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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

二宮金次郎少年の運命

2018年06月19日(火)

 ショック。二宮金次郎が道徳の教科書に復活しているのですって。。私が通った館山私市立船形小学校には薪を背負って本を読む二宮金次郎の象があった。で、小学校へ入学して2日目にその二宮金次郎の前で「道を歩きながら本を読んではいけません。車にひかれます」って教わったの。交通戦争と言われた1966年の春。昔、勤勉の手本、今交通安全の反面教師の話はしばらく我が家の笑い話になってました。今、住んでいる家の近くの高台の畑の中にも少年二宮金次郎さんの象がたっていた。もとは小学校があった土地で、小学校が移転する時、二宮金次郎象だけ置いてけぼりになったみたい。赤い夕陽に照らされる畑の中の二宮金次郎少年の象は好きでした。過ぎ去った時代の夢の名残だから。で、畑はマンションになって、マンションが建設される時に二宮金次郎さんも処分されたようで。それが今頃になって驚くべき時代錯誤の復古主義の道徳の教科書に載るなんて(驚嘆)
 小学校4年生で終戦を迎えた私の母は教科書に墨を塗って使った世代。日本中の小学生が教科書に墨を塗って使っていたんだ。教育勅語を復活させようとしたり、二宮金次郎を道徳の教科書に載せるなんて、教科書に墨を塗った小学生たちの人生が否定された感じがする。

今年の十五夜

2018年06月17日(日)

金沢八景の千代本の大伯父のところへ本の整理に行くと言ったまま、もう1年も行っていない。大阪通いがなくなったのでなんとか行けるようにしないと。金沢八景の景色がどうやら明の滅亡と関係があるらしいのが分かった。広重が描いた金沢八景のうち「瀬戸の秋月」の絵。後方の円い山影は野島山。十五夜の月は野島山の頂上から上る。今年の十五夜は久しぶりに千知本の座敷から眺めさせてもらおうかな。千代本はお店を閉じてしまったけれども、大伯父に頼めば座敷くらいはあけてくれるだろうから。

成増の交差点で

2018年06月04日(月)

 暑い日です。衣替えが過ぎたから、夏の着物に夏帯の人がちらりほらり。ただいま。
 池袋でお買い物をして大荷物。両手がふさがった状態で成増駅前の川越街道の横断歩道を渡っていたら、向かい側から道路を渡ってきた人がいきなりばったりと倒れ、びっくり。鼻と口から血を流していた。で、信号が変わったので、荷物を置き、両手を広げて自動車を通せんぼ。倒れたご婦人のお連れの人が「救急車を呼んでくださ〜〜い」と叫ぶ。男の人が二人やってきて、歩道まで倒れた人を運ぼうということになり「誰かもう一人男の人いませんか。手をかしてください」と3人がかりで歩道まで運んでいる間に、救急車を呼んでくれた若い男性がいた。歩道に運び込み、ほどなくして倒れた人の意識が戻る。どうも転んだらしい。確かに中央分離帯の段差3センチにみたない縁石のところでばったりと倒れた。そこへ救急車。で、救急隊の人が来て「いや、ここじゃなくって別件で来たところなんですけど」と。
 えっ、「別件!」と驚いていたら「ちょっと指令に連絡して」と言って、けが人の様子を見てくれた。「別件です」って言って置いてかれちゃうのかしらとどきどきしていたので、ちょっとほっとした。ストレッチャーが出てきたところで、大荷物を持ちなおしてすたらこと御家に帰ってきました。成増の駅前には「ばか〜ばか〜」と鳴くカラスが住んでいる。だんだん「ばか〜、ばか〜」の声に磨きがかかってきて、今日もきれいな声で「ばか〜、ばか〜」と鳴いていた。

   
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