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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

欧州の混乱は戦争へ?

2015年10月17日(土)

 ドイツ銀行の経営状態が悪いという話が昨年から出回っているそうです。もし、破綻すればリーマンショック以上の痛手を世界はこうむりそうです。またEUも破綻しかねません。そこへ北アフリカ、中東から多くの難民が押し寄せているのが現状。

 10月9日付で時事は以下の記事を掲載しています。フランス、シリアへ2度目の空襲(すみません。私はどうも湾岸戦争の時に出てきた「空爆」という言葉に馴染めません。「空襲」のほうがずっと実感があります。「東京大空襲」は呑み込めるけど「東京大空爆」は喉にひっかかる棘みたいな感じ))とのこと。

「【パリ時事】フランスのルドリアン国防相は9日のラジオ番組で、仏空軍がシリアで前日夜から未明にかけて、過激派組織「イスラム国」の訓練施設に対して2度目の空爆を実施したと明らかにした。
 国防相は「ラファール戦闘機が爆弾を投下し、目的を達成した」と述べた。また、さらなる爆撃を検討していると説明した。 」
 戦争しますと言って始める戦争は珍しいものです。1月にパリでのテロ事件。フランスのシリアへの空襲。ドイツをめざす難民の大集団。もう欧州での戦争は始まっていると言えるでしょう。今のところは戦争と言わず混乱で収まっていますが。そこにドイツの経済破綻が訪れば混乱は「戦争」へと姿をかえる可能性が高まったと言えます。
 ユーラシア大陸の西の戦争に、極東(← 欧州の混乱を見ているとこの言い方がとても実感を持ってきます)の日本が巻き込まれないかが重要な局面で、わざわざ、中東に出かけてISに攻撃の口実を与えた安倍首相のおそるべき無能はいったいどうしたものでしょう。安倍首相の「無能」は、首相を囲むブレーンの「厚顔無恥」に由来しているようです。第二次世界大戦と日中戦争、太平洋戦争の敗北を認めない人々が安倍首相のブレーンだということが指摘され始めています。「戦前回帰」というよりも「戦前固執」と言ったほうがいいかもしれません。ユーラシア大陸の西で「第三次世界大戦」と呼んでもいいような戦乱の狼煙があがっている時に、ユーラシアの東の果ての島国で第二次世界大戦前に固執する人々が空気頭の首相を担いでいるのを、宇宙人が眺めていたらさぞかしおもしろいでしょう。その宇宙人が戯曲家の才能を持っていたら、さぞかし愉快な喜劇を書くことでしょう。


 ドイツ銀行を巡る暗い噂。ドイツ発の世界恐慌の可能性も!?

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151016-00064330-hbolz-eurp

カチカチ

2015年10月14日(水)

 ネトウヨのほかにビスネスウヨと呼んでもいいような人々もいるんじゃないかな。原発政策堅持派とか武器輸出賛成派とか。もろもろ
 1970年代後半の高校の教室には中国は南方戦線へ従軍経験を持つ先生がまだ教壇に立っておられた。国語を担当されたある先生は「僕が教科書を読むとカチカチなるけれども笑わないように」とおっしゃった。顎の下に戦線で受けられた銃弾が残っているとのこと。
 先生の頭蓋骨には戦後30年以上、カチカチという音が響いていたのだ。もちろん、そんな音は生徒に聞こえるはずがない。戦闘の中で敵兵を撃つこともあったにちがいないことを生徒は想像した。が、先生はそんなお話はなさらなかった。
 1970年代後半の高校の教室に、父親の酔態に悩まされている友人がいた。ある時そっと告白してくれたのだが、その友人の父親は酔うと、朝鮮半島でいかに不逞の輩を切り殺したかを微細に語るのだそうだ。具体的な方法を話されるのに悩まされていると言っていた。忘れられない光景があったのだろう。
 「なんで人を殺してはいけないのかわからない」と発言した17歳の青年がTBSの筑紫哲也氏の番組に登場したのは1997年の神戸連続児童殺傷事件の時だったか。それで、人を殺した経験のある人がいっぱいいた時代に教育を受けたことを思い出した。戦後30年くらいまではそういう時代だった。

   
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