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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

宮島へ

2018年09月02日(日)

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 広島の平和記念公園から徒歩でお好み焼き村まで歩く。途中、被爆した旧日本銀行の建物横を抜けると頼山陽史跡資料館があった。そうだ広島は頼山陽がいた。見延典子さんが頼山陽の評伝を書いている。本は持っているけどまだ積読状態。斉藤希史さんが頼山陽の「日本外史」が近代口語文成立の基礎にあることを指摘していた。頼山陽史跡資料館で宮島の展示会をやっていたのでアダムさんとちょっと眺める。従軍記ならぬ軍着物の代表としての「平家物語」の話をしながら江戸期の宮島を描いた絵や本を眺めた。
 夏休みの週末だというのに広島は人が少ない。平和記念公園や銀行には日の丸の半旗が掲げられている。お好み焼き村でも空席が目立った。お好み焼き村で入った店のおばさんは因島の人だった。お客は私とアダムさんのふたり。お好み焼きを焼いてもらってから半旗のことを聞いたら「気付てなかった。たぶん西日本豪雨だからじゃないかしら」と。それからちょっと言いにくそうにして「豪雨の日、オウムのあれがあったじゃない」「死刑執行ですね」「そう。祟りだなんて言うひともいるから」「広島拘置所でも一人執行されてますね」「早川紀代秀」と、名前がすっと出る。祟りとか呪いとか、そういう話はパブリックな場所では出ないけど、お好み焼きを食べながらビールを飲んでいる時には出やすい話だと聞いていた。
 「宮島の花火大会も今年は中止ですって。お客さんが少なって困っちゃう」
 広島の自粛ムードは客商売の人には痛い。
 路面電車で宮島口まで1時間。フェリーで宮島へ。厳島神社でアダムさんに学業成就のお守りを授与してもらう。尾道を案内してもらうことになっている林芙美子研究家の野田敦子さんには定番「もみじまんじゅう」を買う。

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