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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

すごく小さな喫茶店

2010年04月20日(火)

 新宿から代々木まで歩きました。JR東日本の本社前のサザンテラスを横切れば代々木はもう目の前ですから、電車の駅が二つあるのが、不思議なくらい。いや、新宿駅が大きいせいで、そんな感じがするのかもしれません。サザンテラスから代々木のほうへ出ると、アニメーション学院など専門学校と予備校、それに共産党の本部がある一画に出ます。以前、知人が若い人になにかのときに「だから代々木が」と言ったら、「え、アニメーション学院がどうして関係があるのですか?」と聞かれたと苦笑していました。代々木と言えば、40代以上は「共産党本部」30代は「予備校」20代以下は「アニメーション学院」だと、その時、教えてもらいました。
 そう思うと代々木はおもしろい独特の街です。

 白い壁に窓枠を鮮やかなブルーで塗ったビルとか、吹き抜けのあるロビーが硝子越しにすべて見えるビルとか、木材の横木を並べてリズム感のある壁面を作っているビルとか、小さいけれども、外観に特徴的なデザインを施した建物が、目につくのも代々木です。

 少し時間があったので、線路際を北参道の方向へ歩きました。どこかに煙草を吸わせてくれる喫茶店はないかしら? という下心もあったのです。すると喫茶店の看板が出ていました。判子屋さんと同じ建物です。三角地に立った三角の建物。カフェの看板は三角の鋭角、つまり狭いほうにありました。

 扉を開けると目の前にカウンターが。カウンターの中には男の人が一人。「?」という感じで、あまりの至近距離に面食らってしまいました。何か言わなくちゃいけない距離なのです。
「あのう、このお店で煙草は吸えますか」
 そうは言ったものの、煙草を吸うどころか、カウンターの前は人ひとりが立つのがやっとという狭さです。
「うちは持ち帰り専用なんです。でも煙草をお吸いになりたければ、そちらでどうぞ」
 と、軒下に二つ置かれた椅子のほうをさしました。
こんなに近くでお話をしたら注文しないわけには行きません。
「じゃあ、カフェオーレを下さい」

 きめ細かな泡立ちのミルクが入ったカフェオーレでした。紙コップを手で持てるように、段ボールの筒がついている親切さ。それで280円。安い! おいしい! 軒下の椅子に座ってカフェオーレを飲んでいると、道を歩いていた年配の二人の女性が、びっくりした顔で、三角地に建った三角の木造二階建ての建物を眺めていました。ほんとうにびっくりするほど小さな喫茶店? でした。

今年の桜

2010年04月18日(日)

 去年は桜が咲いたのがうれしくってあっちこっち桜を見て歩きました。

 ことしの桜は、咲き始めからちょっとぐれてました。2月の気候が安定しなかったためか、染井吉野でさえ、花の咲き始めから、新芽が顔を出していました。それが3月の卒業式の頃。それからずっと咲いています。超過勤務です。新芽が伸びて若葉になっても花が散りません。さらには、そこに雪が降る始末。さくらはさくらでいたくなくなるようなお天気です。

 法政大学のボアソナードタワーから外濠土手のさくらを見下ろすお花見をしたのは3月。法政の学生はボアソナードタワーのことを略して「ボアソ」と言っています。フランス法のボアソナード博士は「わしはボアソじゃない」って言っているかもしれません。で、どうしたことか、このお花見のときは次々と、参加者が眠気に襲われたのです。ボアソナード博士が遊びに来ていたかもしれません。

 知人と大阪の水上バスに乗りました。有名な造幣局のさくらを川の上から見て、大阪城の下まで行き、淀屋橋まで戻るというコースです。なんでも天神祭りのときに
船が練り歩くのと同じコースだとのことでした。それから北浜の与太呂で鯛ご飯を食べました。鯛は今が旬。さくら鯛と言うのだそうです。

 あとはもう寒くって寒くってぶるぶる震えている日ばかり多い今年の桜でした。

金沢八景散歩を「すばる」に書きました。

2010年04月13日(火)

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 写真は金沢文庫がある称名寺。うら山を昔は坊主山と呼んでました。春になると野焼きをする習慣があったので、樹木が茂らなかったのだそうです。
 童謡の「まるまる坊主のはげ山はいつでもみんなの笑いもの。これこれ杉の子起きなさい。お日様にこにこ声かけた」というのは、この称名寺のうら山のことだと思っていました。幼稚園の遠足も称名寺でした。

   
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