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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

選挙サンデー

2010年07月04日(日)

 バーゲンセールのはがきにつられてふらふらと有楽町へ。有楽町の駅前は、丸井が出来てから、すっかり明るくなりました。電車の高架下だけの一画は昔のまま。いつも行く中華料理屋さんは、その一画にあります。昭和30年代からあるんじゃないかしら?

 扉を開けると一階はいっぱいで「お二階にどうぞ!」と、中国語のイントネーションが残る日本語で案内されました。ずっと昔は日本人がやっていた店だったのだけど、いつの間にか中国人のお店になっています。で、階段をがたがた言わせて2階へ。この階段ががたがたする感じが、なんか、昔って感じがします。

 2階へ上がると、丸井の前で、誰やら甲高い声で演説中。甲高いとがった声です。街宣車には「八代英太」の文字。しかし、八代英太とは違う話手のような気がしました。例によって堅焼きそばを注文。こういうお店で働いている中国人の女性が、年々歳々におしゃれになっている気がします。それから街を行く人も、けっこうおしゃれ。日曜日はとくに、母娘でおしゃれをしている二人が目につきます。あと、日曜日の若い男の人はすごくおしゃれです。街宣車の周囲もそんな人たちが集まっていました。

 すると、なぜか鋭い声で演説をしていた男性が、歌を歌いだしたのです。これが、アカペラなのに、うまい!
「あ、歌いだした」と言って、焼きそばを運んで来た店の人が窓を開けました。いやによく通る声です。「いったい誰だ?」と首をかしげていると「松山千春さん、どうもありがとうございました」って声が。この声はもしかすると鈴木宗男議員ではないでしょうか? 続いて「北海道から出てきたかいがありました」とこれはどうやら歌の主らしいのですが、歌うときと、話すときでは、声が違いすぎ!

「選挙?」
 注文とり以外はあまり日本語がうまくないらしい女性が、仕草を交えてそう聞くので
「そうそう」
「朝からずっと、誰か来てますね」
 と街宣車がいた交通会館の前をさしました。丸井が出来たときに、ガードをくぐる道路を一本塞いで歩道にしてしまったので、選挙演説をするにはちょうど良い広場になっているのです。
「選挙、あと、何日ですか?」
 と聞かれたので
「あと1週間です」
 と答えると
「じゃあ、まだ、毎日、いろんな人、来ますね。有名な人来るね」
 と笑っていました。演説にはそう興味はなさそうでしたけど、歌を耳にした時には、心底うれしそうな顔をした中国人の店員さんでした。

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