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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

神田小川町

2011年12月28日(水)

 テレビをぼうっと見てました。今年のニュースを振り返るNHKと、テレビ朝日の原発事故検証番組。ああ、なんだか3月11日よりも前の2011年はなかったことになっているみたいな感じがしました。実感としても今年は長かったような、短かったような、2ヶ月くらい足りないような、時間感覚が自他ともにゆらいでいるみたいな感じがします。

 池袋に買物へ行くつもりが、笹巻きのけぬきすしが食べたくなって丸の内線で淡路町まで出ました。須田町、淡路町、小川町と駿河台下からはそう遠くない街ですが、明治大学へ行っていたころは、明大通りを挟んで東側はなんとなく馴染みがありませんでした。ちょうど中央大学が八王子に引っ越した頃、明治に通っていましたが、まだ引っ越したばかりだったので、明大通りの東側は中央大学の勢力圏みたいな感じというか、思い込みみたいなものがありました。あとから考えてみると神保町というのは神田のはずれで、ちょっと神田とは雰囲気の違う街だったのだなあと、歩いていて納得。

 28日をさかいに神田界隈は、ひっそりとします。笹巻きのけぬきすしを12個買って、それから「ささま」で最中を16個、さらに東京堂で、本をあれこれと買い込んで、これは重いので、発送してもらいました。で、ラーメンを食べて「さぼうる」でコーヒーを飲み、煙草を吸って、なんだか若い男の子たちがおしゃれになったなあと、となりのカップルを眺めていました。ちょっと深刻な話をしていたみたい。グレーがかった薄茶色の革ジャケットをセーターの上に着ていた青年。任地が遠い会社の内定をとっちゃったみたいで、彼女のほうはたいへん不満げな様子。なんだかぎくしゃくしたカップルのぽそぽそした会話を聞いてました。これがちょっとコーヒーの苦さにあっていて微笑。なんて、ヒトゴトだから微苦笑もしてられるわけですが。

 タイトルの小川町から、馴染みの神保町へ移動しちゃいましたけれども、今日はまだせわしげな人も多い神田小川町でした。

 馬に乗っとる伊藤さんがうらやましい。伊藤さ〜ん。いいなあ。馬。ぽこぽことまた乗りたいなあ。

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