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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

ひともじのぐるぐる

2004年11月20日(土)

 熊本に行ってきました。詩人の伊藤比呂美さんのご紹介で熊本近代文学館で、シンポジウム形式の講演会に参加してきました。

 で、熊本で食べたのが「ひともじのぐるぐる」なんと言っても名前が気にいってしまいました。ひともじは細いねぎのことです。昔の女房言葉でねぎのことをひともじと言いました。それが熊本には残っているのかもしれません。伊藤さんの話では、熊本では細くて青いねぎが主流で、最近になって関東でみるような白い部分が多いねぎも出回るようになったとのことでした。

 ぐるぐるは、そのまま青いくて細いねぎをぐるぐる巻いてあるのです。ぐるぐる巻いてから茹でるのか、それとも茹でてからぐるぐる巻くのかが解らないのですが、これがおいしい。とりあえず、茹でてからぐるぐる巻いてみました。すると、なんだか、それっぽい味になりました。もっとも、九州のひともじは関東で出回っている万能ねぎよりも、ずっとやわからいのでぐるぐる巻いてもおいしいのでしょう。包丁の通りが優しい感じでした。

 酢味噌で食べます。お魚の刺身や蛸や烏賊の茹でたものを添えてもおいしいです。新発見でした。

穏やかな日

2004年11月09日(火)

 今年の秋は穏やかは日が数えるほどしかなかった気がします。こんな年もあるのですね。

 イラクではファルージャの総攻撃が始まっていますが、これは2、3日で収まるような局地的な戦闘ではなさそうに思えます。

 アラファト議長の危篤が伝えられた時に、アメリカで原油価格が値下がりしたのは、これでテロがなくなるという判断からだったと伝えられています。にわかには信じがたい判断でした。もし、そうした判断から原油価格が値下がりしたのだとしたら、アメリカの人文科学は想像以上の水準の低下を起こしているとしか思えません。そうした傾向は、イラク戦争開戦前後から見受けられたものでした。

 穏やかな日を楽しめるに楽しんでおこうかなという気になるのは、全体の不穏な空気もためでしょうか?

 ここ数日、関東の平地でも紅葉が広がりました。

言えないことがあると

2004年11月06日(土)

 プロ野球のパ・リーグ再編問題は新球団を楽天が作ることで決着したわけではないとささやかれていましたが、今朝の日経新聞はコクドが西武ライオンズの売却先を探していることを報じています。これより先にダイエーホークスも売却先を探しているわけですがら、今年のストーブリーグは凄いことになりそうです。

 パ・リーグだけではありません。昨晩、東京証券取引所は日本テレビを管理ポストに移しました。西武と同じ理由で、株式取引のもとになる資料に「虚偽」記載があったとこが理由です。これも、読売巨人軍には打撃になるような事件にまで発展するのでしょうか?

 日経新聞の記事のニュアンスを読むとどこの企業でも多少はやってきた株の社内保持を、市場の正当なルールに戻そうとするのが、このたびの動きのようです。告発される側から見れば、突然のルールの厳格化ということになるでしょう。

 プロ野球の再編問題は最初から奥歯にものが挟まったようなもどかしさや、わけの解らなさがありましたが、その裏には言えないことがいっぱいあったということでしょう。奥歯にものが挟まったような感じというのは「言えないこと」があるときに出てくる感覚なのです。

アメリカ大統領選挙で詩人の伊藤比呂美さんが

2004年11月04日(木)

 カルフォルニアにお住まいの詩人の伊藤比呂美さんがメールを下さいました。アメリカ大統領選挙でブッシュが勝利して、伊藤さんの周りでは「こうなったらcivil Warしかないね」なんて冗談が飛んでいるそうです。前の時みたいに南北にきっちり分けられないから、そうもいかないかと言いながら、目は笑っていないということでした。

 アメリカが四分五裂。今度は南北東西戦争なんてことはないでしょうけどね。そういう想像力も働くほど、現在のアメリカにちょっと不穏な雰囲気は感じます。リベラル(進歩派)もコンサバティブ(保守派)もいずれも妙に急進的で、どうかすると狂信的なところがあるのがアメリカに見えます。

 リベラルはほんと一挙に人間の自由を王国を作ろうとするし、コンサバティブは明日にも神の理想の国を目の前に出現させようとするようなところがあるという気配は、9・11以前からありました。

 

うさトラ!うさトラ!!うさトラ!!!

2004年11月03日(水)

 新聞を見ていたら、今夜、吹奏楽コンクールの全国大会のドキュメンタリーが放送されるのを見つけました。7時から9時まで日本テレビで放送されます。
 吹奏楽のコンクールをテレビで見られるなんて、ちょっと意外な感じがしましたが、楽しみです。

 中学生の吹奏楽部の様子を描いた「楽隊のうさぎ」では全国大会が開かれる東京高井戸の普門館も取材させてもらいました。大型の円筒形の建物です。そのロールケーキが垂直に立ったような姿は道路からもよく目立ちます。

 「楽隊のうさぎ」の続編として書いた「うさぎとトランペット」を略して「うさトラ」と呼んだのは我が家の娘でした。この呼び方はすっかり定着してしまい今ではいろんな人が「うさトラ」と呼んでいます。12月に新潮社から刊行されます。

 「うさトラ」は早く大人になった小学校5年生のみきちゃんとゆっくり大人になってゆく宇佐子ちゃんが吹奏楽の社会人バンドのメンバーと仲良しになって行く物語です。早く大人になった女の子とゆっくり大人になった女の子の二人を描き分けるのは楽しい仕事でした。もちろん、「楽隊のうさぎ」に登場した花の木中学の吹奏楽部のメンバーも登場します。

 コンクールの結果を目標にするのは中学生、高校生ですが、社会人はコンクールの結果よりも何よりも音楽が「好き」という気持ちが前に出るように思えます。そういうところが自然な感じで描けたらなあと思っていました。さてさて、原稿は入稿できましたが、これから校正で最終チェックに入ります。実はまだ直したいとろこが幾つもあるのです。

フランス万歳

2004年11月01日(月)

 夜来の雨が上がって、天皇賞。昨日は東京映画祭の最終日に行こうかそれとも天皇賞に行こうか迷っていたのですが、結局、東京競馬場のほうを選択。

 雨は上がりましたが、馬場の芝はたっぷり水を含んで、「やや重」の表示でした。馬場内へ入って芝に座ると、土の匂いと芝の匂いがしてました。お尻はけっこう冷たかった。この広々とした場所の草の匂いが嗅ぎたかったんだなあと自分の選択の理由をちょっと納得。昨年から改装工事が進んでいる東京競馬場の内装はなぜか一昔前のパチンコ屋さんみたいにぎらぎらしていました。あんまり好きにあれないなあ。

 さて、天皇賞ですが、アメリカの大統領選挙が近いのでサクラプレジデントとリンカーンなんて組み合わせがあるかなあとなんてバカな予想をして遊んでました。

 結果はペリエ騎手騎乗のゼンノロブロイとルメール騎手騎乗のダンスインザムードが一着、二着で、フランス万歳でした。

東京秋天

2004年10月29日(金)

 歌人の石井辰彦さんから新しい歌集を頂戴しました。「全人類が老いた夜」(書肆山田刊)です。

 厄災について酒場で酔客が語り合ふ。
           九月の晴れた夜に

 空港も未来も封鎖。
      だって、全人類一気に老ゆる夜、だぜ

 2001年9月11日は、私は日中のシンポジウム開催のため、北京にいました。アメリカの同時多発テロのことを知ったのは翌日の朝食の時でした。私はホテルの部屋で高いびきでしたが、同行者の中上紀さんは一晩中、テレビの前で、英語のニュースを他の人々のために翻訳していたそうです。
 北京はその日、夏の名残の暑さでかんかん照りでした。北京秋天と言われる爽やかな秋はまだまだ先という感じでした。このとき、リアルタイムの報道が少ないと批判を受けた新華社通信はイラク戦争では、現地からの報道を大幅に増やしました。今日も新華社通信はイラクで東洋人の男性の遺体が発見されたことをいち早く伝えています。発見された遺体がイラクで人質になっている日本人男性のものかどうかはまだ確認中だそうです。

 中上紀さんからは荒木経惟さんとのコラボレーション「再びのソウル『記憶』」(アートン刊)が届きました。

 今日の東京は北京秋天ならぬ東京秋天で、気持ちのよう晴れです。一週間前には台風の通り過ぎたあとのべたべたした蒸し暑さに悩まされていたのが嘘みたいにもう秋の終わりの気配です。

災害に関する関心

2004年10月26日(火)

 今度の中越地震はなぜか一般的な関心が薄いように思われるのは私だけでしょうか?死亡者の数がそれほどでもないので、大きな被害とは感じられていないのか?それともここのところ全国各地で災害続きのために人のことどころではないのか?いずれにしても、これから大急ぎで雪の振る冬に備えなければならないのは難儀なことです。

 

千小谷といえば

2004年10月25日(月)

 新潟で海に注ぐ信濃川を船でさかのぼって行けるのは千小谷あたりまでだったそうです。江戸時代の話ですが、その頃の船というのはどのくらいの大きさだったのでしょうか?
 
 千小谷では、信濃川をさかのぼって来た船に反物を乗せて出荷したそうです。雪でさらす縮みや上布の産地として有名です。隣の十日町もまた反物の産地です。世界でも有数の豪雪地帯であるところから、こうした布地を作る産業が発展しました。

 今では魚沼産のこしひかりと言えば、もっとも高級なお米ですし、「八海山」や「久保田」などの地酒の産地としても知られてます。お酒の名前にもなっている八海山はそろそろ初冠雪を観測する頃です。こうした地域での地震の被害は都市とはまた違った困難に直面することになります。被災地の皆さんが、少しでも早く落ち着けるようにお祈りしています。

 我が家も土曜日から余震があるたびにゆらりゆらりと揺れています。地震の振動があの硬い地面を伝わってきているのだと思うと、ふだんは信用している大地もなんだか心細いものに思えてきます。

地震に台風でも「うさトラ」

2004年10月24日(日)

 ここ数日「楽隊のうさぎ」の続編の「うさぎとトランペット」の手直しに没頭していました。通称「うさトラ」。長いタイトルなので短くしてそう呼んでいたらなんだか「うさトラ」のほうがタイトルとしていいような気がしてきてしまいました。おかげさまでなんとか手直し原稿がすべて印刷所に入りそうです。

 さてさて、またまた地震に台風。台風24号は台湾の方向にそれてしまうのかと思いきや、また日本の方向に引き返してきました。沖縄タイムス社の友利さんからも先日の23号はちょっと凄かったというメールをいただきました。台風になれている沖縄でも驚くようなモーレツさだったのですね。

 地震の時は、山の上ホテルで「本とコンピュター」の対談を済ませて駿河台下の焼き鳥屋にいました。あ、地震だ、これはけっこう大きいなあと、天井の電気が揺れるのを眺めていました。収まったと思ったらまた揺れだして、どこかに大きな被害を受けたところがありそうだなと同行者と顔を見合わせました。建物の外の通りに出て様子を見ている人もけっこういました。地震だ火を消せといいますが、焼き鳥屋の炭火ではどうしたものか?こんなに揺れるのに焼き鳥を注文してもいいものか?少し悩んでいるところに新幹線が脱線したというニュースが入ってきました。けが人はないと言うので、ちょっと安心。

 それにしても地震のがけ崩れや山崩れはすごいですね。台風24号がそれてくれるといいのですが。

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