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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

四万温泉

2011年09月20日(火)



 群馬県は温泉の宝庫です。草津温泉、伊香保温泉と回ったので、四万温泉へもおまけで足を伸ばしてみました。台風12号の影響が出てないか、それもちょっと気になっていました。伊香保温泉が山の斜面に開けた温泉なら、四万温泉は谷あいの温泉です。



 渋川あたりでは茶色い濁流だった川の流れも四万温泉まで山あいに入ると、清冽な水がごうごうと流れていました。四万温泉といえば積善館のお風呂が有名です。ガイドブックを見ると積善館の湯殿の写真が出ています。積善館は古い旅館ですが、男湯も女湯も同じように作ってあります。このごろでは、時間によって男湯と女湯を交代させる旅館も珍しくありませんが、私が大学生であっちこっちをうろうろしていた頃は、圧倒的に豪華な男湯に、つけたしみたいな女湯と言う温泉が多かったのです。考えてみると、こんなに山深いところに立派な湯殿を備えた旅館があるのも不思議なことです。



 伊香保温泉にも草津温泉にも温泉療法を研究したベルツ博士の名前が残っています。けれども、私はベルツ博士のことをよく知りません。軽井沢は保養地として開けるまえは追分と呼ばれていたというのは、室生犀星の随筆で読んだ記憶があります。保養地の軽井沢と伊香保、草津のベルツ博士はなにか関係があるのかしら? それと四万温泉の積善館のモダンな湯殿は、なにか関係があるのかしら? そんな疑問がちょっと頭に浮かびました。

 台風12号のもたらした雨はここでもすごいものだった様子で、積善館のお湯をくみ上げるポンプがいかれてしまったそうです。それでお風呂はお湯を抜かれてました。なんでもなければ。日帰り温泉としてお風呂にだけ入るということも可能だそうです。ちょうど積善館に泊まっていたお客さんが
「すっごい雨でしたよ。雨音がすごかった」
 と話してくれました。お湯が抜いてあったので湯殿を見学させてもらうことができました。



 さて、また台風です。沖縄でうろうろして、そのまま西へ抜けてしまうはずだった台風15号が関東に近づいてきています。

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