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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

御塩殿神社

2011年09月10日(土)



 夫婦岩がある二見ヶ浦には何度も行っています。伊勢神宮に参拝する人が旅装をといて禊をするのが二見ヶ浦だったそうです。ということは、今度の旅行でゼミ生の皆さんに説明するために知りました。子どもの頃はあのカエルがいっぱいいるところは「なんなのだろう?」と不思議に思っていました。子どもの頃に住んでいた家の池のそばに二見ヶ浦のお土産のカエルが座っていましたから。で、みつけましたHP管理人豆蔵君そっくりのかえる。二見ヶ浦興玉神社の入り口にいたカエル君。しかし、どっかにでかけるとなんとなく豆蔵君そっくりのなにかがいるってのは、もしかして豆蔵君はなにかの神様のお使いなのかな。ちなみにカエルは猿田彦命のおつかいなのだそうです。



 伊勢神宮の御塩殿神社が近いことも、今度初めてしりました。地元の人は、たんに「御塩殿」と呼んでいるそうです。御塩殿神社は伊勢神宮のお塩を作っている塩田があります。お天気も良かったので、御塩殿神社に回ってみることにしました。野や山、それに浜には、なぜかとっても清浄感にあふれる場所があります。陽の光のさしかた、風の通りかた、植物の育ち方などが、とても心地よい場所です。子どもの頃は野山や浜で遊んでいて、そういう場所を見つけては、そこを「秘密の場所」にしていましたが、神社もそういう「秘密の場所」っぽいとことにあることが多いです。御塩殿神社もやはり、自然の清浄感のある場所にありました。

 清浄と清潔ってちょっと違う感じがします。清潔ってのは、がんがん消毒しても得られるけど、清浄ってのはそもそも消毒薬さえ拒否しちゃうようなところがある。そんなふうに思うことがあります。



 お社の入り口で椿の木がたくさん丸い実をつけていました。茂った樹木のつくる陰が心地よい参道を通って簡素なお社の前へでました。製塩のための小屋はこのお社を海岸のほうへ回りこんだ松林の中にひっそりと立っていました。どこか、この近くに塩田もあるはずですが、見つけることはできませんでした。塩田で、濃度を濃くした塩水を、釜で煮詰めて塩を作るのです。伊勢神宮の製塩は年に2度行われると私が読んだ本には書かれていました。そもそも伊勢神宮がこの地に鎮座するようになったのは、海の幸、山の幸に恵まれた土地だったからだそうです。

 御塩殿神社を見て、それから海岸を二見興玉神社まで歩きました。入り口で向かえてくれたのが、例の豆蔵君似のカエルですが、陶器のカエル、あの懐かしい我が家の池のふちにいたカエルがいなくなっていました。以前はおびただしいほどあちらこちらに置かれていたのですけど。なにかカエルを片付ける季節とか行事があるのでしょうか?それともこのごろはカエルの置物を奉納するという習慣がなくなってしまったのでしょうか? 目立ったのは写真のコンクリートのカエルだけでした。
 
 近鉄鳥羽駅で岩やの塩羊羹というお土産を見つけました。塩羊羹は江ノ島のお土産にもあるのですが、岩やの塩羊羹のすきっりとした塩味がすっかり気に言ってしまいました。もちろん羊羹ですから、甘いのですが、塩味がその甘さと良い塩梅に調和していて、ああ、また食べたいという気になっています。御塩殿神社に行ったせいかもしれません。

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