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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

電子書籍

2010年11月21日(日)

 電子書籍に興味はありませんか?とよく聞かれます。電子書籍に興味はあります。でも、紙の本と同じものを電子書籍でやろうという気にはなれません。もし電子書籍で、何かをするなら、電子書籍の特性を生かした何かをしたいものです。

 電子辞書は単独のデバイス、携帯からのアクセス、PCからのアクセスといろいろな形態で、すでに多くの利用者を得ています。それは検索機能が、まさに辞書にぴったりのものだったからでしょう。道具がその道具の持っている特性を発揮すれば、道具は単なる道具以上の働きをします。では、もし電子書籍をやるとすればどんなことができるか?どんなことがしたいか?を考えてみました。

 さしあたりやりたいのは、インタビューです。今、一番、インタビューをしてみたいのはデザイナーのヨーガン・レールさんです。自分で自分の服を買うようになったのは中学生の頃からですけれども、それからずっと気紛れに、ときには衝動的に、いろんな服を買ってきました。それで解ったことは、私が着るものを買うときは、洋服のデザインも見ていますが、同時に生地に興味を持っているのです。天然素材にこだわるわけではありません。科学繊維も、長足の進歩を遂げていて、こんな生地ができるのかと驚くほどです。で、生地に注意を払っているデザイナーのものには自然に手が伸びます。あとデザイナーでインタビューをしてみたいのは、ヨージ・ヤマモトさんです。やはり生地の使い方が好きです。

 インタビューはおもしろい言い回しがあったり、なんでもないことでも、それを言う時の表情がすばらしかったりしても、文字の原稿におこすときに、ずいぶん削らなければならないことが多いのです。電子書籍ならば、書籍といいながら、テレビのようにインタビューそのものを見せることが可能でしょう。それから話題になっている服や生地を画像で見せることも可能でしょう。テレビのように時間の制約にしばられることもなく、編集することもできるようです。生地を見せたい場合に、手で触った感触を伝えることはできないでしょうが、撮影を工夫することで、感触を想像してもらえるような画像は作れるかもしれません。五感のうちで、「観る」と「聞く」は紙の本よりもずっと、多様な表現ができそうです。

 クラフトのマーケットなども、取材して電子書籍にしてみたら、おもしろいだろうと想像しています。クラフトのマーケットは以前から、出かけて行きたいと望んでいました。例によって、写真をとるのが苦手、ましては動画撮影なんて、絶対にできっこない私ですが、もし電子書籍のコンテンツを作るなら、写真や動画は誰かと協力してやれば良いなあと思っています。映画を撮るよりも、テレビ番組を作るよりも、ずっと軽やかに、映像撮影者との協力関係が築けるのではないでしょうか?

 紙の本にも、映画にも、テレビにも、やれなかった新しいことができるなら電子書籍のコンテンツを作るのも楽しいでしょう。あ、そうだ。詩人の朗読会も電子書籍で制作するコンテンツのひとつとして興味深いものが作り出せるのではないでしょうか。

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