中沢けい公式サイト 豆畑の友
ホーム プロフィール・著作リスト 中沢けいへの100の質問 中沢けいコラム「豆の葉」 お問い合わせ
中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

カフェ・ド・芙美子

2018年09月11日(火)

28,938 byte

手打ちは刃物の山崎清春商店がある尾道商店街の入り口に林芙美子が女学校時代に住んでいた旧居がある。しゃがみ込んだ林芙美子の銅像からすぐの場所だ。以前はカフェ・ド・芙美子という喫茶店があり、その裏の林芙美子旧居を見学できるようになっていた。今はカフェ・ド・芙美子は店を閉め、林芙美子記念館になっている。久しぶりに尋ねてみると、ガラス越しに林芙美子が住んだ家が中庭の向こうにある。ところが、私には中庭の記憶はなかった。狭い階段をあがったところの一間の記憶は鮮明なのに、中庭は記憶からすっぽり落ちていた。
 写真は林芙美子の旧居を外側から撮影したところ。尾道は東西を結ぶ西国街道と瀬戸内海の島々への渡し舟、それから山陰からの道の交差点に当たる町だ。
 ロープウェイで千光寺の山に登り、徒歩で降りる途中の文学記念室で、林芙美子の夫の手塚緑敏が書いたエッセイが展示されているのを見た。地元の高校の求めに応じて書かれたものだそうだ。尾道図書館には女学校時代のともだちが林芙美子へ宛てた手紙が展示されていた。このふたつはじっくり読んでみたい。やっぱりし〜ちゃんとめいタンの帽子を買いに、もう一度、尾道へ行こうかな。
 林芙美子の評伝を書けと言われてもう20年にもなる。それなりに資料は集めたのだけど。なかなか手がつかない。そうわけで、カフェ・ド・芙美子にあった林芙美子全集は、今、私の研究室にそろっている。懇意の古本屋さんに林芙美子全集を探してもらったら、カフェ・ド・芙美子の本が届いた。若い林芙美子研究家の野田敦子さんとは親しくなるし、遠いスロバキアから林芙美子の従軍紀をテーマに博士論文を書くというアダムさんが現れるし、やっぱり林芙美子の評伝を書かなくっちゃいけないかしら。

↓前の日記 / 次の日記↑

   
談話室 リンク集「豆の茎」 メルマガ「豆蔵通信」 サイトマップ