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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

秋山郷

2006年01月11日(水)

 数日前から大雪のために孤立している秋山郷は鈴木牧之の「北越雪譜」の中にも登場してきま。明和7年(1770年)生まれの鈴木牧之は糸の商人ですが、俳諧をよくして、そこに出てくる雪と越後の雪があまりに違う様子なので随筆「北越雪譜」を書いたそうです。この随筆は良く読まれると同時に、随筆ブームを起こして、以後、気候や風俗を描く随筆が次々と出版されたということです。

 また稿本のまま出版されなかった「秋山紀行」はまさに今、豪雪のために孤立している秋山郷を描いたものです。岩波文庫の「北越雪譜」の増田勝実の解説を読みかえしていたら、この「豪雪」という言葉は戦後にジャーナリズムが作った言葉で、それが定着ものだそいうです。自然の脅威。それを限られた字数で表すために工夫した言葉でしょう。小学生の時、日本は世界有数の豪雪地帯を持っていると教わりました。

へんな組み合わせ

2006年01月10日(火)

 アンチー・ミン「マダム毛沢東」(集英社刊)とジョン・アービング「第四の手」と「コンフォルト」増刊「日本の間取り」というへんてこな組み合わせで本を読んでます。どうも頭はまだお休みモード。しなければいけない仕事は放り出したまま。本を読んでは居眠りをするという生活。

 毛沢東夫人の青江は四人組裁判の時の強烈な強気の姿勢が目に焼きついています。アンチー・ミンはその青江が指揮した革命劇の主役に抜擢された女優で、今はアメリカに亡命しています。青江の伝記ではなく小説。小説だから心境が書かれていて、これは想像するよりほかに仕方のないものなので、青江の伝記よりも、小説という表現手段のほうが適切なところがありそうです。

 ジョン・アービングの「第四の手」は「ガープの世界」の発端の父親バージョンみたいな感じと言ったらまずいでしょうか?まだ読み終わっていないのですが、一人の男が世界の傍観者から、世界の一部分になってゆくプロセスを描く物語。主人公の男がテレビマンというところが、アービングらしいも象徴性の持たせ方です。

 「日本の間取り」は日本の間取りというものが、いかに近代の生活意識を変え、家族関係を変化させ、個人の捉え方を変えたかを具体的に住宅の間取りから考えているところがなまじの小説を読むよりもおもしろく読んでいます。

 自分でもへんな組み合わせだと感じますが、何か共通項があるようで、この三冊をぐるぐる回りながらちょこっとづつ読んでいます。

 深夜の東京の雪が降り出しました。午前3時。目が覚める頃、たぶん午前9時頃だろうけれども、あたりは白く染まった世界になっているかもしれません。ニュースには20年ぶりの寒波とか30年ぶりの豪雪による自衛隊出動なんて文字が見えますが、うちの娘や息子は赤ちゃんの頃の記憶はないので、生まれて初めての寒さです。

お正月は終わり

2006年01月09日(月)

 明日、あずきのお粥を食べて、お正月は終わり。松飾も取れます。三学期っていうのは寒くて学校に行くのがいやな季節でした。で、学校の時間割というのが苦手だったことを思い出しました。

 時々、家族から「異常」な集中力と言われます。そう言うと聞こえがいいかもしれませんが、ともかく集中して原稿を書いたり本を読んだりすると、まったく外界で何が起きているのか解らなくなちゃったりします。で、そんなばかみたいな集中力がどのくらい続くかというと6時間が限界みたいです。さすがにお腹が減るしトイレにも行きたくなるしで、そのあとはただぼうっとしてしまいます。家族が「異常」な集中力というのは、このふぬけ状態をさしているのです。正確に言えば異常な集中力を発揮したあとの「ぬけがら現象」です。

 学校に時間割というのは、そういうことにならないように適度に学習して適度に休みという形になっています。小学生の時からあれが嫌い。細切れに何かをやらされるのが嫌で嫌で仕方がありませんでした。

 ところが、どうしたことがこの頃、細切れ型になってきているのです。ちょっと原稿を書いて、ちょっと本を読んで、ちょっと書類を書くという感じ。小学校入学から40年目にしたようやく学校型時間割になれてきたのでしょうか?それとも単なる老化による集中力の低下かしら?

大芋煮会

2006年01月08日(日)

 ゼミ生が集まって我が家で芋煮会をしました。正直、3LDKの我が家に20名ちかいゼミ生がよく入ったなと、言い出した私が驚いています。これじゃあ、芋煮じゃなくて「芋の子を洗う会だぁ」という陰口さえ聞こえてきそうですが、全員が入っただけでもすごい!という感じです。

 豪雪の東北のお住まいの皆さんは今頃、芋煮?家のなかで?外でやらなくちゃ芋煮じゃないよというかもしれませんが、もともとはゼミの時に芋煮の話題が出て、まったく知らないという人もいたので、それではどんなものか作っていようということになったのが始まりです。最初は戸外のつもりだったのですが、日暮れまでの時間が短いし、もし雪でも降ったら、芋煮どころじゃないというので、家の中で味だけ試そうということになりました。ほんとうはお天気の良い秋の日に川原などで、楽しむものだそうです。冬が長いから、秋の日を惜しむ気持ちもあるのでしょう。

 豚肉お味噌味、牛肉醤油味(これは私がレシピを誤解していて、よく聞いてみるとすきやきみたいな味に煮付けるのだそうです)牛肉味噌味と三種の芋煮を作ってみました。10キロ以上のサトイモを消費しました。つまりみんな食べてしまったということ。前日にサトイモの皮むきの手伝いに来てくれたゼミ生が、こんなにたくさんのサトイモの皮をむくのは一生にこれが一度きりかもしれませんなんて言ってました。

 で七草。最後は七草粥を締めくくり。もう食べられないという人にも無理やり七草粥を食べさしてしまいました。薄いお粥だったんです。3合のお米を20人ぶんのお粥に炊いたのですから。でもお粥も大量に作ると小人数分よりもずっとおいしい。料理って量がまとまって出てくる味があるのです。

 そいうわけで大芋煮会。お手伝いいただいたゼミ生の皆さん、どうもありがとう。春になったら、発作的お花見会をぜひしましょう。

台湾キャラバンノートを書く

2006年01月06日(金)

 台湾キャラバンノートを書きました。というか、なんだか二日かがりになってしまいました。原因は三つ。ひとつは、家の者が「古畑任三郎」をビデオに録画していて、それぞれに別の時間に見ていたので、ついつい引っかかってしまったこと。もうひとつは、あまりにも気候が変わってしまって、この寒さのおかげで台湾のことがよく思い出せなかったため。今日は家の中にいても寒くて、西洋のおばあさんみたいにショールをしています。気候が変わると文章ってうまくノッテいけないことがあります。

 三つ目はなんだいろんな仕事が押し寄せてきて、ええと終わったことを考えるのがひどく億劫になっているという理由。三つ目は深刻な感じがします。忘れっぽくなるっていうのは、結局、余裕がないってことなのかなあと思ったりする暇さえ欠いているというのは、なんだか私だけではない気がするのです。世の中全体がそんな感じで「忘れる」ために働いているんじゃないのかな?って疑りたくなる時があります。

 ともあれ台湾キャラバンノートを豆蔵さんのところに送ってあります。豆蔵さんアップをよろしく!

新年の東京

2006年01月04日(水)

 2日の雨は小雨程度で止みました。3日は夕方からカレッタ汐留の47階「ビーチェ」で知り合いとささやかな新年会。隅田川にかかる永代橋や築地市場、レインボーブリッジの夜景を眺めながら食事をしました。羽田には離発着の飛行機がひっきりなしでした。とは言え、さすがに新年で、まだ休みの会社の多く、東京の夜景もいつもよりも少し静かに見えました。

 帰りのタクシーでなぜかブランド好きの運転手さんの車に乗り合わせました。「タクシーの運転手なのにブランド好きはおかしいでしょ」といささか自嘲ぎみでしたが、子どもがなくて共働きだと、かなり贅沢ができるみたいです。で、お正月が終わったらハワイの伯父さんのところに遊びに行くと言ってました。奥さんも一緒にでかけたいのだけれども、会社勤めなので、長期の休暇がとれないという理由で、二泊くらいで台北や香港にでかけるみたいです。で、ブランド好きになったというわけ。タクシーの去年あたりからまた稼げるようになって来たので、そのうち個人タクシーを開業したいと言ってました。

 明かりがぴかぴか光る東京にはずいぶんいろんな価値観の人がいるもんです。お天気は曇りだけれども、総じて静かで穏やかなお正月です。その東京も今日は仕事始めです。

東京は雨が降り出しました

2006年01月02日(月)

 スタッフ・ルームに遊びにくるやさぐれちゃんが実家の雪の様子を知らせてくれました。

「実家はまだ雪が積もってます。本降りになることはありませんが、この時期にこれだけ降るのはやはり稀だそうです。電車で帰省する道中は、宇都宮あたりから雪が見られました。しかし雪国で一番恐ろしいのは、積雪もそうですが、日中晴れて雪が溶け、夜に道路がつるつるに凍るという現象。見ているだけなら雪ってすごくきれいなのですが(^ェ^;)星空は相変わらずとても綺麗です!!!」

 東北はどこも大雪の様子です。しばらく雨が降らなかった東京も午後になって雨が降り出しました。冷えているので、雪になるかもしれません。

 喉をやられる風邪をひいてぜいぜいしていましたが、この雨で落着くでしょう。お正月になって冬眠モードにスイッチが入ってしまったのか。ずっと寝ています。自分でも驚くほどたくさん寝てしまいました。

謹賀新年

2006年01月01日(日)

 あけましておめどとうございます。今年が皆様にとりまして良い年になりますことをご祈念いたします。

 今年、卒業を予定されている皆さん、卒業製作のお進み具合いかがでしょうか?卒論提出日まで残りわずかです。がんばりましょう。

なぜか奇跡的な追い上げを

2005年12月31日(土)

 今、台所で娘と息子が奇跡的な追い上げで大掃除をやっています。ただしうち中みんな腹ペコ。いったいいつになったら台所が使えるようになるのやら。ただ今、21時49分。昨日のうちにやってくれたら申し分のな子どもたちなのですが……。

 というわけで今年も終わり。なんだか、よく解んない年でした。今までで一番、原稿を書いていません。しばらく原稿を書かないでいて、年末に追い上げで小説を一本書いたら、なんでこんなにエネルギーを消耗するんだと、我ながら呆れてしまいました。慣れの問題もあってしばらく休んだあとにいつも、「ひやあ」って思うのですけれどもねえ。

 皆さん、どうぞ、良いお年をお迎え下さい。

CMソングとともに

2005年12月30日(金)

 生まれたときからテレビがあったというテレビっ子世代ではありませんが、でもCMソングと一緒に成長してきたことは間違いありません。テレビが最初に家に入ってきたのは5歳の時でした。祖父母の家で使っていた中古のモノクロテレビをもらってきたのです。

 そのせいか、肝心な時になるとなぜかCMソングが頭の中に流れます。今年も残すところあと2日。流れているCMソングは
「きれいになってもしょうがない、
 なっちゃたんならしょうがない」
 というものです。でもこのCMはどんな商品のCMなのか覚えていません。美容体操をしているお姉さんのそばで、小学生くらいの女の子がかったるそうに歌っています。今年の大掃除の心境はこのCMソングみたいな感じ。なんとなくあきらめぎみで、がんばろうという気にもならないけれども、だらだらやっていると少しきれいになって「きれいになっちゃたんならしょうがない」でもう少しやろうかなという気になるといったところです。

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