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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

ヘンじゃない?

2010年10月08日(金)

 台風でりんごの実が落ちたり、水稲が被害を受けたり、赤潮で養殖していた海苔が全滅したり、そういう風水害の被害は、なんらかの形で政府や行政から保障が出たり、融資の枠ができたりする。農林水産業に限らない。日航やそごうのような大きな会社が経営危機に陥れば、やはり公的の資金援助がされたりする。銀行だってかなり助けてもらったはず。もっと古くはエネルギーの構造転換のために炭鉱が閉鎖されたときにも、なんらかの公的な援助があったはず。

 そういうことを思い出したのは、急激の技術転換のために、店をたたまなければならなくなったレコード店(実際はCD店だったのだけど)や、デジタル化のために仕事が激減した写真屋さんカメラ店には、なんらの公的援助がされたという話は聞かない。「紙の本はなくなる」と官民上げてアナウンスされるだけでも死活問題がと考える書店にいたっては「配達された本を並べるだけの」怠け者扱いをされる始末。それでいて、デジタル技術関連のコンテンツ産業はさほど収益を上げているとは聞いていない。過去にはなかったパソコンの製造とか、パソコン周辺の消費財の製造流通といった新しい産業は育ってはいるけれども、トンと景気が良いとは聞かない。儲かっているけれども、ただ、黙っているだけなのでしょうか? なんかヘン。ヘンとしか言いようのないことが進行している気がしてならない。それは、私が万年筆で紙の原稿用紙に原稿を書き、紙で出来た本を町の本屋さんで売って暮らしてきたというアンシャン・レジーム側に属しているから、そう思えるだけなのでしょうか?

 何か観念的な急進性のために、現在ちゃんと機能しているものまで壊してしまっているということはないでしょうか? どうもそんな気がします。

 これまでの産業構造の転換期にあった政策と現在の政策の比較を、誰か試みてはもらえませんでしょうか?

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