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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

今様羅生門

2018年12月28日(金)

 都大路の南の朱雀門には死体が打ち捨てられた様子を描く「羅生門」と誰の言っていることがほんとなのか分からない「藪の中」を合わせ黒澤明が映画「羅生門」を戦後混乱期(1950年)に撮った心境が分かる気がしてきた。1950年は朝鮮戦争勃発の年。
 今昔物語の時代の都とは違うから、そりゃ、見える場所に捨てられている遺骸はないけど。孤独死した人は大勢いて、なかなか見つからなかったりするから「今様羅生門」だ。「この男はな、生きているうちはテキトウな金融商品を老人に売りつけておったのじゃ」「なんでわしが腕時計のひとつふたつ、頂戴して悪いことがあるものか」と家主の老女が笑う。男を訪ねてきた元同僚は「では俺がもらってもいいわけだ」と家主の老女を蹴りつけた。なあ〜〜てね。
 それで、死んだ男が住んでいた家の近くに「高輪ゲートウェイ」という新駅ができましたとさ。

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