。無事がなによりですが、ごうごうって吹く風の音てなんだかおもしろいです。やはり関東近海は海の水の温度が低いのでしょうか?今年は海水面が上昇しているので、まだ高潮には用心がいります。外は白い雨。(13:33)
産地直送の台風のおかげで南の湿っぽい風が雨と一緒に吹き込んできました。で、今夜はなぜかタイジャブ。一時、東京でもタイシャブとかタイスキとか言って流行してました。ナンプラーとライムにレモンでお野菜やさつま揚げ、お豆腐それにお肉などをスープにさっとくぐらせて食べるとさっぱりしていておいしいです。 台風のほうはなんとなく過ぎましたが、ずいぶん雨が降ったので、これから増水などの被害もあるかもしれません。(20:10)
バンヤン、台風7号のアジア名はそう呼ぶのだそうですが、20時頃、千葉県の鴨川に上陸したそうです。ちょっと掠めたとかお立ち寄りとか、そんな感じでしょうか?それにしてもここのところ千葉は地震の震源に台風の上陸で賑やかなこと。(20:49)
いやあ、今日(27日)は暑くなりそうです。バンヤンは北海道沖まで行ってしましました。こんな進路の台風は珍しかったです。(27日 9:00)
なんとかバトンってのが
2005年07月25日(月)
なんとかバトンとかい言うのが流行っているみたいです。太平洋プロジェクトさんはブック・バトンってのをやっていたし、豆蔵さんはミュージック・バトンってのをやっていてかつ、次のようなコメントをしてました。
「5.バトンを渡す5人 よし、渡そう。 ・未卯 ・patoriot ・歌羽深空 ・カナ ・左右田紗葵 あぁでも、未卯→左右田さんというラインがありそうだな。
・じゃあ、中沢先生、お願いします。
でも中沢先生は「わからん!」って投げそうなので。 だれがいいかなぁ。 よし、アナトーさんにしよう。 (その前に、ここを見ているかどうかが謎ですが)」
どうも幾つかの質問に答えてから、同じ質問を5人に回すというのがルールみたいです。これってチェーン・メールなのかな?でも質問に答えるところがおもしろそう!で質問はいかのようなものでした。
1.パソコンに入ってる音楽ファイルの容量 2.今聞いている曲 3.最後に買ったCD 4.よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
確かになあ、豆蔵さんの言うとおり1については息子に聞かなくちゃ解らないし、2はこの頃、人と共同の仕事が多くて、一人でいるときは音楽を聴きたくないし(カラオケのやりすぎだって)で3は伊福辺昭吹奏楽作品集ってのをアマゾン・コムで5月に買ったんだけど、まだ聞く閑がないままになってます。伊福辺昭は「ゴジラ」のテーマ音楽の作曲家といえばなんとなくあれかって思う人が多いのではないでしょうか? で、4なのだけど、この最後に買ったCDを聞いてからじゃなくちゃ答えられない。ま、だいたい豆蔵さんの言うとおりでしたね。
次にまわす5人だけど、これも無責任でいいのなら
1、柳川寧々さん 2、井上絵未さん 3、やさぐれプーさん 4、とのくんの友人さん 5、九十九里の和さん
ってな感じかしら?
ねえ、豆蔵さん、これでいいの?それから「ショッチュウ、お見舞いできないいですけど」そろそろ「豆蔵通信」を出しませんか?
地震のあとは台風ですって
2005年07月24日(日)
どうも台風7号が接近して来るようです。いや、このまま行くと今年最初の上陸する台風になりそうな様相です。やれやれ、地震のあとは台風。次から次へとよくもと、いささか呆れた感じです。
京都の唐紙、唐長の文様を眺めてました。とくに用事があるけれでもないのですが。江戸時代から伝わる版木が600枚もあるそうです。そのうち50枚ほどは桐の柄だということです。兎模様もあります。「後ろ向き兎」というのが、私のお気に入り。
現代の建物はビルト・アンド・クラッシュが多いのですが、考えてみると日本の建築はお城や寺社のような特別なものは除外すると、地震に台風、それに火災で、ずっとビルト・アンド・クラッシュが自然に続いてきたようなものです。壊して建てる。建てては壊す。でも美しい。そしてリサイクルができる。そういう建物を作らせたら日本はすごく旨いのではないでしょうか?
「木と紙で出来た家」という言葉は日本の建築を揶揄する時に使われていましたが、木と紙の家なら地震でつぶされても大怪我で済むかもしれないし、火事になってもすぐに逃げ出せるし、台風で壊されてもまた建てればいいのですから、そんな家ができないかなって思っています。100年も200年も住める民家もすてきですが、もっと軽やかな家に住むのも悪くないなあと、地震だの台風の時に夢想している私はよほどのんきな性格なのでしょうか?
皆さん ご無事でしょうか?
2005年07月23日(土)
すごい地震がありました。埼玉県南部は震度5弱というので、スタッフ・ルームのほうに豆蔵さんが「無事ですか?」とコメントを入れてくれました。いやあ、怖い怖い。6月にも品川あたりが震源の地震があったように記憶してますが、今度は千葉県でした。ここのところ関東南部でもけっこう地震が続きます。地下鉄に乗っているときなどに地震にあいたくないですね。テロも怖いけど、地震ばかりは・・・。
昨夜はおいしいシャンパンを飲みました。イタリアのフェラーリが作っているシャンパンです。で、今日はぼうっとしていたらぐらぐらと揺れて、そのうち、本の山がどっと崩れだして、ああ、これは大きいなあと、で最初にしたのはテレビを付けました。大相撲中継だったんですけど。おかげさまで無事でした。
今夜、世界は騒がしい
2005年07月22日(金)
ロンドンでまた爆発がありました。連動しているのかどうかわかりませんが、イラクでもひどい自爆テロがあったと伝えられています。2週間前のロンドンの爆発事件の時にもイラクで大規模な自爆テロがありました。
今回のロンドンの爆発は小規模だと伝えられていますが、たとえ小規模でも、忘れた頃にまた爆発があるというのはロンドン市民にとっていやなものでしょう。
人間は「忘れること」ができるから安心して生きてられる動物なのですから。これまでの数々の厄災を全部、忘れることなく記憶していたら、きっと怖くて生きてられないはずです。それを忘れさせない作戦だとしたら、こんないやなテロはありません。沢山の負傷者や死者がでる大規模なテロよりも、全てのロンドン市民とロンドンを訪れる人々が、不安を抱えた状態になってしまうのですから。まだ今夜のところではテロなのかどうかはわかりませんが・・・。
今夜、中国は元の切り上げに踏み切りました。2パーセントですから、たいしたことはないのですが、これは始まりに過ぎないのでしょう。将来的には10パーセントを超える切り下げが行われるでしょう。問題はその速度です。案外、早いのではないでしょうか?それでどうなるのかっていうのはやはり人の頭(専門家)を利用したいところです。
日本でも固定相場から現現在の変動相場に移行するときには狂乱物価などのインフレに悩んだ時期がありました。中国ではいったい何が起こるのでしょうか?人の数が多く、沿海部と内陸部の経済格差が大きいので、日本以上の不安定要素がありそうです。日本の歴史と中国の歴史を睨み合わせて見てみると、中国が揺れるときには日本も揺れるのですから。
もし元の切り下げが順調に進めば、これまで以上に中国からの留学生や観光客が増えることは間違いありません。そうなって欲しいと思います。
それにしても世界は騒がしいです。これからもっと騒がしくなるような予感がします。
(22日AM10:00 追記)ロンドンの爆発はやはりテロでした。ブレア首相も心理作戦と見ている談話をだしています。 中国は通貨バスケット制を採用したということです。元の切り上げはアメリカの圧力が強かったのですが、それがドルの地位の下落を招くという皮肉な結果を生みそうです。
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