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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

ぴゅっと行ってぴゅっと帰ってきました。

2006年03月01日(水)

 ぴゅっと行ってぴゅって帰ってきました。八甲田山のふもとにある蔦温泉にです。八戸からバスが出ています。去年の11月15日に雪が降り出して、3ヶ月間ずっと雪が降り続いていたそうです。その雪もようやく峠を越したようです。到着した夜は大雨。ざんざんざんざんと降っていました。「ここ数日お天気もだいぶ暖かでした」ということで、雪もやや溶けたそうでした。

 が、翌日、目が覚めてみるとさらさらの粉雪が降っていました。さらにその粉雪を「雨返し」の風がさあっと吹き上げてあたりが真っ白になる場面もありました。これだけの雪が溶けて水になって地下にしみ込み、これがまた温泉になって噴出してくるのです。蔦温泉は源泉の上に湯船が出来ていて、さらさらの透明なお湯が常時湧き出しています。あたりの山には水をたくさん蓄えているというブナの木の林があります。雪が水にかわり、水が温泉になったり、ブナの木の中を巡ったりといろいろに姿を変えるのです。

 冬眠してきました。温泉に入って、地表に積もった粉雪が吹き上げられるのを見ていると、なぜか眠くなってこっくりこっくりしてしまいます。八甲田山の山のなかではそろそろクマが冬眠から目を覚ます頃なのかもしれません。

もうすぐ春です

2006年02月27日(月)

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 知り合いから仲良くピアノを弾くクマちゃんの写真を頂戴しました。お宅にはクマ部屋があるのだそうです。そう言えば鎌倉の大仏次郎邸には猫の置物だらけの猫部屋がありました。

イラクからの撤退

2006年02月26日(日)

 読売新聞は自衛隊のイラクからの撤退が決まったことを書いています。3月に英国と足並みをそろえて撤退準備に入り、5月にイラク国内からクエートに撤退し、7月に帰国という流れになりそうです。ただし、物資輸送を担っている航空自衛隊は残留して任務遂行するということでした。アメリカは自衛隊の一部でもイラクに残ることを希望していたそうですが、結局、英国も日本はイラクからの撤退を了承したとのことでした。

 国会ではライブドア堀江メールを巡る混乱の収拾がつかないうちに、こういうことは決まってしまうようです。こんな状態だと議会は必要ないということになりはしないでしょうか?政府があればそれで充分というような感じになって行かなければいいのですが……。民主党は政府を追及して政権交代を図るということにとらわれすぎているように見えます。追求のための追求というような姿勢が今度のようなばかばかしい騒ぎを引き起こしているような気がしてなりません。政権交代は「目的」ではなくて「結果」なのではないでしょうか?

 いずれにしても自衛隊の主力部隊が無事帰国することは喜ばしいおとです。しかし。野党にはイラク戦争の意義についてはもっと厳しく政府与党を追及して欲しいと思います。大量破壊兵器保持というアメリカのイラク攻撃の理由は、間違いが多かったことになぜ気がつけなかったのか?あるいはイラク民主化という見通しをなぜ誤ることになったのか?自衛隊を派遣した当時よりもイラクを含むイスラム圏での緊張はなぜ高まっているのか。などなど政府見解をただすべき事柄はたくさんあります。

エンジョイという表現

2006年02月25日(土)

 フランスの高校生くらいが読む哲学の入門書を読んでいるうちに「エンジョイ」という単語の意味を改めて思い出しました。「楽しむ」というこの単語、オリンピック選手がよく使っています。そして、国の代表なんだから「楽しむ」だけじゃ困るなんて意見を耳にします。「遊びに行ってるんじゃないんだぞ」というわけですが、「楽しむ」つまり「エンジョイ」にはもっと神聖な意味があります。神の降臨が「エンジョイ」なのです。日本の選手がそういう意味で「楽しむ」を使っているかどうかは解らないのですが、たぶん、国際大会に出場しているような選手は「エンジョイ」というに相応しい実際の場面を目にしていることでしょうし、インタビューを受けた選手が「エンジョイ」と発音するのを聞いていることでしょう。

 フィギュアスケートの荒川選手のスピンの様子をスローモーションでみたら、なんと素敵な微笑を浮かべているではありませか。つまりこれが「エンジョイ」なんだなと思いました。たぶん、私などは一生「エンジョイ」を体感する瞬間はないかもしれないと思います。ただ単語を知っている、その意味を知っているに過ぎないのかもしれないのです。もっとも「エンジョイ」はそうした華やかな場面だけに訪れるのもではなくて、深く安らいでいる時にも「エンジョイ」と言う瞬間はありますから、そっちなら誰にでも等しく得られる機会はありそうです。よく小説のリアリティを論議する場合に「血肉になった言葉を使っているかどうかだ」なんて言いますが、絶対に血肉にはならない言葉だってたくさんあるんだなあと、フィギュアスケートの演技を見ながら、そう考えました。ただ想像することしかできない言葉というものをたくさん持っているのも楽しいものです。「エンジョイ」のおすそ分けに預かる楽しさです。

電線地中化工事

2006年02月23日(木)

 家のそばの国道で電線地中化工事をやっています。そのために銀杏並木の銀杏を短く切って、仮の場所に移植しています。工事が終われば銀杏の木も戻ってくるはずなのですが。でも、電線を地中化してもあまりすっきりした街並みになったなあという感じはしません。都市計画で、この国道は周囲を鉄筋コンクリートの建物で覆うことになっています。大地震のときに防火壁になるはずなのだそうです。だから、色も形もさまざまなビルだらけで電線を地中化しても景観はそう変わらないのです。さらに大地震の時に鉄筋コンクリートの建物が防火壁になると言われてもあまり信じられません。ビルが倒れないという前提の計画ですが、耐震偽装問題を考えれば、不信感があっても当然だと思います。

 昨年、エゴの木が白い花を咲かせていた雑木林は間引きの伐採が行われています。斜面の上に何か、たぶんマンションでしょうけれどもが立つのだそうです。もう今年はエゴの木は咲きません。間引きされてしまいました。そういえば、家の近くでもヒューザーがマンションを建てようとしていた土地があるのだそうですが、手放して別の業者さんが入るみたいです。

 電線地中化工事の現場には街並みが美しくなりますという看板がたっていますが、なにかちぐはぐで、信じられません。やらないよりもやったほうがいい工事ですが、もうちょっと早くにやってくれれば、その効果は何倍もあったような気がします。

バスタイム

2006年02月22日(水)

 なんだか無駄使いしたい気分。ネットの占いでは金運低下の予想。でも無駄使いしたいってのは春風とはいえないまでも春めいてきたせいでしょうか?(また地理音痴の友だちから電話がかかってきて「だから妄想なのよ」って言われそうな気もしますが)

 バスバブルを買いました。ぶくぶく泡がでる入浴剤。子どもの時、映画を見ていて泡だらけのお風呂に入っているのが羨ましかった。もう何度も試してそんなに気持ちの良いもんじゃないって解っているんですけどね。

横浜美術館

2006年02月21日(火)

「そいれで、蔦温泉から帰ってきたら」
「あ、ちょっと待って、携帯の電源がきれちゃう」
プチッ。
家電が鳴る。
「それでなんだけ?」
「蔦温泉から帰ってきたらって話でしょ」
「そうそう、帰ってきたら横浜美術館へ長谷川潔展を見に行くの。泊りがけで」
「だって横浜ってちかいじゃん」
「近くても泊まるの。ニューグランドホテルの本館をちゃんと予約したもん」
「それって絶対、妄想だよ!忙しすぎて、遊びに行きたぁいっていう妄想がふくらんじゃっただよ。」
「でも、ちゃんと予約したもん」
「だから、それが妄想なの。きっと熱があるんだよ。体温計ある?計ってごらん」
 でも、青森が小田急線沿線にあるって思っている人に言われたくないなあ。

つた温泉に行くことにした

2006年02月20日(月)

「どこに行くんだって?」
「だから蔦温泉」
「それってどこ?」
「十和田の奥のほう、八甲田山の中腹」
「それって東京からどのくらいかかる」
「たぶん、午後の仕事が終わってからじゃあ電車はないよ。新幹線で八戸まで行かなくちゃいけないんだから」
「え、青森なの?新幹線なの?小田急じゃないの?」
「箱根湯本じゃないんだから」
 地理音痴のともだちと上記のような会話を交わしました。どうも東京で午後の仕事を終えてから遊びに来る気になっていたらしい。
「それでいつ行くの?」
「来週」
「ひとりで行くの?何をするの?」
「ひとりでお風呂で寝てくる」
「お風呂で寝るの?」
「うん。お風呂場にお湯が流れていて、寝ていると背中がぽかぽか気持ちがいいの」
 真冬の蔦温泉なんか誰もいないと思っていましたが、そうでもないのです。この間、乳頭温泉で雪崩がありましたけども、あのときも客さんはけっこういました。
「ねえ、疲れてない?」
「うん、ちょっとくたびれているんだけど」
「温泉に行くっていう妄想だけで予約しちゃったんだ」
「妄想じゃないよ。ちゃんと予約したんだから」
「箱根湯本にしたら、そしたら小田急で行けるよ」
「やだ。だって八戸で烏賊買ってくるんだもん」

キャンデロロとストイコ

2006年02月19日(日)

 札幌で冬季オリンピックが開かれた時、ジャネット・リンという女子選手がいました。札幌の恋人とか氷の恋人なんて呼ばれて、オリンピックのあとはなにかのCMにも出ていたような気がします。フィギアスケートというものがあるのを知ったのはこのオリンピックが最初でした。それ以来、オリンピックの時だけのフィギアスケートファンです。オリンピックだけじゃなくて世界選手権とかNHK杯なんかも見たんのですが、雑事に取り紛れて、忘れてしまうのです。新聞のコラムで、ジャネット・リンのことを書いたものをいくつか見つけましたが、きっとコラムを書いた記者も小学生の時にテレビでじっと見ていたのではないでしょうか?ジャネット・リンを直接に取材したなんて記者はとっくの昔に定年退職を迎えているはずです。

 長野オリンピックではカナダのストイコ、フランスのキャンデロロの男子選手がおもしろくて忘れられません。このときはフランスからスルヤ・ボナリーという黒人でバック転が得意な選手も出場してました。日本で開催されたというだけでなく、上位選手が個性的な大会だったと思います。ジャンプの王様と言われたストイコはオリンピックチャンピオンにこそなりませんでしたが、世界チャンピオンには何度もなっています。身長170センチ。がっちりした体格。顔が大きく見える。長野の時は足を痛めていたのにもかかわらず2位でした。

 人気の点ではキャンデロロに勝る人はいないでしょう。昨日、ネットでキャンデロロの長野でのプログラム「ダルタニアン」の動画が入られるアドレスを知って、ついつい何度も見てしまいました。ストレートラインステップはフェンシングの動きが前後の直線だけで、左右の動きはないことを利用して、実際に剣で戦っているような雰囲気を見事に出していました。これだけでも頭の良い振り付けだと思うのですが、極めつけはジャンプに多少失敗しても観客は「ダルタニアン危うし!」という心境になって、会場が沸き返るのです。もちろん採点としては減点の対象になるのでしょうけれども、あの頃はまだジャッジの心象による採点でしたから、お客さんが大喜びをすれば、それだけ減点も少なくなる可能性がなきにしもあらずでした。

ああ、あったかい。

2006年02月18日(土)

 窓の外をお日様が通り過ぎて行きます。東の空に上ったお日様が西の空まで行く途中で、ちょうど、窓の外を通り過ぎるようなコースを通るのが今頃の季節です。
 
 あったかい。あったかい。風は冷たいのだけれども、陽の光はもうずいぶんあったかくなっています。インフルエンザが相当にはやっているようで、昨日、息子が病院に行ったら「もう検査薬がありません」ということでした。そこで診断は「たぶん、インフルエンザ」昨日、全身の関節が猛烈に痛み出したそうです。

 そのおかげで朝の6時に起こされて、ついでに男子のフィギュアスケートの中継を見てしまいました。ちょっと思ったんだけど、美形だとかそうでないとか、いろいろ言うけれども、結局、人間の顔って表情で見え方が決まる要素ってかなりあるんだなってことです。土台があんまりめちゃくちゃじゃ、そうは行かないかもしれなけど、目と口と鼻があれば、あとは表情で、決まるって言ってもいいかもしれない。いや、高橋選手のことじゃなくて、いろんな国のいろんな選手の顔を見ていてそう思ったのだけれども、こういう国際大会で日本の選手は昔に比べると自然な表情をするようになったし、東洋人の表情としてきれいになったなあと見とれてました。
 東洋人じゃなくてカナダ人だけど、がっちりした体格で顔ででかかったストイコ選手が見たいなあ。

 それにしてもあったかい。あったかい。

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