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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

ざらざら、ちくちく、

2010年11月08日(月)

 那覇のホテルで見たへんてこりんな夢。

 東の空が白々として来ることに目が覚めました。夜が明けて行くのを窓越しに眺めて、7時ちょっと過ぎにダイニングへ。もうダイニングは旅行者でいっぱい。みんな早起きだなぁと食事。それからまた寝たのです。夢を見たのはこの二度寝の時。

 最初はベッドの中で、「弟」とごろごろ遊んでいるんだと思っていました。無条件にベッドの中にいる男を「弟」だと思い込んでいるところは夢の中だから。ところがこの「弟」が少しエッチなのです。子どもがじゃれているのとは少し異なった行動に出る。で、「あら、誰だろう?」と疑問に感じると、その「?」的人物はすやすやと寝息を立てだしました。寝ちゃったのかと、「?」的人物の首筋や肩を撫でてみると、これがすべすべのお肌。男とは思えないきれいな肌をしているのです。ここはちゃんと感触があり「なんてきれいな肌なんだろう」と感心。感心しながらも、なぜ彼はここにいるのだろうと疑問が湧き、目を覚ますのです。ここが曲者で、私は夢の中で目を覚ますという夢をよく見ます。実にくたびれる夢で、なんだか損をした気になります。たぶん、目を覚ましてからっぽのベッドを眺めて、なんだ夢じゃないと納得したのも、夢の中だったに違いありません。ほんとうに目を覚ましたのは、それからしばらくしてからのことです。妙な夢を見たものですが、「?」的人物の首筋や肩の感触は目を覚ましてからもはっきり残っていました。ちゃんと目を覚ましてからのほうが、なんだか、そこに人がいたような気がしました。

 那覇の国際通りに面したホテルなんですけれども、昨年、那覇を訪れたときに、国際通りの裏にはたくさんの門中墓があることを教えてもらい、お墓の間を歩きまわりました。今年、歩いてみると、牧志の市場の脇に立派な新しい道路が完成していましたし、墓地も改装になっているところが幾つもありました。二度寝の夢で、すっと「あ、弟だ」と思わせるところが、なんだか、自分の夢のような気がしません。ダイニングルームから、誰かついてきたような、そんな感じ。でも怖い夢ではないのです。へんてこりんな夢でした。

 涼しい沖縄から東京に帰ってみると、なぜか、ざらざらごわごわの生地の感触が好きになっていました。夢のせいかどうかわかりませんけれども。ネパールで織ったという硬いウールの上着を一枚持っていたのですが、これまではそのざらざらとした感触にうまくなじめなかったのです。ざらざらだけではなく、ちくちくもします。で、このざらざら、ちくちくが気に入ってしまいました。なんだろう?

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