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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

関内で映画「ひろしま」を見る

2019年08月15日(木)

関内の横浜シネマリンで映画「ひろしま」を見てきた。

 地下鉄の駅を出たところで女性に道を尋ねられたので「私もよそから来たので」と返事をしたのだけど、ふと「どちらに行かれるのですか?」と聞く気になった。同じ映画館を探していると分かって一緒に歩きだす。「『東京裁判』は見ましたか?あれは見逃したんですけど」と聞かれた。「見ましたけど38年前ですから」となんだかとんちんかんな返事をしてから渋谷のユーロスペースで上映中だと答えた。
 映画館で「シニア割引ですよね」とチケットの種類を尋ねられた。数え年なら「シニア割引」いけるんです。でも、満年齢だと1ヶ月半ほど年齢不足。まあ、いいかと満年齢で申告。午前10時からの上映なのに、補助椅子まで出ても満席。
 「ひろしま」が公開されたのは1953年8月。反米的だという理由でごく少数の映画館でしか公開されなかったそうだ。見たかったのは戦後7年目の広島のロケシーン。平和記念公園も出てくる。教室で話されている話が、原発事故をめぐる会話とあまりにもそっくりなので唖然とした。
 原爆投下後のシーンがリアルなのは言うまでもない。「ゴジラ」が公開されたのは「ひろしま」の翌年の54年。あれは荒唐無稽の娯楽映画だとみなされたから、多くの観客を得ることができたのだけど、あの映画を見た人は東京大空襲の記憶がまだ鮮明だったのだなあとある時、気付いた。「ひろしま」は悲劇の再現になっている。映画を見終わって伊勢佐木町の町へ出たら、広島市内にいるような錯覚を一瞬覚えた。去年の夏、スロバキア人のアダムさんと広島市内を歩いたからかな。

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